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なぜハルが孤立を選んだのか、その頑固さに胸が痛くなる。むしろ親に肩入れしたくもなるが、ハルは小学生なのだ。行き違いは当たり前。担任教師はいまひとつ頼りにならないが、悪いわけでもなく、むしろ周りの大人はちゃんと「大人」であることが心地よい読後感につながる。こんなにうまくいかないよと皮肉るより、大人のあるべき姿だととらえたい。
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NASAやJAXAのエンジニアを目指す小学6年生の佐倉ハル。風船ロケットで地球の撮影に挑んでいるハルの小学校に金髪の転校生の女の子が現れる。心の琴線に触れるいい作品さと思う。
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私と同じ北海道札幌市出身の作家。
メディアワークス文庫のライトノベル『終わりの志穂さんは優しすぎるから』を読んだことがある。
最近のライトノベルというと、いわゆる「なろう系」の異世界転生モノが乱発されているが、著者の作品は一昔前の独特なのんびりとした雰囲気を持ったライトノベルに近い。
本作は北海道の札幌近郊を舞台にしており、北海道らしいやはりのんびりとした空気が漂っている。
地名をぼかしているが実在する公園や施設も出てくるので、それらを知っている人はより作品に入り込むことができる。
もちろん知らなくても十分に伝わる魅力を持っている。
ストーリーは上記の内容紹介の通りでよくあるボーイミーツガールに見えるが、以前読んだストーリーの似ている『ひとりぼっちのソユーズ 君と月と恋、ときどき猫のお話』より遥かに面白いし伝わるものがある。
実際のところ、イリスと出会う前と後で、ハルの目指すものはそう変わらない。
たとえイリスがいなかったとしてもエンジニアを目指し続けていただろう。
でも、以前のハルには半ば自暴自棄になっているところがあった。
そのまま道を進んでいたら、たとえ心に決めたものがあっても途中で辛くなっていたと思う。
それがイリスとの交流によって、彼の中で納得したものができて、目標はより強固なものになった。
夢を持つこと、それに向かって努力すること。
それにまつわる爽やかさを持ったいい作品だった。
ただ、良くも悪くもライトノベルっぽいところがあって、イリスは小学6年生にしては幼すぎるし、ハルは同年齢にしては大人すぎる。
それがキャラクターとしての良さでもあるのだが、物語の力というかメッセージ性のある本なのでもう少しリアルにしてもよかったと思う。
また、東京創元社のミステリ・フロンティアというレーベルで発行されているが、次の展開を期待するようなミステリを想像すると肩透かしを食らうことになると思う。
ミステリ好きというよりは、良作のライトノベルを読みたいという人にお勧めしたい。
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なるべく自分の力だけで風船ロケットでの大気圏突破に挑戦している小学6年の佐藤ハル。幼馴染の三好以外とは過去のある出来事が原因でクラスから孤立しているし両親ともぎくしゃくしているが、NASAかJAXAでのロケットのエンジニアを目指して一人静かにこつこつと研鑽している。ある日クラスに金髪碧眼の鳴沢イリスがアメリカから転校してくるが、彼女はある理由で自分から孤立の道へ。そんな二人があるきっかけで交流を始め、それぞれが自分を覆う殻に気付き、壊そうと挑戦していく。困難に直面したハルが他者に協力を要請出来るようになっていく過程が正に王道の青春小説で爽やか。ハルとイリスのぶつかり合いで時々疑問が生じていたけど、最後に全てが明かされるとそれまでの過程にしっかりとした根拠が土台となり爽やかさに重みが生じるのは見事。タイトルの意味が染みてくる。ミステリ·フロンティアこう来るか。
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宇宙がメインの話だと思ってたら違った
けどおもしろかった!!
小学生の語彙力じゃないって思うところがいくつもあった笑