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何となく本屋をブラブラしていたら発見した本。
かなり正統派の幻想小説で(この分野に正統派という単語が適しているかどうかは疑問だが)、こういうものを書く人は近年珍しいんじゃないだろうか。
割と文体が硬いというか、余り今時っぽくない印象だが、本業が大学の先生で専門が日本近代文学とあって納得。他のも読んでみようかと思ったのだが、いちばん気になったJコレクションの『始まりの母の国』は品切れなのね……ハヤカワ、文庫にしてくんないかな〜。
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最後まで読まないと作品の全体像がわからないこと、登場人物や作品内の小説のリンク具合が非常に理解し難く文体も固いため読み辛い。
映画「インセプション」のような、夢と現実が混同したように見せたラストという理解でいいのだろうか?
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小説の書き手と小説の中に出てくる人物と、その人物が想像する人物などがいりくんで展開するストーリー。謎解きのような不思議な気持ちを抱えて止まらなくなる。最後は一見平凡な終わらせ方だが、そこに至るまでの謎との整合性が取れていて見事な一冊。
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色んな時代・場所での群像劇?を最後に回収するっていう構成だったけど、最後あたりを読んでいる時には前半部分をわりと忘れているという失態。
複雑だし、少し印象に残りにくい気も。
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ミステリーのようなSFのような、ファンタジーでもあるような、ジャンルの境目をすべて縫い付けたような作品。登場人物の視点から覗く世界に混乱することろもあるが、それが不思議な世界観を醸す要因でもある。最初は自分には合わない作品だと感じたが、ラストに近づくにつれて、どんどん霧が晴れるような感覚にになり、作品の世界での居心地がよくなってくる。SFが好きなら読む価値はあるかもしれない。
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語り手とその友人とその伯母の三人の作家たちを、そしてその作家たちの作品を、まるでミステリーであるように、ファンタジーであるように、SFであるように描かれる。
話が飛んだような描写などもあり戸惑う場面もあるが、フェードインフェードアウトするように、ファンタジックなシーン、近未来なシーン、明治大正のような古い時代のシーン、そして現代のシーンが重なり合うように描かれ、幻想小説と呼ばれているようにその雰囲気がとても心地よい。
個人的には近未来的な半島に閉じ込められている人達の物語と、現代のデリヘル嬢の送迎のアルバイトの物語がとても印象的。
ラストも果たして夢から覚めているのか、あたかも覚めたような夢を見続けているのか、最初から最後まで幻想小説だった。
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夢の中で目を覚ますことがある。夢から覚めてもまだ夢の中。と思いきや現実だったり。
「序」でこれは?と思うような感じだが。
良い表現かわからないけれど、ホラーに出てくる廃墟においてある日記のような本(誉め言葉)。面白かった。
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良い本なのか良くない本なのかわからない。
いくつかの短編・中編がちょっとずつ繋がりあって構成されてる。
ちょっと偉そうな言い方の文章。
読み終わった時、まだ夢の中にいるような、不思議な気持ちになった。
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読み終えた後、頭がふらふらするような話。どこからが夢でどこからが現実で、何と何がつながっているのかよく分からなくなる。言葉遊びのようにも思えるし、自分の存在や死ぬことについてひたすら考えつくしているようにも思える。
2019/2/15
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日々活字を追っていると、時にはなはだ無味乾燥なモノを読むはめになる。なんて独りよがりな書きぶりだろうと呆れるが、読書なんて受信のみの一方的な通信なのだし、懸命な読者はいち早く見切ればいいのだ。『序』の末文に「読者にひとときの愉しみを得てもらうことだけを望んでこの作品を書いた」と著者は記す。愉しめるか愉しめないかは、読者の感性やら力量に因るけれど、「ひととき」の拘束が長かった。ラスト8ページの謎解きって、警官の先導であっけらかんと・・・
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初めて、途中で読むのを断念してしまった。
いかにすごい人の作品なのか、冒頭のあらすじで、入り込めず。
言葉の一つ一つ、繊細な表現が難しい。
最後まで読まないとわからない、と感想を見ただけに、読めなかった自分が歯がゆい。
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なかなか読み応えがあった。
複数の短編と掌編からなる複雑なつくりの小説。読んでいて、小説の話の中に入り込んでいく、というよりは、小説が現実の世界を侵食してくるような不思議な読後感だった。
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少しづつずれていろいろな反復が繰り返される、を小説でやる。読み返すとごっちゃになる感じがゆらゆらする。最後は宮沢賢治の現代版みたいで、これについて、ゲームのある時代だなあと思った理由は今のところ分からない。
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主人公である“私”と、若手作家の集まりで知り合い意気投合した澤田瞬、彼の伯母で故人の沢渡晶の3人の作家が登場するメタフィクション。沢渡晶の作品や澤田瞬が語った話を私が小説化した作品などが次々に提示され、どれが現実なのか混沌としてくる。作者の狙いもまさにそこにあるようで、私と澤田が虚構と現実について応酬する場面もある。いろいろなことを思いながら読み進めたが、ラストで明かされる真相にはぶっ飛んだ。
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捨て置かれた大きな病院の廃墟に住まう小説家、沢渡晶を中心として散らばる短編たちとして読んでいる間はとても素晴らしくて、それぞれの作品の緩やかな繋がりが、それに楽しみを足してくれる。
賛否両論あると思うけど、私は最後の種明かしで一気に白けてしまった。小説なんてのは所詮現実におけるエンターテイメントです、って、ここに来るまで読み進めながら感じていたものを全否定された感じで、怒りすら湧く。もし、最初からそれが目的でここまで延々読者を連れ回しているのだとしたら、星は1つに変更したい!!
もしこのラストを知ってて読み始めてたら「文章うまいなー、複雑な構成のメタフィクション小説だなー、へー」という感想しか湧かなかったと思う。
しかしそれと同時に、ラストが違ったらすごい傑作だったんじゃないか、という思いも捨て切れず、主人公(作者なのかもしれない)が、沢渡晶、ひいては小説そのものがもつ力への恐れ(畏怖?)みたいなものに打ち勝てなかったから、この小説のラストはああなるしかなかったのかと思ったりもする。
作者の意図も分からないし、読者としては書かれたものを読むしかないので的外れかもしれないけど、もっと自信持ってラストまで書いてよ!!と思ってしまった。