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ストーリーの面白さもさることながら、この生業をテーマに選んだこと自体が秀逸。欲を言えば主人公以外の人物や物件に何らかの関連性があればもっと引き込まれたかな。こういうニッチテーマの続編に期待したい。
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訳ありの物件に住むことで物件の瑕疵を軽減する「瑕疵借り」を巡るミステリ。事故物件でもその後に他人を住まわせれば告知義務をしなくていい、というのは聞いたことがありますが。この物語での「瑕疵借り」はそれだけじゃなく、部屋にまつわる心理的瑕疵と人間関係のわだかまりまでもをきれいに浄化するような印象で、すがすがしい読み心地でした。
お気に入りは「百尺竿頭にあり」。これが一番意外な真相。そんな方法では孝行にはならないぞ、とは思いましたが。なんだか切ないなあ。
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「瑕疵借り」を生業とする主人公が、瑕疵とならざるをえなかった賃貸物件に住む家族の隠された真実を暴く、っていう設定自体に真実味は無いけれど、とにかく全編落涙必須のストーリと無駄のない文章に久しぶりに一気読みしました。著者はこのようなお話しも描けるんですね、見直しました。読んで損はないです。面白かったです。
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「瑕疵借り」という役割が実在するのかは知らないが、本書にもあるように、それで貸し手の通知義務が免責されるものでもないだろう。
故人の縁者のわだかまりが解けるのであれば、正にそれが弔いということだろうか。
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「瑕疵借り」なんぞ始めて耳にするが、なるほど、事故物件のロンダリングってな意味か。貸借双方の立場からして分からなくもない。それにしても、瑕疵借り屋を生業とする辛気臭い正義の味方って、よく思いつくなぁ。4話ともに死が起因するから気鬱感に包まれるが、最後はそれぞれの死に心痛める縁者たちに、死者からの無言のメッセージを届け、行く末を照らしてくれる瑕疵借り屋の藤崎。その頭脳、ほかに使い道あるはずだよ、カネになってないし。
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久しぶりに本格小説に出会った。人生には悲しみがあり、それをどう克服してゆくのか!人は人によって助けられる。
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ちょっと無理がある話もありましたが…
続きが気になって読み進め、寝不足になりました。
藤崎さんは何者なのか…
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写真と「瑕疵借り」の文字で、表紙からは不穏な空気が漂う。けどとても切ないミステリーだった。
物語に吸い込まれ、どんどんページが進む。
遺族のやり場のない気持ちを、冷静に溶かしていく藤崎が魅力的。
人の命の儚さ、生き続ける事の大変さ、色んな人が生きて死んでいく。ニュースで見る事件のどこかの部屋には、藤崎が住んでいるかもしれない。
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正直松岡圭祐の歴史物はストーリテリングも拙く、歴史的事実とフィクションとの融合が全く破綻していて、残念としか言いようがなかったのだけれども、こういうミステリー仕立ての現代のお話は単純に楽しめる。
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①土曜日のアパート、②保証人のスネップ、③百尺竿頭にあり、④転機のテンキー、瑕疵物件に住むなんて怪しい〜と思ったけれど、残された人たちの心のわだかまりを解いていく様子に心あたたまる思いがした。
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瑕疵、辞書で調べてみると「欠点・欠陥のあることをいう。 法律用語。法律または当事者の予想する完全性が欠けていること。」とのこと。賃貸物件(住居)関連の4篇
土曜日のアパート、保証人のスネップ、百尺竿頭にあり、転機のテンキー
いずれにも藤崎達也が登場し悩める人を導く、彼はいったい誰なのであろう。いずれの作品も面白くあっという間に読み終えた
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瑕疵借りを生業とする藤崎が探偵役?の連作短編ミステリー……かな?
ちょいちょい気になるところがありつつも、まぁまぁ泣きました(笑)
以下軽くネタバレ
個人的には「保証人のスネップ」が好き。理由もわかるしラストも素敵。譲二には是非頑張って働いてほしい。パスワードんとこで涙腺崩壊したわ。
「百尺竿頭にあり」は理由が判明したら泣きまくり。長男ー!!みたいな。
てか、途中、主人公が地の文で話した「もう一人の家族」がわからなくてむむ?とはなったけど。伏線じゃないのか?奥さんと二人暮らしじゃなかったっけ?
あと、ラストの保険金は受け取って欲しかったな……最後は建て直した家で過ごしている情景の方が長男も救われると思うんだけど。
「転機のテンキー」は、なんちゅーか溝が深いというか、根に持つというか……娘さん、短大まで行ったけど、親父さんの望む方法だってのかは謎じゃね?外泊ばっかで就活はしてたみたいやけど、果たして勉強はやっていたのか……?てか、早めに教えてやれよ。個人的に親子間での内緒事嫌いなんで、読んでいてふに落ちなかったな……。
「土曜日のアパート」はファンタジーっぽさ満点。足長おじさんだなぁ……って感じかな。印象薄め。
でも、瑕疵に焦点を当てた日常系ミステリーは面白い。是非続編を!
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瑕疵のある部屋を借りた男が色々解決する話。
凄く面白いわけではなかったけど、なんともない一行が心を掴んだ。
「何かを始めることは怖いものではない。何も始めない事の方が怖い」
まさかこんな名言に出会えるとは。
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瑕疵物件を借りることを職業にしている「瑕疵借り」。借りた物件に関わるいざこざを解決していくというニッチな設定のミステリー短編集。この作家さん、はるか昔「ディズニーランドの憂鬱」読んだけど、着眼点が面白いな。
今すでに、孤独死などにつながるような貧困、未婚率の上昇、高齢者の賃貸問題という現状がある社会において、ある意味必要な職業かもしれない。
最初の話がいちばん良かった。最後は少し感動したけど、それ以上に「困難な環境におかれたとき、優しい人ほど淘汰される」こととか「大人の弱いものいじめ」とか、日本の残酷な、嫌な、無いことにされている部分がものすごく上手に描かれていて、そのやるせなさに泣きそうになった。かなり印象に残ってる。
優しくて涙がでる、という売り文句ほどではなかったかな。
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変死などによる瑕疵物件を借りる男を鍵に、瑕疵の真相に触れることで解決していくそんな短編。
共感はほぼ皆無だが、視点と事例は面白い。