紙の本
ありえない世界
2023/04/03 07:22
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
近未来にはこんな世界は、まず、来ないだろう、とは思いましたが、それにしても過激な設定のお話です。夫婦間の性行為が近親相姦とされ、子供は人工授精で。男も出産ができ、男は人工子宮を体内に入らない為体外にぶら下げ……。これを知って、読みたくなった方にはオススメ
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文庫で再読しました。
村田作品は価値観がぐらぐらして再構築される感じがとても好きです。
生きていくと、いつの間にか新しい価値観や状況の中にいて、この作品の「どの世界でも正常な私」に知らず知らずのうちに皆なっているのかも、と思います。
子どもの頃はこんな電脳世界になっているなんて影も形も想像していなかったので、この作品のような世界にこれからならないとも限らないです。
「命あるものはみんな化け物で、私も、ちゃんと、化け物だったの。」という台詞にはっとしました。
「どうせなら、その世界に一番適した狂い方で、発狂するのがいちばん楽なのに」というのは村田さんの作品の根底に流れているもののように感じました。
村田さんの頭の中はいったいどうなっているのだろう…これからも追いかけます。
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2015年刊行の単行本が文庫化。
本書の話題になると、どうしてもショッキングな設定が真っ先に挙げられるが、これって母と子の愛情とある種の呪いが主題なんではないかなぁ、と思った。
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芥川賞受賞作家の長編、初めての村田沙耶香。
人工授精での妊娠出産でコントロールされた近未来の日本を舞台に、家族や性の在り方を問う問題作。
新聞広告見て興味持ったのですが・・・正直、ちょっと私には馴染みませんでした(^_^;)
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ほとんどの人が人工受精で出産する世界を舞台に、セックス、家族を問いかけるSF恋愛小説。
夫婦同士のセックスを近親相姦とみなし忌み嫌う世界は異様に感じるが、現実世界における少子化や男性の「草食化」を考えるとそこまで非現実的でない気もする。逆説的に、家族やセックスへの思い入れを感じる小説だ。
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斎藤環の解説が良かった。
小説そのものは、全体的に読みやすいのは良かった。前半はあまりに説明的すぎる印象、最後20ページくらいが面白かった。異性愛(至上)主義に対する闘い、というのは分かるのだが、自分には突拍子のなさが気になるだけで引っかかるものがなかった。
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す、すごい。。。
ものすごい独特の世界観を持っている作家さんだとは思っていたが、これは衝撃。
怖くて、早くこの世界から逃げ出したくて、
自分史上、稀にみる早さで読みました。
こわいから、髙評価はつけたくないが、
すごいという意味では、
髙評価せざるを得ないというか、なんかジレンマ。
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刺激的で面白かった。
ディストピア小説か。
恐ろしいけど、ちょっと「いいんじゃない?」とも思ってしまう。
欲望をなくした清潔な世界。
狂っているけど正常な世界。
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いやあ、すごい。人工子宮で男性も母になるかもとかそんなことを危惧するそんな次元ではない。新しい世界をのぞいた気分。
だけど、新しい価値観にはまるときはたぶんこんな感じ。まわりに結局感化される、素直で正しくて正直な人間。
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恋やセックスが完全に家族から切り離された世界。
子供は人工授精で生まれ、人への恋やセックスも昔のものになっている世界。
終始ドロドログログロした雰囲気はあるのだけど、恋やセックスが完全に家族から切り離されたら、特にセックスが切り離されたら少しラクな気持ちになる人も結構多いんじゃないかと思うと、そこまで現実離れも(千葉県を舞台にした「子供ちゃん」と「お母さん」の都市はさすがにあれだけど)してないテーマ設定なのかとも思った。
家族は家族で、自分が1番安らぐ場所で。
それとは切り離れた世界に恋愛がある。
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怖い。。。男女が肉体による行為SEXによる受精がもはや悪で、人工授精、超無菌、超統一均一化、超効率化の世界で育てられる子供たち。これがユートピア?現実未来の姿なのか??? この方の思考がまたまた衝撃的すぎるのですが、読書としては今後も楽しみです。
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著者の考える現代の問題を小説という形で伝えたもので実に面白かったです。
少子化、晩婚化、セックスレス、2次元媒体との恋愛、同性恋愛、女性の社会進出、産休・育休の取得しやすさ、無痛分娩、不妊治療・・・・。これらを丸ごと考えて新しい世界秩序を考えた結果(実験)を描いた小説です。
人は結婚しなくなり、セックスをしなくなり、しかし、子供が欲しいし必要だが、それも感情的というよりは論理的に必要と考えるようになり、生活と恋愛が分離される。さらに、その先の実験として子供と親(お母さん)という関係が産んだ人が親ではなく、大人が全員お母さんという取り組みまで進んでいる。
そんな世界になってしまわないことを信じてはいるが、一部は現実社会で起こった方が合理的とも感じられてしまう・・・そんな印象を受けてしまう自分が普通なのか、それともこの小説に洗脳されているのか。
非常にセンセーショナルで刺激的な作品でした。この方の作品はコンビニ人間についで読んだのは2作目ですが、他も読んでみたいとあらためて思いました。
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衝撃的過ぎる。狂気の沙汰だ。
「楽園」と称する実験都市。そこでは、夫婦間の性交渉は近親相姦として禁忌とされる。
科学医療技術の進歩に伴い、男性も子供を産めるようになる。
家族という単位の家制度が消滅し、人類の繁栄のみを目的とする。人口の増減もコントールでき、男も女も人工子宮により人工授精で子供を産む。生まれた子供には名前も戸籍もなく、キャベツ畑のように工場に並べられ出荷されてゆく。
右も左も男も女も大人は皆「おかあさん」で、子供は皆「子供ちゃん」。そこに「父親」という概念はない。あくまでも精子バンクへの精子提供者というだけだ。
性欲という人類の根源が排除されると、こんなにも没個性的な世界になるのか。
ラストがあまりにも...おぞましいと表現して良いのだろうか。アダムとイヴ。神々しくはない...と思いたい。
しかし、あまりにも狂気な物語ではあるが、現実、かなり近づいているから尚更恐ろしい。
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さすが村田ワールド。クレイジー。とんでもなくクレイジーだけどその世界はちゃんと成立していて、クレイジーの中に共感というか通じるものがいくつもあって。でもやっぱりクレイジー。
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いまいち。話がくどい。
雨音はどこへ行くのか、世界はどこへ行くのか、少しもわからない。違和感だけ残った。
「蠢く(うごめく)」という漢字を知った。
21/7/11 売りに出した