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アウトプットの方法をきちんと学んだ事がなかったので、タイトルに惹かれて手に取った。
文系の研究や論文を舐めていた部分もあったが、反省。目から鱗だった。論理の整合性や概念の定義、自分の考え・他人の考えの差別化、問いへの答えになっているか等々、、上野ゼミは大変そうだが、こんなに鍛えられて羨ましい、とも思った。こんなに自分の知識を惜しみなく与え、全力で育てようとしてくれる教育者にはなかなか出会えない。
この本を読んで印象に残ったのは、「問い」を立てること、批判的検討、情報の分析。
・問いを立てる
情報はノイズから生まれる。当たり前のことも、知らないことも、ノイズにはならない。当たり前を当たり前にしない。知識をつけ、知らないことを減らす。常に異なる環境に身を置き、違和感、疑問を感じよう。問いが生まれたら、先行研究を検討し、既存の問いではないかを調べること。
・批判的検討
筆者の論説には説得されてしまいがち。常に批判的に読もう。内在的コメント→論理の不一貫性、構成、説得力など、外在的コメント→欠けているもの、致命的なもの、あったほうが良い視点など
・情報の分析
質的データの分析はKJ法で。脱文脈化→文脈化。言説を同じor違うで分け、ラベリング、矢印で物語化、接続詞をつけて構成する。
今後研究して論文を書く機会はないかもしれないが、業務での問題抽出、解決において応用できるのでは?
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自分が持っている問に対して、完全ではなくとも、何らかのオリジナルな答えを公に受け入れられるに足るようにアウトプットするための方法論。確かにこの通りに出来れば、社会科学で言うところの論文をそれなりの質で書くことが出来るんだろうなと納得。
ノウハウをまとめたものとしてとても良い本だなと思うけれど、ところどころに本筋と関係ない著者の思想が出ていたり、あくまで経験科学の話をしているはずなのに、研究、論文といった用語が裸で使われていて、概念には定義が必要と主張していることと矛盾しないかと思ったり、読む意欲を削ぐような要素があることは残念。
200909
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1次情報を生み出すことの価値と責任、その手法について丁寧に記されており、とても学びになった。
目次だけ読んでも示唆のある1冊。
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「情報生産者になる」というタイトルだが、内容は主に社会学的研究の一連のプロセスの話。研究計画書の作り方から論文執筆・単著出版までを網羅している。これから卒論を書く人、ゼミがあまり合わない人は絶対に読んだほうがいい本。個人的には著者のインプット・アウトプット法が興味深かった。長年にわたって速いペースで本を出版してこられた「秘訣」がなんとなく分かった(が自分がそれを実践して同じことができるかどうかはまた別の話)。
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タイトルからすると軽い内容かと思いきや、わりと本格的な研究に関する指南書だった。順序を追って説明してくれる。レポートや論文を書く前に読みたい一冊。
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いつも学びを大切にしたいと考えていて、何か自分の研究になればと思い、今まで研究計画を立てようとするのだが、いざ机に付くと、今思っている事を言語化するのにどうしたものかと途方にくれる時が多々あった。もっと早くこの本に出会っていたら、きっと私は退職し、研究者として大学院に進んでいたんだろうな…。と読了後しみじみ思った本。アウトプット大全を読んだ後だからなおのこと思ったのかも。
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卒業研究を控えた身として大変ためになる著作であった。
問の立て方から調査の仕方、情報整理の仕方、論文の書き方、優良なコメントの仕方までを学ぶことができ、研究に対する意欲が湧いてきた。1年だけだが読み手に有意義な時間を与えられる論文を書きたいと思えた。
メタ情報を生成する
誰に向けた研究なのか
1番厳しい評価者は調査対象者
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研究に携わる学生は一読すべし。最初から最後まで上野先生にケツ叩かれまくりました、、、、。読み終わったら終わりではない、これからがスタート地点。
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4月から大学院に通うのだが、背筋が伸びるとともに実用的で事前に読むことができて良かった。自分が学部時代に師事したゼミと上野ゼミの雰囲気(輪読、ゼミ合宿、指導方法)が似ていて、懐かしく感じた。
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上野千鶴子版、知的生産の方法かな。
NHK版の最後講義では、編集し過ぎか、コロナ禍で端折ったのか、なんか中途半端な印象を受けた。
全ての母親が我が子を殺そうと思った事がある。
と発言した時、
この人子供産んだことあるの?
と女性側から発言があった。
それは育児で頑張ったお母さん方に失礼だろう
ということだ。
よってあの番組では、イメージダウンになった。
本書ではそんなイメージが払拭されそうだ。
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読み物としてではなく、大学時代にこの本に出会っていたらもう少しまともな卒論を書けただろうな…、という意味での☆5
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いつぞやの東大入学式での祝辞が評判になって以来、いつかは上野千鶴子さんの著作を読まないとなあ、と思いつつ人気作品は図書館で待ち行列が長かったので、それ程待ちが長くなかった本作品から読んでみた。学会コミュニティにおける知的活動の何たるか、の雰囲気は良く分かった。社会人向け公開講座には興味があったけど、こんなに厳しいのだったら遠慮しとこうかな、と思うくらい厳しそう。。
P029
わたしは義務教育以降の国語の教科書の大半が、文学者の作品で占められていることにうんざりしています。散文のみならず韻文も含めて、どのようにも「解釈」し、「鑑賞」できる多義的な文章を、しかも文学青年くずれの国語教師が講じるのは、言語教育としてまちがっていると思います。
P339
「生きるのに、遠慮はいらないわよ」
(末期ガンの高校教師山田泉さんへの言葉)
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◆2021/08購読
上野先生がゼミの学生さんに指導している内容がギュッとつまった本です。コンテンツづくりや情報発信している方は大変参考になる内容だとおもいます。こういう内容をしっかり指導してもらえる上野先生のゼミ生はいいな〜。
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上野千鶴子の教育歴と教育方法論はわかる。ただし著者個人の来歴と方法論とが、語りの中で分かち難く結びついており、それゆえに「透明な方法論の本」としては読み難い。上野千鶴子さんに言わせれば「そんなものあるわけがない」という一貫した姿勢を披露されるのであろうが、その一貫性は、あんちょこ本を書くのには必ずしも適していない。かつて遥洋子が書いた上野千鶴子教育本の方が、上野千鶴子の方法論の深いところを抽出できていたように思う。社会学教育を受けた人間にとっては基礎教養となる多くの参照も、それは上野千鶴子が社会学に詳しく、それらしいことを言いやすいから引かれているに留まっており、「それ参照してもいいけど、あまり議論の役に立ってないよ」「単にこの本が無意味に厚くなっていくだけだよ」と感じることが多々あった。普段ならば社会学的な言葉と上野さんの生涯とが緊密に連携しあって説得力を編み上げていくところが、この本のコンセプトを実現するにあたっては驚くほど機能していないのが無惨である。
上野さんには、梅棹忠夫や川喜田二郎の名を出すのであれば、その二者の新書が長く読み継がれるだけの理由についても、自著を書き下ろすにあたって考えて欲しかった。私は日本語圏の中では相対的に上野千鶴子の社会学およびジェンダー論文脈について親和的な思考習慣を持っているほうだと自認しているけれども、それでもこの本は上野千鶴子の著作の中でも「駄本」の方に属すると思われる。
ただし、時折出てくる学生の「自分だけの主題」を見出そうとする流れを報告するくだりは、やはり名物教員、素晴らしいものがあった。本全体の中の割合で言えばささやかな分量であるが、そうした事例を書き残せたと言う意味で世に出たこと自体は祝福したい。
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論文のテーマ決めからインプット、アウトプット、そしてその出版までを書いた一冊。
まだゼミにも入ってないから卒論のことを考えることは少ないが、文献が多くあれば書きやすいという認識は間違っていて、自分がパイオニアになって一次情報をもとに論文を仕上げるべきだとわかった。そのためにはcommon Themeであっても、切り口や着眼点を変えることが大切。