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大山誠一郎さんの作品を読むのは初めて。全7編が、アリバイ崩しものの短編集だという。その名もずばり『アリバイ崩し承ります』。アリバイを崩すのは時計店の若き女性店主。毎回彼女に依頼するのは、捜査一課の刑事…。
第1話。医大の女性教授が殺害された。容疑者は度々金の無心に来ていた元夫。少なくとも自分は初めて読んだ、画期的手段。それでうまくいくのか? 第2話。死体より先に凶器発見。容疑者には使えないはずだったが…。やや苦しい第1話と比較して、納得性が高く、動機や事件の背景の面でも完成度は高い。
第3話。事故に遭った男が、殺人を告白して息絶えた。しかし、裏づけ捜査をしてみると…。これはちょっとずるいかなあ。そりゃ気づかないよ。第4話。自分が姉を殺したかもしれないと妹は言う。なるほど、その部分にはちゃんと意味があったということですか。本作中、最もオーソドックスかもしれない。
第5話。女性店主のキュートな思い出。これだけは同じトリックを知っていた。わざわざ時計を写真に撮る時点で、不自然なわけだが。第6話。来ました雪の山荘パターン。足跡は大きな証拠ではあるが…。女性店主がいなかったら、「彼」は起訴されていたのだろうか。それでいいのか長野県警?
最後の第7話。いかにも作為の臭いが漂うアリバイ。しかし、日付を動かしようがない事情があった。ひねっていて面白いけども、危険な賭けだよなあこれ。動かしたのは日付ではなく…ということですか。
プロの捜査一課が見抜けなかったアリバイトリックを、安楽椅子探偵があっさりと解いてしまう、構成の妙。アリバイトリックは密室トリックに並ぶ本格ミステリの「華」だが、アリバイトリックはどちらかといえば地味な印象がある。
それでも、これほどまでのバリエーションを揃えた本作。密室トリックよりも、新たな可能性はまだまだ残されているのではないか。本格ミステリ初心者にも優しい、続編を期待したくなる短編集だ。
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アリバイ崩しに主眼を置いたミステリー。
短編なのでとっつきやすいのもいいですね。
パズル要素に重点を置いてあるので、決めゼリフが出てきた時点で立ち止まって推理した方が楽しめると思います。
謎解き要素より物語を重視する派の人は物足りなく感じるかもしれませんね。
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時計屋の女店主が、新米刑事が行き詰まった事件のアリバイ崩しに挑戦する連作短編集。探偵役が時計屋さんという設定に必然性がないのとキャラ造形がいまいちなのが残念なところですが、アリバイ崩しものの短編集自体珍しいですし、一編ごとに趣向を凝らしアリバイ崩しの可能性を追求していて感心します。
マイベストは【時計屋探偵とダウンロードのアリバイ 】。音楽をダウンロードした時間がアリバイになるというのが現代的で興味深いです。
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<学生選書コメント>
美谷時計店には「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。
「時計にまつわるご依頼は何でも承る」のだという。
難事件に頭を悩ませる捜査一課の新米刑事はアリバイ崩しを依頼。
7つの事件や謎に店主が挑む!
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優しいお話でした。シリアスな本の合間に読むと癒されます。探偵さんの決めゼリフ?はどうかと思いますが謎解きはどれも納得感の高いものでした。
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「2019本格ミステリ・ベスト10」国内編1位。
時計にまつわる依頼は何でも受けつけるという商店街の時計屋さんは、なんとアリバイ崩しもやってくれる。偶然そこを訪れた新米刑事が悩んでいるアリバイについて話をすると、店主はたちまち謎を解いてしまうのだった…という7つのアリバイの短編集。
余分なところを削ぎ落としてアリバイに特化したパズル的な話だが、ミステリ的には面白かった。
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よく練られたアリバイ崩しの数々でした。
少し無理がある様な気もしないでは無いですが、まずまず楽しめました。
話的には深みの無いただアリバイ崩しの方法を披露すると言った内容でした。
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「アリバイ崩し承ります」の張り紙がある三谷時計店。その若き女店主に新人刑事が依頼を持ってくる連作短編です。事件はほぼ刑事事件、動機等はどうでもよくアリバイ崩しだけに特化したところが凄いです。刑事の話の中にきちんとすべての手掛かりがあり、店主の決め台詞とともに解かれる真相は一話ごとに切り口が違って楽しませてもらいました。好きなのは、店主と祖父のクイズのトリックと、最終話の3か月前の日付のトリック。ちょっとインパクトが薄いのは、安楽椅子探偵ものの日常の謎のラノベに雰囲気が似ているからなのか、少し勿体ないです。
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このミスで、14位にランクインしていて、題も面白そうだったので、読んでみた。アリバイというと、何時何分にどこそこにいたということが問題とされるので、時計と関係がある。だから、時計屋の若い女主人が、事件のアリバイ崩しを請負うというのである。設定からしてファンタジーなのだが、アリバイ崩しを頼むのが、難事件を抱えている刑事なのだ。これまた、なんともあり得ない話だ。それなら、思い切り面白い、ほおーっというアリバイ作りを楽しませてもらおうじゃあないかと思ったが、このアリバイというのが、何とも下らない。残念ながら、ファンタジーにもならなかった。
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タイトル通りです。ただひたすらにアリバイ崩しのみに焦点を当てた短編集。商店街の片隅にある時計店には「アリバイ崩し承ります」の貼り紙が。主人公である新米刑事が・・・と一応のストーリーはあるにはあるんですが、これもまたアリバイ崩しのための、まあ添え物みたいなもので。ストーリーは本当におまけ程度だな、と。
昔「こんな事件があってこんな手掛かりが。さあ真相は?」みたいなクイズ形式の本を子供のころに読んだことあるんですが、それに近い感じ。
これはこれで悪くはないんですが、個人的な好みからいうともうちょっとお話を楽しみたかったかなあ。
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捜査一課の新人警官である「僕」が『アリバイ崩し承ります』『アリバイ探し承ります』を掲げる美谷時計店の店主・美谷時乃に遭遇した事件のアリバイ崩しやアリバイ探しを依頼する推理小説。読者も謎解きができる形式になっており、あれこれ推理しながら読む楽しさもあるし、全7話の短編になっており読みやすい。また、各話を読むことで、作中の時間経過がわかる描写もあるため主要登場人物がこの先のシリーズでどうなるのかという関係性も楽しめそうな作品である。(あと本作では全く出されていない「僕」の名前がいつかわかるときが来るのだろうか…?)
事件に関してもひねったトリックや「僕」の奮闘がわかる話、事件を起こした犯人の内面が印象に残る話もあり、バラエティーに富んでいる内容だった。評価としては星4つをつけたが、誤解と偶然が重なってアリバイとなってしまったという話や無理矢理すぎるトリックなのでは…と感じる話もあるので、星3.5つが実際の評価です。
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可もなく不可もなしでした。
緻密に思えるアリバイ工作に「時を戻すことが出来ました」の一言はあまりにあっけなすぎて、刑事形無しやんってw
短編で、一つ一つの話が最後にすべて繋がる話でもないので気軽に読めるのはいい。「5分で読めるミステリー小説」って感じかな。それにしてもおじいさんの斜め20度はないわw
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短編集。時計屋がアリバイを崩すという設定が面白い。
〜以下、ネタバレを含む〜
そういう作風なのかもしれないが、全体的に「偶然」の要素が多いのが気になる。いくつかの短編についてはトリックが一歩間違えるとバカミスになってしまいそうなものが含まれていたが、それはそれで面白く感じた。
全体的に非常によく練られた本格ミステリだった。
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時計にまつわる依頼は何でも承る、ということでアリバイ崩しの相談も受けてくれる時計屋の美谷時乃に新米刑事の主人公がアリバイのある事件を相談していく短編7編。ちょっとした思い込みからがっちり物理を仕込んだものまでバラエティに富んでいて楽しい。経緯を聞いてすぐに時乃がアリバイを崩してしまって解説に入ってしまうのでちょっとあっけない気がするけどだからかサクサク読める。結構綱渡りだと思うけど「山荘」と「ダウンロード」のアリバイが好み。先代店主の祖父が小学生の時乃に仕掛けるアリバイもなかなか。
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犯人のアリバイがキレイに解かれていく様は清々しさすらある。ひたすら、探偵役が最強すぎて、いまいち緊迫感みたいなものは感じなかった。