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最初は、異形の描写を読んで、なんでこんなことに!なんて気持ち悪い本を選んでしまったんだ…!と思ってしまいました(笑)
異形になったことで子どもに対する向き合い方を考えさせられて、ラストに向けては勢いよく読めました。
終わり方もよかった。
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かなりえぐい本です。子どもが人間はでは無いものに変化してしまう病が発症し始めた日本で、自分の子供が芋虫というかムカデというかという気持ち悪い虫に変わってしまう話です。読んでいて文面に手が触れるのをためらってしまう位緻密に書かれているので、鳥肌立つ瞬間が沢山ありました。嫌悪感バリバリ湧きます。
しかし、その気持ち悪い風貌になったニートの息子を諦める事が出来ずに、何とか受け入れようと努力を続けます。
法律では変異した人間は死亡したと見なされ一切の権利を失い、処分する事は全く咎められません。そんな中で夫の反対を背に息子とむき合う母親の姿が健気です。
しかし次第にこの虫息子、大人しいし無害だしでだんだん嫌悪感は薄れていきます。でも虫ですからね、とても抱けないし触りたくないです。
自分に当てはめて読む本って沢山有りますが、これはちょっと当て嵌めたくないなあと思いながら読みました。
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ご飯を食べながら読めない本だということは早々に気づきました 笑 でもこの本には必要な描写だったと思います。 久しぶりに、文句無しの星5つの本でした。本当に面白かった。
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いま、コロナ騒ぎで大変だけど
もしこんなのが流行ったらどうしよう・・。
息子の世話なら、ギリギリできそう・・?
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ニートや引きこもりの若者だけが罹患する奇病によってグロテスクな見た目となり、人間として死亡宣告されてしまった優一。物語は優一の母、美晴を主人公に、同じく我が子が異形と化してしまった親たちとの交流を通じて様々な家庭を描く。
もともと社会の厄介者とされがちな引きこもりやニートは家庭に置いても厄介で、異形となったことをきっかけに排斥される場合も多い。なかには美晴のように、どんな姿になろうと我が子だからと必死で世話していく親もいる。どちらが正しいも間違いも無い、良い悪いでもないはずなのに、常識とは、世間体とは、「普通」とは。周りの目を気にして自分を押し殺す生き方、それは人間に向いているのか、向いてないのか。
冒頭から面白く読み進めました。非現実的なのに細部までリアリティあり引き込まれました。
ラスト近くの、引きこもりやニートと思われる、自分は落ちこぼれだと認識している人達の叫びと思われる文章から、回復にいたるまでが感動しました。
理想の自分像をがんばるのではなくて、ありのままの自分を自分で認め、自分を大切にすること。言葉にしてしまえば、月並みでありふれたことかもしれませんが、生きるのがつらすぎて人間をやめたいと思ったら異形になってしまうというのは、若者に限らず、どんな立場の人にも起こり得ること。生きるのにうまく対応できない自分を、それでも大丈夫と認めてあげることができたら。
想定外の事態が当たり前のように起こる近年、SNSも拡がり、理解を越える価値観や意見が世の中に乱立していますが、自分と違う立場の者を批判して排斥するのではなく、理解しようと歩み寄ってほしいというメッセージが込められているのかなと感じました。
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友達がおすすめと貸してくれた本。
人間が異形、しかも虫とか木とか、想像力を沸き立てる異形になる病気。
自分を人を認める、認められる、愛情、考えさせられました。子育て、会社、社会にも活かせる話。
読んでいて苦しくなる文もおおいが、ラストは衝撃的かつ笑えてくるオチ?つき。
読み始めるとやめられなくて一気に読めた。
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設定は斬新。でも、結局何?と言いたくなってしまいました。異質なものへのまなざし、接し方、人間関係といったものをあぶり出したようです。
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図書館でタイトルに惹かれて借りた。
3日で読了。
変異する表現がとても気持ち悪かった。
家族会が出てきた辺りから人間関係が面白くなりどんどん読み進めた。
途中から病気の異形性変異症候群が精神病を患っている身内と被り、親子の葛藤の辺りは見ている様な身近な話の様な気がした。
作者は何故変異した子どもの気持ちや親の葛藤が理解出来るのか…
少し辛かったが、読み応えのある小説だった。
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「人間に向いてない」
第57回メフィスト賞を満場一致で受賞。
メフィスト賞に並び、第16回本屋大賞レース健闘作品。第2回未来屋小説大賞受賞作品である。メフィスト受賞作品は、癖が強い作風が多いイメージがある。大衆的な作風が好まれ勝ちに見える二作とは土俵が違うはずだ。しかし、土俵跨ぎで評価を受けたわけだ。
母美晴は、ある日息子の優一の部屋にいたそれを見た。体と比べてわりあい大きな丸い頭部。側面には複眼があり、蟻のように頑丈そうな顎。芋虫に似ている。優一はそれになっていた。世の中は、異形性変異症候群にかかる若者が急増している。ある者は、犬のように変わり果て、ある者は植物に、またある者は魚形の異形に。人を人に非ずな姿に変えるこの奇怪な病に、優一はかかってしまったのだ。
美晴は、虫のようになった優一と共に暮らし始める。そして、同じ状況に陥った人達が集まる会に参加する。次第に異形性変異症候群と言う病に向き合い出す美晴。しかし、自分とは反対に離れていく夫。
自分は優一をこのまま育てられるのか。夫が言うことは正しいのか。異形性変異症候群とは一体なんなのか。様々なことが駆け巡る中、美晴は何を思うのか。最後には、異形性変異症候群が、若者だけでなく、全ての年代に広がっていくのは、誰しも何かに見られ、苦悩していると言うことを暗示している。
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「異形性変異症候群(ミュータントシンドローム)」
この響きがもはや魅力的。ある日突然発症し、一夜のうちに人間を異形の姿に変貌させる病。もう垂涎ものの設定。最初がまたなかなか不快感のある描写で最高。自分の子供がそんな異形の姿になってしまったら、あなたは愛せますか?
そんな異形の家族を持つ者たちの不安や悩みを共有する家族会「みずたたまの会」がまた不気味。そして所々にその異形の子を持つ家庭の崩壊を挟んである。
ただ最後がちょっとありきたりだったかな。世界中がその異形になっても面白かったと思う。
しかしこの話では引きこもりやニートの子らがこの病気を発症する。子育ての観点で、親は良かれと思って説得するのだが、子の気持ちを無視している。介護の仕事でも似たようなことがある。高齢者の方に良かれと思って接するのだが、高齢者の方の気持ちを汲み取れていない。子育てに正解はないのと同様に介護に正解はない。色々考えてしまう。
第57回メフィスト賞受賞作。
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とても読みやすいが、読みながら先の展開がうっすら予想できてしまうような、
ストーリーも斬新なようで、よくある物語を組み合わせたような。
息子が異形になって、母親は異形となった息子と生きてく中で自分の育児を振り返り反省して、息子も自分の本当の気持ちに気づいて‥ふーーん‥よかったやーん。。という感じ笑。
あとは旦那の一貫したクソっぷりが最後のどんでん返しによく効いてて、そこは良かったかな。(でもそれも、結末なんとなく途中から見え見えだったけど‥)
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それぞれ人間ではない状態になった子供たちの描写はグロテスクで想像をかき立てられて、面白かった。ただ、それに翻弄される母親たちの心情の描き方が少し単純過ぎるというか、私には響きづらい表現だった。何となくカフカと比べてしまったのかもしれない。カフカの舞台として昔のヨーロッパを思い浮かべ、勝手に重く雰囲気があるものだと思ってしまっていたからかもしれない。身近に感じたから、暗さを感じなかったのかもしれない。引きこもりを題材にして、その本人たちの闇の部分の根深さを、人間ではないしかもグロテスクな物に変える事で表現していたのかなと思った。同じ作者の作品をまた読んでみたいと思う。
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現実としては有り得ない事を前提として設定する事から始まる物語。何か既視感を伴い面白くよませていただきましたあ。
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愛情。思いやり。
相手と疎通ができて、初めて達成できるものであり、気づかぬ間に一方通行になってないか…考えさせられた。
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こんな面白い小説初めて読みました。
ある登場人物にひどく共感してしまい、身につまされ鬱屈としながら読んでいました。
この本に出会えて良かったです。