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先日(2018.8上旬)に新聞の広告で、この本のタイトルと副題を見て興味が湧きまして、ネットで即座に購入しました。以前、陰陽師という映画が作られて平安時代にはこのような人達が政治を動かしていたような内容の映画であったと記憶しています。
その時の血と引く人達が現在まで続いていて、その一族の一人(27代目の陰陽師)によって書かれた本です。日本には今までの都(奈良、長岡、京都、そして現在の東京)を中心に、多くの結界によって守られているという内容です。
日本の土地にはエネルギーが満ちているところとそうでない所があるようですが、特殊な力を持つ人達にはそれらが見えるようです。日本は「神の国」といった人もかつてはいましたが、歴史の長い日本は色々な人によって守られているのかもしれませんね。面白い本を読めたと思いました。
以下は気になったポイントです。
・結界とは、区切るもの、一線を引くもの、神の領域と人、彼岸と此岸、向こうとこちら、などを区切るもの。箸置きは、神様と人間との間に張られた結界である。なので、人間は食べる直前に、「頂戴します」とか「いただきます」と言って箸をとる、つまり神との間に張られた結界を外し、自分のものとする(p11)
・神社というのは基本的に神様を封印し、そこからどこへも行かないようにした場所である、神様には善悪がない、何をしてもすべてが正解とされる存在なので(p15)
・平城京から長岡京に遷都が行われる際に、二つの都の間を区切った、いわゆる南都六宗と呼ばれた奈良仏教が支配した平城京と、それから自由になるためにつくられた新しい都・長岡京を明確に区切った、同様に、長岡京と平安京の間も区切った(p21)
・霊を封印するには、ガラスがとても有効である、霊はガラスを通過できない、清明によって明らかにされた、代用品として壺を用いられた、内側に釉薬を塗って内面をガラス状にし、木の蓋をつくり、そこに結界符を貼る(p34)
・結界石は、昔は翡翠(ひすい)、できるだけ白い翡翠が使われた、今では御影石や水晶も使われる、これらの石には術の力を込めやすいから(p47)
・成田山新勝寺は、将門の怨霊封じの拠点である、なので寺でありながら、つくりは神社である。狛犬(神社において聖域を守る聖獣)があちこちに見られる(p79)
・江戸城の風水は天皇が住む場所としては勧められる土地ではない、埋め立て地は、そこに地脈と龍脈は流れていない、昭島市から立川市にかけての方が風水的にははるかに優れている(p84)
・秩父の山奥には三峯神社がある、3つの鳥居が組み合わされた三つ鳥居をくぐる、それぞれ伊勢・出雲・三峯を表現している、エネルギーの強さは驚くほど強い(p101)
・人体でいうと龍脈は動脈、地脈は静脈と考えるべき、ふたつとも大地のエネルギーの流れで、そればペアになっている。(p103)
・遷都した頃の京都にはお寺は二つしかなかった、それが東寺と西寺、西寺はすでに廃寺になっているが、東寺は空海によって整備されて、真言密教の根本道場となっ���、それ以外の寺はすべて後に創建された、しかも多くは最初から寺ではなく、ほとんとが天皇や上皇、室町将軍家の別宅や隠居所で、のちに寺になったに過ぎない、清水寺も金閣寺も銀閣寺もそうである(p131)
・奈良県桜井市の三輪山は、山自体が神の山、山全体が大神神社のご神体であり、古くから禁足地になっている(p134)
・蘆屋道満(あしやどうまん)は、清明と肩を並べるほどの力を持っていた、朝廷の陰陽寮とは別の陰陽師集団がいた、彼ら子孫は兵庫県から西を主な活躍の舞台とした、中国・山陰・四国・九州である、すみ分けをしていた(p138、147)
・京都近辺には陰陽師の術をもったスパイの集落が3つあった、伊賀・甲賀・風魔である、彼ら3つの集団は「3つの足」と呼ばれていた、のちに「八咫烏」と呼ばれた(p139、140)
・糸魚川静岡構造線に従って、日本を東西に分断する巨大結界がある。これが関西と関東の文化の違いにまで続く(p156、175)
・悪しき霊とは、霊道から弾かれた浮遊霊であり多くは自殺者の霊である、成仏したくてもできない霊である。そうした霊から人を守り邪気を入れないようにするのが結界の目的である(p209)
2018年8月12日作成
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久しぶりの駄本。地図帳と銘打っている割に地図はアバウトで、結界の設置経緯やその内容も断片的かつ表層的説明に終始している。歴史家や小説家の方がよっぽど面白くためになるものを書けるだろう。おおよそ陰陽師を名乗る人が書く内容ではない。
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★2018年10月14日読了『日本の結界 陰陽師が明かす秘密の地図帳』安倍成道著 評価B
ふと図書館で目にとまり、ざっと読んでみた。
なかなか興味深い本ではあるが、いかんせんそれらの結界がどのように機能しているのか?見えない世界だけに本で伝える難しさがあると感じた。
・驚いたのは、陰陽師がまだ本当に残っていること。
・かの有名な安倍清明の子孫が残り、脈々と陰陽師の技を伝えてきており、京都には本家+五家(火水木金土)が存続していること。
・それら陰陽師の家では、太古からの古文書が残されて相当な歴史の秘密も蓄積、記録されていること。
・結界には、神界、絶界、結界の3レベルがあること。
・神社には、神を封じ込めるという意味で結界が張られていること。
・霊道という亡くなった霊の通り道があること。
・陰陽師は、結界を張ることと除霊をすることが主な役割であること。
・京都、東京、熊野、若狭湾、鹿島神宮ー香取神宮ー息栖神社、三峯、川越喜多院、吉野五方結界、成田山など各地に結界が張られていること。
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しょうがないとは思うが、全体的にぼんやりとした内容。
ただ都内の結界については、八王子方面に多摩御陵とかあるから、なるほどなと思うところもある。
というか、安倍晴明の血が脈々と受け継がれてたのかという驚きの方が強い。
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学研の『ムー』だとか、東スポに対峙する感覚でユルく読むのが良いと思われる本。
陰陽師ネタに興味のある小学生とかには、良いかも…。
大事な部分は「(職業柄)言えないのですが…」ばかり。
著者さんは自称安倍晴明の末裔だそうだけど、安倍晋三が同じく末裔と言われるくらいの程度で「ふ~ん…」と思っております。
明治以降、ある意味苗字はつけ放題、家系図作成の専門稼業があったくらいだし、せっかくの戸籍も怪しい国会議員がどんどん保存期間を短くして廃棄している現在ですから。
それにしても、読んだ意味がほとんどない本でした。
陰陽師が張った結界を修験道の行者さんが破っているとか、東京の昭島周辺の土地相がとても良くて天皇の住まいには良かった等のネタが、そうなんですね~ってくらいでした。
この理由も詳しくは言えないそうです。
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科学と合理の時代に生きる現代人が本書を読んで理解しているか、ということに全く無頓着で、大変独りよがりな本であった。