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突如として発生した奇病、異形性変異症候群。
人間が突然異形の姿へと変貌してしまうという病。
設定がすごい。
偏見の強い自分は、そんなことがあったら受け入れられないと思ってしまいます。
でも、母親としては、子供と信じる異形の子供を捨てることは出来ないだろうな。
異形となったであろう自分は必要とされていないと思う若者達の言葉が綴られた数ページは、読んでいて辛かった。
同情や共感は出来ず、何故という疑問だけが残ってしまいます。
優一と同世代の子供を持つので、今更自信を持たせる、受け止めるはないようには思いますが、いつでも味方だよの気持ちはずっと伝え続けようと思いました。
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久しぶりのメフィスト賞!と思って読んだらミステリでは無かった。
しかし、異形になってしまった子供と親の関係と母親の心境の変化にぐいぐいと引き込まれた。面白かったです。
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人が自分の正義を人に押しつける。本作では母が子に、姑が嫁に、夫が妻に。子育てには正解がないからこそ悩みが尽きない物語。奇形になって意思疎通ができない、そこに生きているのに死亡届を出さなければならない母親の苦しみ、子どもが奇形になって初めて考えるのは、遅いのだろうか?
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美晴が悩みながらも
息子との関係を見つめなおし
虫になってから ようやく息子の
ありのままを受け入れる気持ちになります
結局 人間に向いてないのは
だれだったのかな・・・
異形を切り捨てた方じゃないのかしら
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カフカの「変身」のような設定だが、不条理感というよりも、家庭崩壊の象徴のようだ。
成人男性が中型犬の大きさになり、また成人男性に戻るのは物理法則に反していると思うが、元々異形のものになる時点でその制約ははずされたということだろう。
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タイトルと内容がちょっと合っていないような気がしますが、なかなかに面白い小説でしたね…! 昨今のメフィスト賞受賞作の中では「当たり」の部類だと思われます…まあ、最近のメフィスト賞受賞作なんてあんまし読んでなかったりするんですけれども…(!) 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
でも、コンビニなしでは~みたいなタイトルのアレよりかは面白かったですね。こっちは全然ミステリじゃないですけれども…。
なんとなく、カフカさんの某小説を思わせる導入部でしたけれども…読み終えてみてなかなかに感動する話だったりして驚愕です…!
ヽ(・ω・)/ズコー
ラストがちょっとトーンダウンというか、作者の言いたいことが前面に出てしまってアレでしたけれどもね…けれども、物語的には面白かったですよ! どちらかと言うと純文学と言うか、大衆小説と言うか、ともかくメフィスト賞受賞作っぽくはなかったですねぇ…いい意味で。
おしまい…。
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宮部 みゆきの2018年の3冊。
一夜にして人間を異形の姿に変える疾病が発生する世界で、家族の愛と絆はどうなるのか。第57回メフィスト賞受賞作。
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1月-12。3.0点。
ニートや引きこもりたちが、ある日突然虫や動物に。
異形症候群と名付けられる。
主人公も引きこもりから、虫に。
母親は護ってくれるが、父親は厄介払いしようと。
治る病気なのか。
あっという間に読んだ。それなりに良いラストだと思う。
あってもおかしくないと思わされたかな。
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カフカの変身を思わせる設定。その設定が決して苦しいわけではないけれど、むしろその後の展開を大いに期待させるのだけれど、その期待を持て余したまま終わってしまったようで少し残念。物語が破綻しているわけではない。でも何だかもったいないような読後感だった。
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題名に惹かれて読んでみました。
読んでみたら共感できる部分もありました。
また、今までに読んだ事の無い内容で良かったと思います。
独特の場面もあり面白かったです!!
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読み出しは気持ち悪いのが強かったが、読み進めていくうちに、世間や政府の見方などの設定や異形の家族を持つそれぞれの視点が読書意欲を向上させた。
ただ結末がなんともつまらないものなのが残念
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発売当初、書店にでかでかと貼られたポスターを見てカフカの変身だと思った。
20歳前後の、所謂社会に適合できなかった若者が異形になる奇病と、異形の我が子をめぐる家族の話。
正直最近よくあるタイトルにパワーワードを置く作品は嫌いだ。
タイトルに中身が負ける、タイトルの勢いのままラストまで走りきれない作品が多いからである。
この作品に関しては、個人的に最後まで苦しい感情や期待を抱え続けてページをめくり続けられたと思っている。
この奇病は社会や家族との繋がりが希薄な若者ほど発症する傾向にあると書いてあり、ゾッとした。
他人事ではなかった。そしてこの世界での神様は、
私のような社会不適合者を不要だと判断したのである。
人間は憲法なり法律なり保護者なりに守られて、
長く自然淘汰というシステムから遠ざかっていた。
それが急に我が身に降りかかってきたのである。
生産性のない人間は"虫"にされる。
この世界のバグだという烙印を押されるかの如くである。
また、異形になる子供は親の想定を大きく外れ
理解できない存在になってしまったことへの
オマージュなのではないのかとも思った。
そういう意味では両親にとって私は虫なのかもしれない。
治療法のないこの奇病は、発症したら最後人の形に
戻る見込みもないので戸籍上死亡とされることになる。
そんな中、法律に則り可及的速やかにかねてより
疎ましく感じていた息子を処分したい父親と、
戸惑いながらも息子を息子として扱う母親が悲しい。
本作の主人公はこの息子のために奔走する母親であり、
不出来な子供を持った母親の苦悩や葛藤を読んでいると
何度拒絶しても関わろうとすることをやめない自分の
母親の姿を重ねてしまいとても苦しくなってしまった。
主人公はやがて異形化した子供を持つ保護者の会に入り、
そこで各家庭の葛藤や混乱、顛末を目の当たりにする。
それぞれの家庭にそれぞれのやるせなさ、愛情があり、
肉親だからこそどうにもならない思いが切なかった。
印象に残ったシーンがある。
物語終盤少し前、視点が子供達に変わるところ。
それまでとは全く異なる文体にのせて、
言っても仕方がない、言ってはいけない、言えない、
(だから言わない)子供達の感情がただひたすら
垂れ流されていくだけの章がある。
自分の中のどうしようもない気持ちや、
家族や世間に対する後ろめたさ、申し訳なさ、
やるせなさ、ぶつけどころのない感情に
共感しすぎてしまいとても辛くなった。
当時は押し寄せる感情と好奇心で
次々と思うがままに読んでしまったけれど、
もう一度じっくり沢山のことを考えながら読みたい。
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カフカみたい、と思ったら全然違った。
色んな異形のタイプがあって、まさかの植物とか、魚とか、政府の対応とか、発想がいい。
テンポも良くて読みやすかった。
だからこそ、後半は想像の域を出ず、ありきたりで勿体ないなー、と思ってしまった。
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誰にでもニートや引きこもりになる可能性があると思う。ちょっとしたきっかけさえあれば私も、誰であっても。だからこそ、この小説は胸に刺さった。
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『もう分からなくなってしまった。正しいことなんて。
どうすればいいのか、どうするのが良いことなのか、正解なのか、見当もつかない。』
『間違っていたというのなら、正すための時間と機会がほしい。もう一度やり直したい。』
「子育てに正解はないんだ。人間関係と一緒さ。ただ相手をひとりの人間として見て、信頼して、尊重するのが大事なんだよ。」
「例えばあたしがあんたにしてやれることいえば、あんたがいつ家に来ても迎えてやれるようにすることくらいなもんさね ー 大したことないだろ?」
「充分よ」
『物心ついた頃から、既に自分というものの価値が決まっていました。
いつの間にか気づいたんです。自分に値札がついていることに。それも信じられないくらいの安値であることに。』