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「家族」で起こる、ささやかな大事件!
息子が小学六年の一年間「親父会」なる集まりに参加することになった私。息子が憧れる熱血漢の担任と、親子共々忘れられない一年となるが、その数年後、意外な真実が明らかに。家族を描く心温まる全七編。
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少し久しぶりの辻村深月さん作品。
やっぱり大好きな作家さんです。
それぞれの家族の中に誰かしらコンプレックスを抱えていて、家族だからこそすれ違いがあったり、自分の弱さを認めたくなかったりしていて、どの作品も引き込まれてしまいました。
辻村深月さんらしさが散りばめられた短編集。
最後はハッピーエンドなので、安心して読めました。
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やはり短編集は物足りないかな。
始めの2話の、兄弟喧嘩の言葉がきつ過ぎて、読んでていたたまれない気持ちになった。確かに私にもある。取り返しのつかない酷い言葉を投げつけて、未だに後悔している程の思い出が。ただ、その嫌な気持ちが無くなるくらいの、何かに、救われることなく読み終わってしまったのが残念。どの短編も家族だからこその距離の取り方の難しさ、互いを想うあたたかい心が上手く描かれているけど、短編だから全体的にふわっとしてる。
あと、辻村さんは「真面目」と評される子たちの、生きていく上での窮屈さみたいなのを描くのがお上手だと思っていたが、今作では露骨過ぎて感じが悪く思えて仕方なかった。
解説は良かった。
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本屋大賞受賞作品はこれから読むとして、今回は本屋大賞受賞後に初の文庫化が行われた辻村深月さんの「家族シアター」を読んだ。書店の平台にずらりと並べられていたこの物語は、短編が7編収められた短編集で個人的には非常に感動し一気読みしてしまったほどだ。
この一冊に登場する家族は、姉妹であったり姉弟であったり父と息子であったり、祖父と孫だっったりと様々だ。また、題材も学校生活のことであったり家庭でのことであったりと、こちらもまた様々だ。様々な家族があって様々な生活があって、それをまとめて”家族シアター”として一冊に綴っているということだろう。
真面目で地味な姉をうっとおしく思いながら、年子として同じ高校で学生生活を過ごした妹。姉と同じに見られたくなくて、明るく派手に学生生活を送った妹だが姉の気持ちは妹が考える以上に素敵だった(「「妹」という祝福」)。
アイドルオタクの弟とビジュアル系バンドの追っかけをしている姉。性格も考え方も真逆な姉と弟は、顔を合わすたびに喧嘩ばかりを繰り返していた。しかし、ある日を境にして日に日に元気が無くなっていく姉。バンドメンバーの悪い噂も聞こえてくる中で、大嫌いな姉のことがとても心配になってくる(「サイリウム」)。
息子が小学六年生の時に、担任の先生は熱血漢で人気のある教師だった。ひょんなことから息子のクラスの「親父会」に参加した大学講師の父は、やる気の無さとは裏腹に会の役員を引き受けることになってしまう。渋々引き受けた役員だったが、その縁で息子が卒業してから数年経って、熱血教師の思いがけない秘密を知ってしまう(「タイムカプセルの八年」)。
その他にも、孫娘のことを想う祖父や可愛げのない妹を気にかける姉など、素敵な家族が次々と登場する。自分自身の家族構成や思い出などとは別次元で、読んだ後にそれぞれ温かい気持ちが湧いてくる短編集だった。
春が来て新年度が始まり、ゴールデンウィークを目前にして何となく体も心も疲れが溜まって来たという人は多いだろう。私もその一人だ。そんな疲れた体と心が、この本を読むことでじんわりと癒されていくような気がする。そんな素敵な一冊だった。
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家族をテーマにした短編集です。妹、弟、母、父、姉、祖父、夫の視点で描かれる、それぞれ異なる家族のお話。妹視点の「『妹』という祝福」や、父視点の「タイムカプセルの八年」が特に良かったです。
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家族に纏わる短編集。
家族って難しい時がある。
近すぎて…という時もあれば、近いからという時もある。
家族だからと全てさらけ出すことも出来ない時があって、家族だから、もっと頼って欲しい時もある。
そのバランスは、人それぞれ。
そんなもどかしさも、上手く表現されていた。
2020.12.30
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すごく良かった。良かったことを上手く言葉で表せない自分がもどかしいほど。
家族のそれぞれの視点で書かれた短編集。私が女性だからか、「妹という祝福」「私のディアマンテ」「1992年の秋空」が特に良かった。気づいたら泣いてた。
一番身近な存在、家族。疎ましく思うときもあるけど、結局切っても切れないのが家族なんだろうな。
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【あらすじ】
近くにいるから傷つけ合う。遠くにいてもわかり合える。
大好きだけど、大っきらい--読めばきっと、あなたの「わが家」に帰りたくなる。
弟はアイドルオタク、姉はバンギャ。趣味も性格も正反対。犬猿の仲の二人は顔を合わせれば衝突ばかり。ある日、盗み見ている姉のブログに不審な投稿を発見してしまった弟。日に日に覇気がなくなっていく姉の様子が気になって仕方ない(「サイリウム」より)。
息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画。親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」より)。
真面目な姉を鬱陶しく思う妹。
趣味で反発し合う姉と弟。
うまく息子と話せない父。
娘の考えていることが理解できない母……
あなたの家族もこの中に。家族を描く、心温まる全7編。
【感想】
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短編ってズルい。
いくつかの話の中に、ひとつでも面白ければ、短編集の評価は、どうしても良くなってしまう。
それに比べて、長編は、ラストがちょっと…とか、全体的に少し長い…とか、当たり前だけど全体で評価してしまう。
この本は、気にいる話は人によって違うと思いますが、どれかひとつはヒットするのかな?
私は、一番はタイムカプセル。
妹、1992年も良かった。
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最後のタマシイムマシンの永遠がとても良かったです。
孫と誕生日会も良かったと思うけど、タマシイムマシンの永遠が1番かなと思いました。
ほんとに短い話で、自分自身は短編はあまり好きではなかったのですが、すごく深くて、感動してしまって泣きました。自分の祖父母にひ孫を見せてあげたいと思ったり、亡くなった祖父に私が可愛がられたという話を思い出したり。祖父母と関係が近いのもあり、本当に自分に置き換えて読んでしまうような作品でした。私も覚えていたいと思ったし、今でも小さい頃に亡くなった祖父のことを少しだけど覚えています。
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様々な人間模様というか、家族のあり方があって、あるあるとうなづくようなエピソードで微笑ましく読めた。切っても切り離せない家族だからこそ起こりうるお話。
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最初の話とさいごの話が良い!
特に最期のタマシイムマシンは短い話だけどすごくグッとくる
母親のセリフの「自分が大事にされてたかどうか確かめに来たのに、その時にお母さんがため息ついてたり、笑ってなかったら、きっと嫌だろうなって思いながら一緒にいるの」がすごく良い
辻村深月は本当にドラえもんが好きなんだろうな
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家族に纏わる7編からなる短編集。
家族とはどうも厄介なもので、遠くなったり近くなったり大好きだったり大嫌いだったりと、その時(年齢)によって変わってくるものだ。
どの作品も程よく棘があり、そして温かかった。
中でも私は『私のディアマンテ』がお気に入り。
私自身が4人姉妹で育ち、現在は娘を育て、女だらけの生活を送っているので母娘の関係にうんうん、と頷ける箇所が多数。
娘が大きくなったら私たちはどんな風になっているのだろう。
いつまでも小さなままでいて欲しいけれど、成長した娘を想像するのも又楽し。
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タイトルどおり、家族の物語。
家族だからこそ生まれる軋轢、反発、家族だからこそ許せること、かばう気持ちや親しみ。ひとことでは説明できない複雑な感情が描かれている。
特に最終話が良かった。
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これぞ親子で読んでほしい物語。
家族だからわかりあえるなんてことはなくて、家族だからこそわからないこともある。でもやっぱり家族だから。絶対的な味方がいるって幸せなこと。
近すぎて傷つけてしまって、大嫌いだけど大好きで、お互いが疎ましくて愛しい。そんなあたりまえのことを再確認できる7つのストーリー。どの家族もいとしくて、大好きになりました。