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この本で取り上げた病気とは、腺ペスト、天然痘、梅毒、結核、コレラ、スペイン風邪、ポリオ等13の代表的な病です。病気に纏わるエピソードを歴史的な観点で紹介されていて、大変面白く読めましたが、やや婉曲的な表現やアメリカの映画・テレビ等の事例を例え話に使う等、所々判りにくい表現もありました。(その意味するところを理解するのが難しい感じ)
事実に対して、著者の嗜好で表現されており、やや偏った見方もあるように感じました。とは言え、知らない病気に関するエピソードを読むと、印象に残るし勉強にもなると思います。
因みに13の病の一つに取り上げられているロボトミーは、病気ではなく人間が引き起こした狂気の手術で、ケネディ大統領の妹がその犠牲になったという。怖い話です。
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多くの犠牲者を生み文明を崩壊させた病気と人類の歴史。迷信による不条理な迫害、患者の救済に尽くした人々の闘い、病のイメージが作り出した文化まで、知られざる歴史をときあかす。(帯)
文章が独特(少しばかり皮肉屋の善人?)で、最初は違和感を覚えましたが、読んでいるうちに気にならず、むしろ楽しめました。
内容自体も興味深く、色々記されている経過や結果は、今に繋がることが多々あるように思います。
「そうじゃないでしょう、ゲルハール」(P167)
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歴史を変えた12の病気と1つの誤った治療法(ロボトミー)。一番ショックだったのがロボトミーの章(”アメリカの医学史上最も暗黒”)で、なぜあんなことになったのか真面目に振り返らなけらばならない。
その他にも、コレラやペストの章で衛生環境改善の重要性を確認し、ポリオの章で現在のワクチンに感謝し、チフスとハンセン病の章では隔離と人権について考えさせられる。
それぞれの疾患については個別の詳しい本があるが、広い範囲をカバーしているものとして良いと思う。
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古代ローマから1980年代まで、世界のあちらこちらで流行した疫病と、それにまつわる人々の物語。
結構、知らない疫病もあって、確かに、喉元過ぎると熱さを忘れてしまうのね・・・それが人間だもの・・・、という気持ちに。。
もちろん、今の新型コロナウイルスパンデミックのさなかにフィットしそうだな?と思って選んだのですが、思った以上にドンピシャでびっくりしました。
悪いのは病気であって、病人ではない。
病は差別しない。だから人にレッテルを貼るのは無意味。
過去から学ぼう。もっと賢くなって。そして優しくなって。
どれも、まるで2020年に起こることを予測していたかのようであり、疫病に見舞われた人類がやることが全然変わってないことの証左でもあり。
文体もエッセイ風で読みやすくて、おすすめです。