紙の本
オッサンは輝かないといけない
2019/02/11 14:00
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投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
1.現在の50〜60代
会社や社会がシステムに乗っかってさえいれば、豊かで幸福な人生が送れるという幻想の中で過ごしてきた世代。
2.組織リーダーは構造的に経時劣化する
二流が社会的権力を手にすると、周辺の一流を抹殺し、扱いやすい三流を重用する。
劣化は組織が大きく・古くなることで、より顕著になる。
良質な経験を抜きにして、人材の開発・育成はできない。
3.オピニオンとエクジット
オピニオン
・・おかしいと思うことを意見する
エクジット
・・権力者の影響下から脱出する
オピニオンもエクジットもしないということは、権力者の言動を支持しているということ。
日本企業に長くいると、人的資本と社会資本が内側に閉じて形成され、モビリティが高まらない。
どこでも生きられる、誰とでも働けるという自信が権力を牽制する圧力となる。
モビリティを高めるためには、会社以外で通用するスキルと会社の外に開かれたネットワークが重要になる。
4.実は優しくない日本企業
40代後半でキャリアの天井が見えても、その時点で取れるキャリアオプションは殆ど無い。
5.年長者の本質的価値
ライフスタイルが大きく変わらない時代では、年長者の経験が知恵になった。
向き合う問題が新しいものであれば、問題解決能力は若い人の方が優れている。
重要なのは、その人の意見や行動が自分の判断基準に照らして「真・善・美」であるかどうかということであり、そうでないのであれば恭順する必要はない。
6.サーバントリーダーシップの時代
支配的リーダーシップから支援的(サーバント)リーダーシップへのパラダイムシフトを起こすことが必要。
日本からイノベーションが起きないのは、これを大きく支援できるサーバントリーダーが欠如しているからである。
7.経験で大事なのは質
成長は、新しい経験の密度により、大きく左右される。
経験の多様性が良質な体験をもたらし、学習を駆動する。
8.色々な事にチャレンジする
何かを止めないとチャレンジできない。
チャレンジの本質的な難しさはここにある。
何かに挑戦するときに、それが本当のチャレンジなのかどうかを身体反応から見極めるには、ストレスがかかっているかどうか。
ストレスがかかっていない状態であれば、それはチャレンジではない。
◎オッサンは輝かないと社会は良くならない
オッサンが輝いていない社会は、やはり暗いものにならざるを得ない。
そのためには、なんらかの学び直しにより、自分自身の社会的な位置付けをパラダイムシフトする必要がある。
今後は、「学ぶ」と「働く」がパラレルに動く人生モデルが主流になっていく。
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著者の著作を何冊か読み込むことで、さらにファンになってしまった。
「なぜオッサンは社会から駆逐されなければいけないのか?」がきちんと言語化されており、これからの世代にとっての考え方として非常に有益である。
とくに著者の主張である「オピニオンとエグジット」については、強く実践を意識させる内容であり、かつ、実行するものにとって背中を強く後押ししてくれる非常に有益なアドバイス出あるように思う。
凹みそうになったり、自分を見失ったりしたときに、再度読みたくなる羅針盤のような一冊である。
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青春とは人生の或る期間をいうのではなく、心のありさまを言う。優れた想像力、たのもしき意思、燃ゆる情熱、怯えを退ける勇気、安易を振り捨てる冒険心、これを青春という。年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときに初めて人は老いる。 サミュエルウルマン
20代は人生を決定づける10年間だ
まだ間に合うときに、だれもきみの肩をつかんではくれなかった。いまや、君が形作られた粘土は乾き固くなってしまった。今後、君の内なる何物も、おそらくは最初きみに宿っていたはずの、眠れる音楽家、詩人、あるいは天文学者をめざめさせることはできないだろう。サン テグジュベリ 人間の土地
数がパワーとなる現代の市場や組織において委、構造的に最初に大きな権力を得るのは、いつも大量にいる三流から支持される二流
二流の人間が社会的な権力を手に入れると、周辺にいる一流の人間を抹殺しようとする
凡人は天才を見抜くことができない
凡人は自分より高い水準にある人を理解できないが、才人は瞬時に天才を見抜く コナンドイル
やがて会社を創業した天才や才人たちが引退すれば、よほど意識的になって天才や才人を人選に担ぎ出さなければ、その組織の人材クオリティの平均は限りなく凡人の水準に近づいていく
劣化は組織が大きく、古くなることでより顕著になる
第一次ガラガラポン革命 明治維新 第2次 太平洋戦争終戦 第3次は2025年 80年ごと
革命の武器はオピニオンとエグジット
老人が支配するのは奴に力があるのではなく、こちらがおとなしくして忍従しているからだ シェイクスピア リア王
環境がどんどん変化する中で発生する未曾有の問題に対して、より根源的な人間性や道德といった立脚点に根ざして、その人らしい正しい判断をしていくには、なによりも「教養」が必要になる
合理的な根拠がないにもかかわらず信じる行為を信仰という。つまり年長者は尊重されなければならない、という考え方は私達の信仰なのです。この信仰が依拠しているは儒教という宗教です
パラダイムシフトを手動するのは多くの場合、非常に若い人が、その分野に入って日の浅い人
画期的なアイディア、つまり巨大な富につながるアイディアを生み出す人が「若い人」であり、「新参者」であることがわかっているのであれば、その人達に直接に発言権や資源動員の権力を渡せばいいのではないか
すべてのリーダーシップの礎となるのは、リーダーとフォローアーのあいだに形成されるトラストである 信用や人望
組織やコミュニティにおいて年長者というのは一種のデータベースであった
年長者の価値を毀損する3つの理由
社会変化のスピード
情報の普遍化
寿命の増進
流動性知能のピークは20代
結晶性知能のピークは60代
問題解決のアプローチ3つ
ランダム(直感によって回答を得る アート)ヒューリスティック(経験則によって回答を得る クラフト)オプティマル(論理のよって回答を得る サイエンス)
大胆な直感や緻密な分析論理は全般的に若い人の方が得意
新しい問題に対しては流動性知能に優れる若者たちが向き合い、直感の通用しない複雑な問題に対してhあ、過去の経験知を蓄積した長老が向き合うという役割分担し、組織を維持していた
支配型リーダーとサーヴァントリーダー
白瀬矗と大隈重信 南極探検
日本からイノベーションがなかなか起きないのは、とてつもないこと考える若手が少ないということではなく、これを大きく支援できる大物、サーヴァントリーダシップが欠如している
年長者の知的パフォーマンスの劣化を防止するには、劣化しない結晶性知能を身につける
実務的な知識より、より深い思考を促すような本質的な問いかけを行うための教養が必要
10年経てば劣化するような旬の短い知識ではなく、何十年というあいだに渡って効果を発揮するような知識を入力すべき
長いこと有用な知識や情報を学びたければ、その知識や情報が活用されてきた期間に注目しろ
経験で大切なのは量よりも質 古びることのない知恵=教養を蓄積することが大事
阿部謹也 わかるということは、それによって自分がかわることだ
創造的な人々は常に目標を持ち、挑戦をつづけている、だからこそ知的パフォーマンスを老齢になっても維持し続けられるのではないか
個人の能力開発の70%は、実際の生活経験や職業上の経験、仕事上の課題ともんだいかいけつのよって発生する(直接学習)次の20%は対人的学習や観察や模倣、残りの10%が学校や研修などのフォーマルなトレーニング
よいリーダーは、よい業務体験によって作られ、その良いリーダーがまたよい業務体験を人に与えてリーダーを育成する。つまりリーダーというのは一度生まれると拡大生産される傾向がある
権力の弱体化の要因 情報の普遍化
権力は情報の独占と支配によって、その生命を維持する
弱体化しているときこそ、権力は支配力を強めようとする
権力が弱体化する時代だからこそ、私達は自分自身を知的に武装し、オピニオンを主張し、相互の発信に耳を傾けて対話していく必要がある
権力による弾圧が目に見えているとき、その権力はすでに末期状態にある
概ね4割から5割の20台30代が、一月に一冊も本を読まない
私達の時間を意味あるものに変えていく、権力と戦う武器に変えていくためには、学び続けなければならない
青年時代は知恵を磨くときであり、老年はそれを実践するときである ルソー
人生の早い時期ーセカンドステージに脚光を浴びてしまい、その時期にしかできない、「種をまく」ということがおろそかになると、その後の人生がいかに悲惨で貧しいものになるかよくわかります
失敗のダメージが少ないセカンドステージでたくさんチャレンジし、自分なりの「失敗マニュアル」を作ってしまうことで、サードステージにおいて大胆なチャレンジができる、つまり「自分はどこでもやっていける」という自信の形成につながる
挫折して逃げる。ただしタダでは逃げない。そこから盗めるものはできるだけ盗んで、次のフィールドで活かす。そしてフィールドを越境して移動しているからこそ、知識や経験の多様性が増加し、これが、やがてユニークな知的成果の創出につながる
権力は与えられたけれども、まともな知性を育んでこなかったオッサンたちが、この国の各所でポジションにしがみつき、本書の冒頭に掲げたような不祥事を起こし、配下の中堅・若手を振り回して彼らの人生を無為に消耗さています。
このような社会にあって、私達は、単に年長者だからという理由で、その人を尊重し、彼らの意見や行動に対して、おもねって従う理由はまったくありません。
重要なのは、その人の意見や行動が自分の判断基準に照らして、「真・善・美」であるかどうかということであり、もしそうでないのであれば、別に恭順する必要がありません。
その人の信用というのは、ストレスのかかる状況下で、そのような判断や言動を取るかを観察しなければ、生まれません
なにかを始めるのに遅すぎることはない
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この本はおっさんを非難する本ではない。
若者がおっさんにならないためのエッセンスである。
おっさんはいかにして完成するか。
オピニオンとエグジットをしない若者はおっさんになるであろう。
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仕事で「働かないオッサン問題」に触れることがあったけど、そもそもそんなオッサンが量産される背景が分かりやすく整理されている。明日は我が身、サーバントリーダーシップなど関連するキーワードをより深く知りたくなった。
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ようやく読めたー。といってもこちらも読み始めたら時間を忘れてタリーズで読みふけってしまった。やっぱり山口さんは面白い。頭がいいなかでも天才の方だと思う。シナプス同士の繋がりどーなってんだ。。。
読了五の感想としては、今回老がい撒き散らすおっさんの下から思いきって抜け出した事は間違っていなかった、と安心した。そして劣化自体はおっさん以外にも確実に起こる、自分がそうなったいないかとにかく謙虚に、そして色々な物事に好奇心、もしくは肯定的に最初取り組む姿勢が必要。劣化はベンチャー企業の立ち上げメンバーさんとか要注意ですよ。物事の流れが早いだけに、いくつもの、そして大きな成功体験をベンチャー企業では味わえる。それを他の、特に新しく来た人たちに「常識」として押し付けていないか。新しい考えを積極的に聞いているか。成長段階の木の上であぐらをかいていないか。よくよく自分を振り替える必要があると戒めにもなった。とにかく本出のインプットを書かさない用にせねば。
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図書館でなかなか回ってこないから買ってしまった。読むの楽しみ。
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タイトルからは薄っぺらい内容かと推測されたが、中身はしっかりとした新書だった。二流の人間が組織のトップにたってしまうと、そこからは一流の人間はトップに立つことはなく、どんどん劣化していくようだ。この理論はなかなか面白い。
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この著者の話は結構分かり易く纏まっていて結構好き。
この人の定義している「オッサン」にならないようにせねば。(^^;
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オッサンが存在することの弊害が世の中に閉塞感を生み息苦しくしているのかな。「オッサン」にならないような生き方をしないとね
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分析が面白いようで、統計が興味深いようで、展開が斬新なようで、どこか飲み屋の愚痴的なオッサン感が漂う感じ。まじめに語っているのか、クダ巻いているのかわからんところがある。
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無能なリーダーは自分より劣る後継者を選び、組織は劣化の一途をたどる。良い組織づくりのポイントや人生100年時代を生きる上での心構えを示す好著。
50歳でもようやく人生の折り返し地点となるこれからの世代、4期に分けて、75までは、学び・自分を成長させる心持ちでいることは不可欠。
後生が、「大人ってまんざらじゃないな」と思う社会づくりが大事だと改めて思いました。Vivaオッサンが輝く社会!
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『いけてないオッサン思考』が、何故生まれてしまうのかの背景と、そんなオッサンにどう対処するべきか、そしてそんなオッサンにならないためには、をまとめた一冊。
キーワードは「オピニオン」と「エグジッド」。おかしい・間違ってると思ったことはきちんと言うこと、その上で付き合いきれない環境なのであれば脱出することが大事。
今の日本に生きている中では、性年代に関わらず「オッサン思考」に陥る可能性は多分にある。自分はオッサン思考になりたくない!っと思っている方には、ぜひ読んで欲しい。おすすめ。
・この本で言う「オッサン」とは、特定年代の男性を指すのではなく、年代性別を問わず『①価値観が凝り固まり新しい価値観を拒否する』『②過去の成功体験に執着し既得権を離さない』『③階層序列の意識が強く目上に媚び目下を軽んじる』『④よそ者や異質なものに不寛容で排他的』といった特製をもった人を指す。
・青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心のありさまを言う。優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯えをしりぞける勇気、安易を振り捨てる冒険心、これを青春と言う。年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて人は老いる。サミュエル・ウルマン
・最近の若い者は・・・という愚痴はエジプト時代からあったが、もしろ最近では「最近の古い者は・・・」という嘆きが多い。
・努力して良い会社に入れば安泰・幸せになれるというオオキナモノガタリの中で成長し、仕事態度を形成する大事な20代の時期を過ごし、その後で盲信してたオオキナモノガタリが突如無かったことにされ梯子を外された世代
・アート=ワクワクするビジョンを描く、サイエンス=ロジカルな計画策定、クラフト=実行力、の3つが揃ってはじめて良い経営が実現できる。
・組織のリーダは構造的・宿命的に継時劣化する。構造的に大きな力を得るのは大量にいる3流に支持される2流。3流は2流は分かるが、1流はわからない。2流は1流を見抜けるが、1流を遠ざけて抹殺しようとする。1度2流がトップになると権益を保持するためにも、自分に媚びる3流を引き上げようとする。こうして世代が変わるごとにリーダーは劣化していく宿命にある。
・凡人は凡人しか育てられない。良質な経験を抜きにして、人材の開発・成長は考えられない。
・人は適当な時期で退くのも、社会奉仕。
・80年でガラガラポンが起きる法則。大政奉還1867⇒太平洋戦争終戦1945⇒2025に何が起きるか。
・知識やスキルの人的資本+信用や評判の社会資本=モビリティを高める
・オピニオンとエグジッドの欠如が年長者を甘やかす。言い換えるとフィードバックの欠如。フィードバッグがないと、人は成長しない。結果劣化したオッサンになる。オピニオンもエグジッドもしないということは、劣化オッサンの育成に加担しているということ。
・劣化おっさんの下で忖度する日々を過ごすと、そのとりまきもまた劣化おっさんになる。こうして劣化オッサンによる劣化オッサンが拡大再生産されていく魔のループが続く。
・4ステージモデル。春:0~25歳、基礎学力や道徳を身に付ける時期/夏:25~50歳、色々なことにチャレンジしてスキルと人脈を築くとともに、自分の得手不得手を理解する/秋:50~75歳、それまでに培ってきたものを軸に自分の立ち位置を定め、世の中に貢献していく時期/冬:75~100歳、余生を楽しむ時期
・年長者が実体験したことから得た知見に従うのが、かつては合理的だった。が、時代の変化スピードがあがり過去の知見が必ずしも通用しない、記録媒体の革新で年長者の知見に誰でもアクセスできる、寿命が伸びたことで長生きすること自体が珍しくない、という時代においては、年長者だから能力も見識も優れているという前提を手放さなければいけない。
・オッサンがなすべきなのは、サーバントリーダーシップ、支援型のマネジメント。
・日本にイノベーションが起らないのは、大それたことを考える若者が欠如しているというよりも、そんな若者を拾って支援して育てるサーバント型のオッサンがいないから。
・サーバントリーダシップには、実務的な知識よりも、物事の本質を問いかける教養が必用。
・長いこと有用な知識を身に付けたければ、その知識がどんぐらいの期間活用されているかに着目する。
・経験で大事なのは量よりも質。30年の経験があるは言い換えると1年間の経験と、その経験を29年繰り返しただけ、とも言える。変化を伴わない見せかけのチャレンジに自己満足しないように。
・大事なのは成功することでは無く、チャレンジすること
・現在挑戦していることは何かと問われて30秒も話せない人がほとんど
・良い経験を積める場所にオッサンが居座ることで、次世代が育たない。人材が育たないということは、良い業務経験を与えられていないということ。
・安定しているように見える状態であればあるほど、内側に大きな歪みのエネルギーが蓄積されており、破壊的な不安定が一気に襲ってくる。安定は不安定、不安定こそ安定。
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【かわいそうな年代】
わたしは50代、60代ぐらいの年齢になれば、どの世代にも発生する病気のように思っていましたが、そうではないようです。
現在の50代、60代で発生している劣化状態ということです。
確かに最近10代、20代が起こしそうな事件、不祥事を50代、60代が起こしています。年長者は経験豊富だから尊敬しなければだめだと教えられてきましたが、すべての年長者が尊敬に値するとは思えません。
小さな積み重ねですが、毎日少しずつでも努力を重ねて生きた人間と何十年もあまり物事を考えずに生きてきた人間では10年、20年経つと大きな差になって現れます。
今の50代、60代はあまり考えずとも生きていける上り調子の時代を過ごして来ました。
上からの抑えがなく自分がやりたいようにできる団塊の世代が先頭をきり、道を築きました。そのあと今の50代、60代がそのレールに乗った状態で成長したと推測できます。別にそれが悪いということではなく、今の50代、60代はそういう時代を過ごし、苦労しなくてもうまくいく時代であったということです。苦労せずにうまくいくのに、わざわざ苦労をする人間は逆に頭がおかしいと言えます。
ただ、時代は変化します。ひと昔前でも10年経てば社会は変化しています。特に最近は変化の速度が速いです。5年もすれば全く違う世界が現れている時代です。予想不可能な時代です。
60代でよくキレている人を見かけますが、その気持ちもわからなくもないです。いままでと同じようにやってきたのに、この何十年と同じことを同じようにやってきたのに、なぜ最近うまくいかないんだ!このイライラがつのりキレてしまうのです。
さらに、やっかいなことにその年代は年功序列で既得権が与えられており、それなりに敬れて生きてきました。しかし最近、時代に背を向けられているように感じてしまうのです。
時代の変化に対応できていないということですが、変化が恐ろしく速いので無理もないと思います。
もともと時代は複数の人を渡り歩きながら変化するため、一人の人が時代の先端を担う時間は短命です。ある人が一時期担い、次はまた別の人が担います。一人の人がずっと時代を牽引するわけではないのです。ここに時代の方が人よりも変化する速度が速い理由があります。
しかし、最近この変化が速すぎるため、時代の変化に頑張ってついていく訓練をしていない年代は厳しです。変化に対応する筋力が備わることなく成長してしまっていますので、いまからではその筋力をつけることがむずかしいです。それが、今の50代、60代になります。
しかし、時代の変化速度が加速しているので、普段から変化に対応することを鍛えている20代~40代でも、その速度に着いていけない人も発生してきます。50代、60代に比べれば少ないかもしれませんが、振り落とされる人は増加傾向にあると考えます。
ただ、今の50代、60代のように年功序列で既得権を得ることもできないようになりますので、キレる三流の暴君も産まれなくなります。
権力がない人が吠えても「老害」にはなりません。ただ、負け犬が吠えてる���けで、誰も相手にしないし、相手にしなくてもこちらが不利益を被ることはありません。見て見ぬふりをされるだけです。
単純に年齢を重ねていることが、尊敬に値する時代は過ぎてしまいました。
団塊の世代は人口でボリュームゾーンであり、上の人間がいない状況でした。彼らは上から文句を言われることなく先頭を走り、しかもそれを支える同年代の仲間が一番多い状態です。
上がいないというのは改革を起こすという点においては非常に恵まれた状況です。好きなようにできます。したがって、国内の政治・経済は団塊の世代を中心に動いてきました。そして、いまだに既得権を死守している人が多数います。
ただ、先輩方に意見を乞うことはできないので、自ら創りだしていく苦労はあったと思いますが、楽しかったと思います。羨ましいです。
しかし、もう70歳になります。いい加減引退願います。いつまでも居られては次世代をダメにしてしまいます。
若い人材を全力でサポートする側に回ってください。
60代でも時代の変化に敏感な人はスマホ、SNSを使いこなし生き生きとしています。こういう人はキレる老人に比べれば圧倒的に「カッコイイ」です。
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こんなひどいオッサンがどうして生まれてくるのかと想いながら、何十年と過ごしてきて、気がつくと自分も年齢的はオッサンに。どうしてオッサンが、一流企業が劣化していくのか、そうはならないようにするためにどうすればいいのかを説く。
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日大アメフト部監督や財務省事務次官といった、年輪を重ね地位もある人たちが起こす不祥事が続いています。本書は①世代論的、組織論的にそれを分析するとともに、②主としてその下の世代(人生の4ステージモデルにおけるセカンドステージ世代=25〜50歳)に対し劣化した「オッサン」達が実権を握る社会をどのように生きるべきかを示すこと、がテーマ。
結論として、セカンドステージにおいて、生活水準を落とさずに居場所(職場)を移れる能力=「モビリティ」を身につけることが最優先、そのためには環境を変えることを恐れるな、と説いています。
転職経験ある人には受け入れやすいアドバイスですが、日系大企業を典型とする新卒純粋培養の方が「モビリティ」を高める行動を起こすのには躊躇すると思います。そのような方であっても、「オッサン」の分析、日系企業の問題点(第4章)は読んでおく価値があるでしょう。