投稿元:
レビューを見る
色んな、ちょっとブラックな仕事。
中には、殺し屋という本当のブラックな〝仕事〟まで。
少しずつのっぴきならない事態に追い込まれていく登場人物たち。
ギアが入った時のスピード感はさすが。
一気に読まされる。
投稿元:
レビューを見る
羽田圭介が数年前に書いた連作短編集クライムノベルということで楽しみに読む。
三つのお話がどういう風につながっていくのか。カギを握るのはあいつなのか、最終章ではどういう形で収まるのか。
普通の女の子がいきなりこんな風に暴力的になるのか、と驚いたり、小麦アレルギーの殺し屋の人間臭さにほっとしたり。さぁ最終章、どうなる!と思っていたのだけど…
血なまぐさい二編と軽やかなタイトルの違和感は結構好きだけど…
投稿元:
レビューを見る
さまざまな職業で頑張る人たちの姿を描いたお仕事小説。ガソリンスタンドのアルバイト、殺し屋、雑誌記者、と仕事の内容はそれぞれだけれど。食事の時間も惜しんで仕事に打ち込む様子は、すがすがしいものを感じます。もちろん自分に合った職業だからってのもあるでしょうが。仕事にかけるプロとしての矜持もかっこよくって、真似できないなあ、と(特に殺し屋は真似できませんね)。
お気に入りは「内なる殺人者」。小麦アレルギーの殺し屋。いろいろ大変そうなのですが。妙に親しみのわくキャラクターでした。殺し屋なのに実はいい人っぽいし。スーパーの米粉のエピソードがいいなあ。
投稿元:
レビューを見る
タイトルから「昼飯抜きの忙しい職場を通して描かれる人間ドラマの話かな?」と思ったらゴリゴリのサスペンス。食を単なるアイコンではなくサスペンスを盛り上げる要素に昇華させた『内なる殺人者』が特に面白かった。全3編は共通の世界が舞台のようで、脇役のクロスオーバー出演も楽しいw
投稿元:
レビューを見る
2018/5/13
ガソリンスタンドで働くハタチのアルバイト。
小麦アレルギーの殺し屋。
週刊誌の記者。
事件が、暗闇が交錯して、どうなったんだろう?
小麦で殺されて殺人罪って適用されるのかな?
投稿元:
レビューを見る
ガソリンスタンドのアルバイト、小麦アレルギーの殺し屋、写真週刊誌の女性記者を主人公の3篇。どこかで繋がっている。共通しているのは、仕事熱心なことかしら。少々お仕事紹介みたいな風もありますが。仕事熱心とか犯罪とか他の作家さん作品と比べてしまう。もう一ひねり? 味の濃さ? 欲しいところ。うたい文句とか帯とかイメージ違ったかなあ。
投稿元:
レビューを見る
+++
ガソリンスタンドのアルバイト、アレルギー持ちの殺し屋、写真週刊誌の女性記者。日々過酷な仕事に臨む三人が遭遇した、しびれるほどの“時間外労働”!芥川賞作家・羽田圭介だから書ける、限りなく危険なお仕事&犯罪小説!
+++
タイトルから、もっとほのぼのとした物語かと思いきや、なんとも過酷なお仕事ものがたりだった。とはいえ、ただのお仕事ものがたりと思ったら大間違い。過重労働、時間外労働、など、危ない仕事の現場がぎっしりと詰まっているのだった。GSを舞台にした『グリーンゾーン』では、著者が三か月くらい実際にバイトでもしたのではないかと思わせるような、詳細な業内容が描かれていて、車のことは全くわからないながら、その忙しさは充分すぎるほど伝わってきた。さらに、『内なる殺人者』と『誰が為の昼食』は全く別の物語かと思ったのだが、緩やかにつながっていて、最後の最後でそういう落ちになるのか、と納得させられる構成になっていて、二度おいしい気分になれる一冊でもある。
投稿元:
レビューを見る
雑誌に掲載されていた書評が興味深く、羽田さんの本は外れがないので借りて読んだ
一話目はちょっとハード過ぎてなんとか読んだ
二話目はこの手の話でよくある展開だったが、小麦アレルギーと生きる理由が少しおもしろかった
三話目が一番おもしろかった(ちょっと最後がうまく行き過ぎだったけれど)
どの話も退屈せずに読めた
投稿元:
レビューを見る
主に茨城(と東京)を舞台にした3遍の短編からなる本書。「グリーンゾーン」、「内なる殺人者」、「誰がための昼食」のそれぞれの短編は「誰がための昼食」を介してリンクする。多忙や職業意識からお昼時にランチを摂ることができない主人公達は、多忙を極めるブラックな仕事の中に自身のアイデンティティーを見出していく。そんなマゾヒスティックな日本人の社畜根性や企業戦士観を讃歌する、ちょっとシニカルでいて愛のある作品なんじゃないでしょうか。けっこう羽田圭介の文書って好きなんだよね。
投稿元:
レビューを見る
短編3編から構成される一冊。
作者羽田圭介さんは、芸人又吉くんが受賞した時に文学賞を受賞してて、メディアに露出する頻度も多く、人柄に興味を持ち読んでみようと。
この作品、特に最初の『グリーン・ゾーン』は、ひりつくような尖った危険が次々と日常のなんでもない仕事の中で飛び出てくる。主人公を取り巻く環境は、それほど特殊ではないのかもしれないが、普通の人も出会う人との巡り合わせが少し違うだけで、同じような危険に遭うことも不思議はないと思わせるからこそ、怖かった。
なんでもないガススタンドに務める主人公の女子がクールでかっこいい。
投稿元:
レビューを見る
この作者、初読。
メディアに登場する作者の雰囲気とはちょっと違っていて意外だった。
三作どれも、ゆっくり楽しんでランチできるような人たちじゃなく
そりゃ5時過ぎになるだろうなという。
ハードな感じの作風なんだな。
二作目の小麦アレルギーの殺し屋の話が良かった。
投稿元:
レビューを見る
3作品が収められているが、1作目、2作目はなかなかハードボイルド。ガソスタに勤める女子が、読み進めるにつれ、意外にタフで、ワイルドかつクールな面をいろいろ備えた個性的で魅力のあるキャラだと分かってきて、世界に入り込めて非常に楽しめた。ラストも痛快。2作目も似たような雰囲気で面白かったが、3作目は、スクープ雑誌のお話だというのと、展開がちょっと速くてやや浅くて、自分の想像力が少し追い付けなくて、入り込みにくかった。話題の作家のわりにまだ読んだことがなかったが、非常に才能があって、読ませる力があって、思ったより好きになれたかも。
投稿元:
レビューを見る
お仕事小説・・・と言われれば、そうか。
非日常の中で、普通の人も感じる悩みをつぶやく登場人物たち。
それでも、最後は仕事が好きなのか。
投稿元:
レビューを見る
5時過ぎにしか遅いランチを食べれない人達の
黒すぎる仕事小説。
関東近郊の自動車整備工場で働く女性
小麦粉アレルギーの殺し屋
信念はあるが目の前のゴシップしか追えない写真週刊誌記者
どの人も信念や生きがいなんてとうの昔にすてて
今目の前にある仕事を粛々とこなすことで精一杯。
それがいいとか悪いとかじゃない。
仕事の合間にお昼にちゃんとご飯を食べる事が
どれだけ大事で難しいのかと痛感する。
投稿元:
レビューを見る
「五時過ぎランチ」
熱量大な作品らしい。
路線バス番組で生ビールを一気飲みするのが板についてきた羽田圭介。しかし、その様を弄られることも無い。何故、弄って上げないのだろうか?要次さんと噛み合ってない?とついつい思ってしまう。見ていて少し哀しくなる。
そんなタレント活動も精力的な羽田圭介が本職として書き上げた作品が「五時過ぎランチ」である。生ビールを一気飲みする時のあの鬼気迫る表情を上回る顔つきでこの小説を書き上げたのだろうか。メッセージも「今後10年は書けない作品です。ある種の真面目さに満ちた仕事小説を、ぜひ。」と言う熱量を感じさせるコメントだ。
羽田圭介作品は、スクラップ・アンド・ビルド、コンテクスト・オブ・ザ・デッド、御不浄バトル、ワタクシハと読んできたが、それらと毛色が違う。
今回はタイトル通りランチをランチ時間に食べることが困難な職に従事する人々を主人公にした職業モノである。ガソリンスタンドのアルバイト、アレルギー持ちの殺し屋、写真週刊誌の女性記者。日々過酷な仕事に臨む三人が遭遇した痺れる危ない“時間外労働”の物語である。
しかし、“時間外労働”とあるものの、その言葉が一番ふさわしいのはガソリンスタンドのアルバイト萌衣(「グリーンゾーン」)である。勤務時間にやばそうな人のヤバいことを証明するモノが付いている高い車を洗車するだけでもヤバいのに、彼氏の仕事が実はAV女優スカウトだったと分かったり、そんな彼が暴力団の縄張りを荒らしていたりと次々と災難が萌衣に降りかかってくる。萌衣はその災難を振り払う為、文字通りの時間外労働を行う。しかも、その労働もヤバい。貴方、プロですか!?と疑わざるを得ない行動に移るのだ。最後は、ちょっといい感じに終わっているけど、いやいやいや待て待て!と突っ込みたくなった。
好みとしては、物語としては定番に近いが、ランチ(飯)との紐付きを強く感じ、人間的にもどこか掴めない所が売りになるアレルギー持ちの殺し屋が活躍する「内なる殺人者」が一番。そもそもこの男、何で殺し屋をしているのか、何故、あの男を逃がしたのか分からない。が、しかし、飯を摂るシーンが多く、そこでアレルギー持ちの苦労が垣間見える。だからこそ、最後の言葉もしんみりくる。
「誰が為の昼食」は、最初は芸能人の浮気を摂りまくり稼ぐ話かと思いきや、大臣と闘う流れに移行していく。ストーカーの如く芸能人に張り付き、勝手に写真を撮ることで商売を成立させていることに嫌悪を感じるが、巨悪を止めた所だけは唯一の褒めどころ。