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子どもの頃から知ってるつもりのフォッサマグナだが、意外にも、これまで学問的にはあまり研究されてこなかったとか。それが、近年になって、学会でも注目が高まっていて、本書も、最近の研究成果も踏まえつつ、著者の大胆な予想を織り込みながら書かれている。
プレートテクトニクスのイロハを知らずに読むと、やや難しいかもしれないが、フォッサマグナだけでなく、日本列島の成り立ちやフィリピン海の構造まで解説されていて面白い。できれば、トランスフォーム断層の成り立ちや構造といったものをもう少し詳しく解説してほしかったが。
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日本とは、地球上相当特異な地点にあるのだ。ということがはっきりした。いつものことながら、電車の中で半分居眠りしながら読んでいるので、頭に残っていないことが多い。けれど、映像としてなんとなくイメージできる。日本列島ができあがっていく様子が。観音開き。フォッサマグナを境に、西日本と東日本が反対まわりで開いていく。そして日本海が広がっていく。おもしろいなあ。地球の歴史というのは本当におもしろい。興味が尽きない。同時に「文化地質学」というのも、またおもしろそうだ。並行して「マン・チン分布考」も読んでいるが、地質と方言とか食べ物とかいろいろな文化との関係が見えてくると、またそれもおもしろそうだ。ちょっと注目しておこう。城崎近くの玄武洞は、はじめてパートナーと旅行したときに立ち寄った思い出の場所だ。何とも思わずに見学したけれど、興味を持って眺めれば、違うものが見えたことだろう。また行ってみたい。フォッサマグナが鵺かどうかはわからないし、退治ができたかというとそうでもなさそうだけれど、もし退治していたら、今度はタタリがこわそう。
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フォッサマグナとか、ブラキストン線とか、興味あるんです。日本列島の成り立ちからフォッサマグナ生成過程の推理まで、楽しく読める一冊でした。
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日本人として普通に地理で習った「フォッサマグナ」。それがこれほど珍しい地形だとは。
日本列島は二つに分断していたものが観音開きの戸が閉まるように合わさるようにできたのではないか、背後に日本海ができたのもその余波、と。
「日本海その深層で起きていること」を読んで日本海に興味を持っていたがここでつながるとは。
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2018/11/27:読了
フォッサマグナの定義とか、成り立ちとか、こんな複雑だとは思わなかった。
日本海の広がりによって、日本の東と西が、大陸からそれぞれ逆回りしながら移動してきたものが出会ったところに、伊豆-小笠原弧が本州にぶつかったと、かなり壮大な話だった。
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フォッサマグナというと糸魚川静岡構造線のことというイメージでしたが、面的な広がりがあって、しかも出来上がるまでの経緯が複雑怪奇。1500万年の歳月がもたらした大きな動きに圧倒されました。
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ナウマンはフォッサマグナを発見した当時、この地形は世界でここにしかない稀有な構造と言っています。私の知るかぎりでも、このような名前(「大きな溝」の意)を冠した地質構造はほかにありません。フォッサマグナは世界でも特異な地形なのです。
フォッサマグナがなぜ特異な地形なのか、もう少し考えてみると、ナウマンが最初に感じたんはもちろんフォッサマグナの「深さ」ではなかったはずです。地下6000m以上もの地溝が埋まっているとは、いかなる天才地質学者でも気づきようがありません。では、ナウマンは何をもって世界に稀有な構造と直観したのかといえば、それは序章でも述べたように、平坦な大地の向こうに、いきなり2000m以上の山々が壁のように屹立しているその「落差」の大きさだったのでしょう。落差こそがフォッサマグナを世界に無二の地形にしているのです。
では、そのような落差はなぜもたらされたのでしょうか。それは、北部フォッサマグナに当たる場所が日本海の拡大によって深海に陥没したとき、地質学的な時間でいえばほぼ同時に、伊豆・小笠原弧がたまたまそこに衝突し、陥没を埋めたばかりか、さらに激しく大地を隆起させて南部フォッサマグナをつくったからではないかと思われるのです。つまり、陥没と隆起が絶妙なタイミングで起こることが、フォッサマグナ形成の必要条件だったのではないかと。もしそうだとすれば、そのような巡りあわせを生んだものはいったい何だったのでしょうか。(pp.140-141)
日本海の拡大は200万年ほどでマグマがなくなって終わりましたが、今度は日本海そのものが太平洋プレートとともに日本列島の下へと沈み込みを開始しました。しかし、日本列島の反対側には海溝三重点という強大なアンカー(錨)が存在しているため、日本列島そのものが形を変えていくようなことはありませんでした。そのかわり、とくに東北日本には強い東西方向の圧縮が起こり、その結果、フォッサマグナでは赤石山脈が隆起し、さらに北アルプスや中央アルプスのような高い山脈ができていったのです。海溝三重点の一が変わらないかぎり、こうした東西圧縮はこれからも続くでしょう。(p.195)
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秀作。
フォッサマグナ、謎に包まれている。
日本列島は、不安定な場所だということがわかった。災害が多いわけだ。
地質学面白い。
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フォッサマグナ。名前の語感の良さで小学生の理科の授業で初めて聞いてから忘れたことのない単語。
当時は、一本の線のような、断層や中央構造体のようなものだと思っていたが全然違っていて、もっと面白くて、もっと謎で得体の知れないものだったんだなと。
内容としては、著者によって、今ある仮説に次ぐ仮説をうまく組み合わせ、フォッサマグナの謎に迫ろうとする一冊。素人にもわかりやすい文章と内容で、専門外だけど少し興味ある人はわりとすんなり理解できると思う。
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北部フォッサマグナ:新第三紀、南部フォッサマグナ:丹沢地塊(伊豆・小笠原弧の衝突で形成)多摩川、相模川は昔のプレート境界で八の字。伊豆半島・富士山:駿河トラフと相模トラフ境界が通る。スーパープルームでオラーコジン形成(3つにひび割れ):フォッサマグナ形成
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糸魚川の「フォッサマグナミュージアム」に行ったので読みました。
日本列島の背骨をまっぷたつのフォッサマグナ。
地質学的にもすごいけど、言葉や味付けの境目になってるのも面白い。
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フォッサマグナとは、日本列島の真ん中にある構造のこと。6000m以上の深さの地溝がありその上は堆積物が積み重なっている。世界でも珍しい構造で、それがなぜできたかを、前提から少しずつ説明して、最後に持論を展開する。
内容は非常に興味深くおもしろいが、肝のところはかなり難しい。
この本で示された試論は、北でオラーコジンができて日本海が拡大、南でフィリピン海プレートができて伊豆小笠原弧が衝突、それが同時期におきたから。
両者が同時期におきたのはスーパープルームによる。
オラーコジンは、餅を焼いてふくらませたときに3つに裂けるようなこと。そのうち2つは発達する。
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明治初期にナウマンが発見した、日本列島を真っ二つに分断する「巨大な割れ目」フォッサマグナ。その成因、構造などはいまだに謎に包まれていて、一般向けに書かれた解説書はなかなかつくられない。しかし、フォッサマグナを抜きにして、日本列島の地形は語れないのだ! ブルーバックスで人気を集める地学のエキスパートが挑む!
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フォッサマグナという言葉は有名だけれども、実際にその範囲、定義、成り立ちを理解している人はすくないんじゃないかしら。
実は、フォッサマグナの西側は糸魚川静岡構造線だけれども、東側についてはまだ論争中らしい。
じゃあ、なんで論争かというと、「出来方」について定説が固まってないらしい。
では、どんな出来方説があるのか、ということで、
地球内部構造、プレートの動きから、日本海とフォッサマグナの成り立ちの各学説を、きちんと解説した一冊。
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15 Ma (Mega annum = 100万年前 :地質年代の表記法)に生まれた深さ6000m以上の世界唯一の地形
巨大地溝『フォッサマグナ』
フォッサマグナとは何なのか?どのようにできたのか?いまできる精一杯の考察、答えを記した一冊
私は全くのど素人ですが、そんな私にも読み易く、とても面白かったです^^*
すごくわくわく浪漫を感じた(笑)
地球のほとんどの大陸が合体してできた「超大陸パンゲア」
とてつもなく巨大なスーパープルームによって引き裂かれ
プレートテクトニクスによって動き回る大陸
次に超大陸になるのは2億年後だそうです(笑)
o(^-^)o ワクワクッする
←行ってみたいっ!!←
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