投稿元:
レビューを見る
現象学者の凪田緒ノ帆は、火災で恋人を失った。そのスマホには謎の女性・メグミの画像が。突然現れた美青年・露木は〈予現者〉を自称し、さらなる事件を予現する。メグミという恋人が焼死した海老野ホムラが加わり、三人は事件を追う旅へ──。
投稿元:
レビューを見る
2018年88冊目。一つ一つの要素は悪くないのに、全体を通して見るとやや消化不良な感じに。途中までキャラクターの背景がいまいち見えてこないのが、悪い方に働いてしまっている気がする。
投稿元:
レビューを見る
調べればわかるかも? という少しだけヒントがあるという場合、首を突っ込んでしまうだろうな。
ちょっとドタバタし過ぎかなぁ。
投稿元:
レビューを見る
+++
現象学者の凪田緒ノ帆は、半年前に自宅の火災で恋人を失った。まる焦げで発見されたその死体が持っていたスマホのロック画面には、下着姿の謎の女性の画像が残されていた。突然、緒ノ帆の前に現れた美青年・露木は“予現者”を自称し、「僕が予現したあなたの恋人以外の直近三件の火災事故では、いずれも被害者の男性のスマホにこの女性の画像がありました」といい、事件と女性の関係を一緒に調べようと誘う。さらに、謎の女性の画像を手がかりに、メグミという名前と、彼女を探す消防士・海老野ホムラが見つかる。三人は、露木の“予現”する火災とメグミの手がかりを追う旅をはじめた―。
+++
緒ノ帆、露木、ホムラという縁のなさそうな三人が、露木の予現に従ってあちこちに出向くのだが、その道中はまるで深刻さはなく、コメディのようでもある。露木もホムラも、その正体は何ともよくわからず、信じていいのやら決めかねながら読み進むが、露木の予現があながち当てずっぽうでもないことが次第にわかり、かなり危険な事態が続出する。それでも最後まで、裏に何かあるような気配はなくならないのだが、それが最後の最後に明らかにされると、腑に落ちる部分もあるが、驚きを隠せない。あの一件からすべてが始まっていたということである。恨み、憎しみ、執念、そして愛情。あまりにも強すぎるさまざまな感情が渦巻く一冊である。
投稿元:
レビューを見る
火にまつわる事件を「予現」し、謎の女を追い求める連作ミステリ。スラップスティックなんだかシリアスなんだかよくわからない読み心地と奇妙な設定が、最初は少しとっつきづらかったのですが。読み進むうちにだんだん虜になりました。キャラも独特で面白いし。
なかなかに突飛な物語なのでそっちに気を取られてしまうけれど、トリックもいろいろあって驚かされます。あとになるほどぐんぐん事件のスケールが大きくなっていくのも、引き込まれた大きな要因かも。
お気に入りは「ヨハネ黒騎士修道院の見えざる火」。オカルトっぽい雰囲気が個人的に好みだったのだけど。まさかそういう真相だったとは。だけど、それだけで解明できない部分もあったかも?
投稿元:
レビューを見る
いろんなピースが少しずつはまって過去とリンクし始めるお話。なるほどなぁフムフムと読んだ感じ。
なんとなく恋路ケ島っぽい雰囲気を感じました。
投稿元:
レビューを見る
現象学という独特のジャンルの学者が登場。はじめは悪女が男を唆して悪さをしてるのかと思いきやAIとかVRも出てきてなかなか追い付くのが大変。
投稿元:
レビューを見る
火にまつわる事象を未来視する<予現者>・露木と、現象学者・帆ノ緒と、元カメラマン・ホムラの3人という組み合わせが既にSFなのだけれど、ばらばらになっていた事象が全てぴたりと合わさって行くのが運命的であり、必然的にも見えてくる。中盤で、もしかして、露木が全部仕組んでる?って思ってたけど、メグミをめぐる結末は複雑に見えて、ただ妹を守りたい姉の愛情の<炎>なんだなあと。ただその<炎>は大きくなり過ぎたみたいだけれど。
特に最終章の東京の深夜の大騒動は非現実的ではあったけれど、これだけVRが発達しているとそういうことも有り得るのかもしれないし、SFと笑えなくなる。
投稿元:
レビューを見る
2019.1.14 読了
火にまつわる事件の予現者、露木。
現象学者の美人な 緒ノ帆。
元カメラマンで 消防士のホムラ。
3人の珍道中。
露木の予現で 火災事故をとめる旅。
短編なんですが、徐々に 皆の過去も
繋がってくる。
時々 何を言ってるかわからんとこは
相変わらず。。。
投稿元:
レビューを見る
「ロウソク邸とむらさきの火」
スランプに陥った画家。
絵を描く根源となるものが愛だと思っていたのであれば、それが自分以外の女により解消されたと聞いたら普通嫉妬にかられるだろうな。
壁一面に書かれた炙り出しの絵はいつの間に描いたのか謎だが、その絵は今回の様なことが起きない限り日の目を見ることは無かったろうな。
「ヨハネ黒騎士修道院の見えざる火」
一人の死から始まった。
人を惑わす力があるというがそれだけ魅力的なだけであり彼女自身は何もしていなければ、ただそこに存在していただけであったのに気の毒だな。
結局原因不明の火による死を迎えた彼だが、何人もの死に関わったというのにこれだけ平然と過ごして居られるのもある意味凄い事だな。
「わるい狸と走る火」
都合が悪い時に使われる言葉。
あれだけの事がありながら被害にあった者の口を封じるのは、田舎ならではの権力を持つ者がいるからであるのだろうが母親だけでも味方になるべきだったろうに。
いくら火を付けても本体は燃えないからといえど、あの方法で何度も放火の手伝いをさせられた者からしたら苦しい時間だったろうな。
「モリヤ・モルト蒸留所の誘う水の火」
自ら火に導かれるように。
彼の予言は少なくとも間違いではなく今回も当たってしまったが、一体何が原因で発火し次々と人の命を奪っていったのだろうか。
彼女を作り上げた人間はどんな意図で人を狂わせ火に誘い込むのか疑問だが、相当な技術を持つ者でありモデルにした者を外見だけでも良く知る者なのだろうな。
「巨神、東京に火雨を降らす」
来店して直ぐに店を出る客達。
一度ブースに通されたが最後と言っていい程、何人もの男の人が数分間彼女と会話しただけで色んな物を狂わされた出来事だったな。
彼女を守るために全てを始めたのに自らが恋に落ち変わりゆく中でも、彼女は必ず守り抜くと決めていたのだろうが彼女自身が恋をした時はどうするつもりだったのだろう。