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あの書道に使う硯(すずり)を造る人を製硯師
(せいけんし)と呼ぶそうです。
「造る」と言いましても硯に適した石選びから
始まり、加工も手作業です。
それは芸術作品を作り上げる工程に等しいと
言えます。
現在では硯を使った書道と聞くと、何となく
特別な活動と感じてしまう人が多いと思いますが
そもそも文字を書くと言う行為は昔は筆で
行われていました。
この毛筆と言う行為は、アジア圏の文化なのです。
その文化の息吹を日本人は誰でも簡単に楽しむ
ことができます。これは本来とても幸せなこと
なのです。
特別と尻込みせず、毛筆を日常的に楽しみたく
なる一冊です。
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「硯を作るというのがどういう事なのか」について書かれた本。小学生以来、墨を磨る事が無い自分のような者では、面白さがわからなかった。材料の石に固執されているのであれば、それに関する科学的な組成などを研究したらどうか?などと思ってしまう。
ごめんなさい。
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硯(すずり)の制作・メンテナンス等を行う製硯師(せいけんし)の著者。
硯について想いを馳せたり、また硯に地球の歴史の神秘を見るなんて、本著に出会わなければおそらくできなかった体験だろう。
大変、面白かった。
とある分野に精通し、またそれを日々研鑽し続けるプロフェッショナルの方の言葉を見ていると、どんな分野でも、自分や人間の力を超えた大きな存在、理、エネルギーのようなものを感じとるようになるのだと感じる。
著者が硯を突き詰めるためにその原料となる石と対話し、地球の存在に''気づいた''ように。
著者の作った硯を見てみたくなった。
また久しくやっていない墨をすること、その墨を使って筆で文字を書くことがしたくなった。
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製硯という「硯」についてなんでもできる人だと著者が定義する職業のお話。お話というかエッセイに近い体験記。
PCでの仕事やスマホでの連絡が通常の生活になっている中、わざわざ硯を出し、水を注いで、墨を擦ることはなかなかしないし、できないです。
しかし、小学校の時に週に一度、書道に通って実際にやっていたことがよみがえり、こういう時代になったからこそ、もう一度やってもいいかなぁと思いました。
硯の名品として、端渓は知っていたが、それ以外は特に知らなかったので、知識を仕入れてよかったです。
中国三大名硯
端渓硯(たんけいけん)、歙州硯(きゅうじゅうけん)、澄泥硯(ちょうでいけん)
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硯というものを改めて考えた。自分の硯を得て、筆で手紙を書きたいと感じた。年賀状を書くのに間に合うかな。