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腰を据えて読むハードカバー。
2016年公開の映画「ドリーム(Hidden Figures)」は有人宇宙開発における女性コンピュータの活躍と苦難を取り上げていたが、本書は「ボイジャー」等でおなじみのNASAジェット推進研究所(JPL)で活躍した(そして今も活躍している)女性たちを取り上げた本(訳書)。
貴重な記録と記憶に基づいて構成された本書は、資料としても重要で、この本が日本語で読めることが非常にありがたい。一方で、登場する女性たちの職場での生活や家庭での過ごし方についても多くの紙幅が割かれており、本書が「教科書」ではなく「読み物」であり、人間らしさが感じられる本になっている。アメリカの話ではあるが、日本においてもこうした先人たちが女性の雇用を切り拓いてきたこと、今も昔も同じような家庭の悩みを抱えていることがわかり、女性としてとても勇気づけられる本であった。
(本書は秋山さんから献本でいただきました。)
登場人物の名前が覚えられなかったりで、何度も行きつ戻りつしながら読んでいたために読了に非常に時間がかかってしまった!
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マーキュリー計画の裏方で活躍した黒人女性らを描いた映画「ドリーム(Hidden Figures)」が面白かったので、こちらも手に取ってみた。
http://d.hatena.ne.jp/oraccha/20181209
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ロケットの軌道を計算する女性たちの実話。
コンピューターがまだ、「計算をする人」を意味していた時から、女性だけのコンピューター部署を作って、各種ロケットの軌道計算や、惑星探査衛星の軌道計算に活躍した女性たちの物語。
まだ、男性優位の社会で、育児休暇すらない時代から母として「コンピューター」として活躍した女性が描かれています。
機械としてのコンピューターの初期の時代の話も出て、興味深い本です。機械が計算した結果よりも人の手で計算された結果のほうが信頼されていたとは驚きでしょう。
このような人々に支えられて宇宙探査が行われているのだなと改めて思いました。
コンピューターに関わる人にはお勧めの本です。宇宙やロケットに興味のある人にもお勧めできます。
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生まれてくる自分たちの娘につける名前を考えているうちに、「エレノア・フランシス・ヘリン」というNASAで働いていた科学者にたどり着いた著者。
そこから、1940年代から50年代にかけてカリフォルニア州パサデナのジェット推進研究所で「人間コンピューター」として働き宇宙へロケットを飛ばすために重要な役割を果たしていた女性たちについて興味を持って書かれたのが本書。
「人間コンピューター」というのは正確ではなくて、もともと「計算する人」のことを「コンピューター」と呼んだのだそうですよ、へー。
この本に出てくる女性たちはみんなとっても素敵で、おしゃれで、ものすごく数学ができる。ノートを何冊も使ってバリバリ計算してグラフを書いて、そのうちに「デジタル」コンピューターを使いこなして行く彼女たちはものすごくかっこいい。スー・フィンレイはJPL勤続58年で(2013年の時点で!)まだまだ引退しないと言っていたとか、しびれる!
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40年代よりちょっと前くらいの時代は、「ロケット」は実現不可能でまともな科学者は相手にしない夢物語のようなものだったんだ。ちょっと驚く。
アメリカでは、最初にプログラミングを書いていたのは女性達だった。
ついこの間、アポロ計画に携わった女性の絵本を読むまで考えもしなかったけれど、60年代前半頃までの宇宙開発の歴史では、コンピューター・プログラマーである女性たちは無くてはならない存在だった。
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飛び抜けた数学の才能で「コンピューター」と呼ばれた女性計算手たちが,1940年代からのアメリカの宇宙開発を支えてきたこと,ご存じでしたか?ロケットの軌道計算に使うのは紙と鉛筆のみ,という時代から始まった,女性エンジニアのキャリアパス形成をごらんあれ。
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ロケットが誕生し、成長していく過程で変遷してきた働く女性としてのコンピューターたちと、機械としてのコンピュータの歴史。
計算という得意な作業を生かし、ロケットを作り、信じられない規模の旅をする。本当にかっこいい。
アメリカの無人宇宙開発史についてもっと理解を深めたくなるが、やはりソ連との宇宙開発競争は熾烈であり、ずっと先を越されていた時期のJPLは苦悩の日々だったことが分かる。
コンピュータを扱う人なら、絶対に手に取りたい一冊。
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めちゃくちゃ面白かったです!アメリカ宇宙開発の黎明期、よく語られるフォン・ブラウンチームではなく、JPLから見た宇宙開発の伝説的時代のエピソードが目白押しです。例えばレッドストーンはヴァンガードとの政治的裁定で待たされたのは有名ですが、ペンタゴンはレッドストーンのチームが打ち上げ能力を持っていることを認識し、ゲリラ的に打ち上げることを警戒してピリピリしていた、などはあまり語られてこなかったエピソードだと思います。
他にも、パイオニアやボイジャーの初期トラブルなど、運用サイドの苦労が伝わって来ます。