投稿元:
レビューを見る
11歳。この上なく純粋で、何者よりも邪悪
フーパーの屋敷に、家政婦の母親ともども同居することになった同い年の少年キングショー。その日から、フーパーの執拗ないじめが始まった。MBE勲章受章作家が描いた問題作。『ぼくはお城の王様だ』を改題。
投稿元:
レビューを見る
『ぼくはお城の王様だ』を改題文庫化。
非常に読後感の悪い、ショッキングなラストシーンではあるが、そこが非常に面白い。物語としては割とストレートではあった。
(しかしこれって〝イヤミス〟のような顔をしているが、実のところ、〝歪んだ親子の絆〟を描いたサスペンスなのではなかろうか)
投稿元:
レビューを見る
家政婦となった母と共に、お屋敷で暮らすことになった少年は。
美しく悲痛な物語。
11歳のチャールズ・キングショーは父を亡くし、途方に暮れていた母親が家政婦の仕事を見つけて働くことになりました。
村から離れた大きなお屋敷には、跡を継いだばかりの主と、その息子で同い年のエドマンド・フーパー。
主もまた妻を亡くしており、手紙のやり取りでチャールズの母と次第に心通わせていたのです。
エドマンドの方も引っ越して間がなく、陰気な屋敷に不満。
チャールズに敵意を向け、あの手この手でいじめにかかります。
学校では何とか友達もできますが…
屋敷の周りの風景は美しく、森の中を一人行くチャールズは感嘆し、自然に溶け込むよう。
その様子を書き込んだ描写が何とも巧みで、こんな感受性のある子供が孤独に苦しむことを思うと、切ないばかり。
親たちは二人とも、何が起きているのか、全く気付かない。
この作品は子供向けの教材としても使われているとか。
さすが英国人、容赦ない…
日本だったら、実の親がこれほど愚かで自己中心的という話は子供には読ませたがらないのでは。
ここまで酷くなくとも、子供がいじめを親に話せないのは現実によくあること。
誰かに相談すればよかったのに!
と思うわけですが。
チャールズは母親に話してもすぐには信じてもらえず、おそらく非難されると考えたのかもしれない。
わかってもらえたとしても、母の顔が歪み、その幸福を壊すことになることを怖れたのかも…
ラストには告発的な意味が込められていると思います。
文学的な名作ですが、哀しい。
投稿元:
レビューを見る
11歳のチャールズは、母親が家政婦として働くウェアリングズ館で館の主の息子エドマンドとともに暮らすことになる。だがエドマンドはチャールズをいじめ始めるが、二人の両親は気がつかない。次第に追い詰められていくチャールズが
最後に決断したことは?
救いがなく、ひたすら暗く落ち込んだ。
投稿元:
レビューを見る
全体的に古さ?時代?を感じると思ったら原作初版は1970年で納得。
森の中での二人のやりとりやアントニーの存在でいい方向に向かうかと思わせて全くそんなことはなく終始鬱展開。
子供特有の視野の狭さと大人の身勝手さがなんとも気持ち悪いストーリーに仕上がってる。