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2018年114冊目。叙述トリックであることを堂々宣言してくる姿勢がもう堪らない。著者のファンであれば確実に嵌まる作品全体の構成は見事。⌈貧乏荘の怪事件」はちゃんと読めば誰でもわかるだけにしてやられた感が強い。
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注意深ければ目次の時点で気づけたんだよな…あとがきも作品の一部ってことに……フォントがいっしょだもん
ヒントを一話一話読み返してたからあとがきにもなんかあるのかとは思ってたけどまさかまるまる1つの話だとはね…
全体的に完全に騙されたわけではなかったけど個々の話が叙述関係なく面白いし全編を通して読むとさらに面白い 短編集ならではの本だけど満足
一番好きなのは「背中合わせの恋人」です
「ちゃんと流す神様」
叙述トリック部分は騙されたには騙されたんだけどほんとに15歳なら窓から階を移動できるのか…?ってとこのが気になるぞ
あと不登校の人は学校行く気ない日は制服着ないと思うぞ
「背中合わせの恋人」
松本さんが別人なのにも気づけたしうすうす真相こうなんじゃないかって思ってたことが当たって嬉しい 普通に面白くて推理忘れてたからあてずっぽうなんですけどね
「閉じられた三人と二人」
そして誰もいなくなった風のクローズドサークルもの。叙述トリックにはあっさり騙されたけど驚きはない…かもしれない……
似鳥鶏「叙述トリック短編集」より「なんとなく買った本の結末」読了
シティハンターを思い出すな…って思ってたから真相を知っても驚くよりかは「だからか〜!」ってなった
にしても別紙さんは一体何者なんだ 同一人物なんだよね!?
「貧乏荘の怪事件」
いやあずるい!けど騙されたのは私が悪い!というかそもそも騙そうとしてはないな……私みたいな読者のことをよくわかってるなあと思いました
「ニッポンを背負うこけし」
別紙氏が同一人物でないことにはうすうす気づいていたしうーちゃんが羽海ちゃんって気づいてたけどまさか5人別紙さんがいて羽海ちゃんが全話に登場してるとは…いやあにくい
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にたどり・けいと読むそうである。初めて読む作家だが、手に取った理由は内容に興味を持ったからである。タイトルはずばり『叙述トリック短編集』。全編で叙述トリックを用いていると、大胆不敵にも宣言しているのである。
叙述トリックとは何か、ここで説明はしない。ミステリ好きならやられた経験があるだろう。自分自身、またこの手かよと何度思ったことか。当然ながら、作家は叙述トリックであると見抜かれないよう工夫する。もちろん宣言などしない。
敢えて宣言しているのは、見抜かれない自信があるのか、単におふざけなのか。過大な期待はせず読み始める。「ちゃんと流す神様」。事件(なのか?)そのものは無理があるが、そっちの方向で騙してきましたか。まあ小手調べかな。
本作中最も長い「背中合わせの恋人」。プラトニックな恋愛ものです、はい。こういう手は、読んだことあるようなないような。続いて短い「閉じられた三人と二人」。まだまだ中盤なのに、探偵コンビ絶体絶命か! と思ったら……。
「何となく買った本の結末」。これはネタを割りそうで書きにくいな。ミステリの宿命とだけ書いておこう。本作の一押しは「貧乏荘の怪事件」だろう。厳密に言うと、叙述トリックではないかもしれない。読者である自分がせっかちだっただけ。
最後に「ニッポンを背負うこけし」。これまでの5編は、この1編のための前振りと言っても過言ではあるまい。変わった人だなあとは思っていたけども…真相を読んで苦笑した。社会情勢をテーマにしている点でも興味深い。
「あとがき」がこれまた、はっちゃけている。最後まで呆れながら、しかし楽しく読ませてもらった。この企画に挑んだ似鳥鶏さんと、講談社に拍手を送りたい。おちゃらけているのは確かだが、根底にはミステリ愛がある。
叙述トリックを嫌う人もいるが、自分の考えとしては、うまく騙してくれればそれでいいと思う。ミステリ好きは、基本的に騙されたい人種なのである。活字ならではの可能性は、まだまだあることを示した作品だ。決して誇張ではない。
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ミステリの、中でも謎解きが大好きな人は読んでいてにまにましてしまうことでしょう。特に最初の作品は、叙述トリックの代表作へのオマージュで、これをここに置きますか⁈と嬉しくなってしまった。
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叙述トリック好きだけどだいたいいつもわからないので、この短編集も1つの話以外綺麗に騙された。トリックがわかった瞬間、脳がグルンと入れ替わって物語の匂いも変わるから叙述トリック作品は楽しい。そしてなんだか似鳥先生の話は読んでると優しい気持ちになるから良い。
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「全ての話に叙述トリックが入っています」と冒頭から作者が言い放つ短編集。確かにいろんなパターンの叙述トリックが使われていて、傑作も珍作もあり、総合的にはバカミスと紙一重だったが楽しく読めた。
叙述トリックを使いつつ犯人当てにもなっていた『貧乏荘の怪事件』がマイベスト。気を抜いていた訳では無いがあのトリックには盲点を突かれたな(^O^)。似鳥さんって結構技巧派だったんだね。
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表紙と帯からイラスト、あとがきに至るまで、トリック尽くし。
いきなり本文冒頭に読者への挑戦状を配し、これは叙述トリックを使った小説ですと宣言する大胆な連作短編集。
子供の頃にクリスティの名作で衝撃の洗礼を受けて以来、叙述トリック大好きな私。
それ故ミステリーに関してはすっかり重箱の隅をつつくような、引っかかった部分をパターンに分けて疑いながら読み進める癖がついてしまった。
「ちゃんと流す神様」に関しては事件そのものの方を疑い過ぎて「え、そっち?」となってしまったけれど、お蔭で「背中合わせの恋人」「なんとなく買った本の結末」「貧乏荘の怪事件」「ニッポンを背負うこけし」はトリックが読めて、そんな自分に拍手。
特に「こけし」でそこまでに抱いてきた疑念が正解だと分かった時は、叫びたくなる程痛快だった。
多分タイトルがこれでなければここまで穿った読み方はしなかっただろうけど。
出落ちな作品かと思いきや、分かったー!の爽快感も騙された!の悔しさも、どちらでも楽しい。
ちなみに濁点が要る、というのは今回初めて知りました…。
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この本はすべて叙述トリックが使われています。
これだけヒントを出してよく頑張ったなぁ、という感じ。叙述トリックとタイトル出さずに『名探偵別紙の事件簿』って名前にしたら、騙される読者も多かったろうに。
でもフェアであろうとする精神がすごい。
まあ作品中4作はヒントのお陰でわかりましたが。
カバーと帯も含めてけっこう好き。
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試みには喝采。前半はやや技巧に寄りすぎている感じがしたけれど、終盤ぐいっと上げてきた。たしかに「そこ」気になってはいたんだよなあと。でも、まんまとやられた(苦笑)し、最後の最後まで味わい尽くせた。似鳥さん特有の「注釈」はニンマリさせられたり、なるほどと思ったり。最終話が一番楽しめたけれど、「貧乏荘の怪事件」のずれた感じもGood。「カツ井か? カツ丼を食べれば白状するのか」
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まず帯が良いんですよ帯が。
こればかりは電子書籍には真似できまいザマァ!って気持ちになれる。
帯が無いとプレビュー通りの海が写ってる状態だが、帯を上に持ってくると何の変哲もない横断歩道に。そして真ん中の少女も別の人に。
裏表紙でも卵が孵化していたり割れてなかったり。楽しい。
本文のレビューだが、正直言って自分のように推理小説などで犯人を当てよう、トリックの謎を解こうと思って読んでない人にはあまりオススメできないかもしれない。
叙述トリックも何も、そもそも騙されていることすら気づいておらず、物語そのものを楽しんでいたよ!となると、「この本に含まれる短編には全て叙述トリックが仕込まれています」と言われても、「はぁ、そうですか」という感じ。
まあ、それでもなんとかどこで騙されているのか頑張ろうとはしてみたものの、結局自分にはそういう回路は無いなぁと思ってしまう結果に。
とは言え、面白く無いとかではない。登場人物自体なかなかクセのある人物が多く、読み物として興味深いことに加え、普通におお、そういうことだったのかというケースも多く、ニヤリとさせられる。
叙述トリックがあると分かっていても面白いとは、読書ってやっぱり面白いよね、と違うベクトルから楽しめる本ではある。
なので、トリックを解こうとがんばる人にも読んでもらって感想をもらってみたい。
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「全ての短編に叙述トリックが使われています」と明示した、作者から読者への挑戦状。あらかじめ明言することで、フェアな形で叙述トリックを読者に仕掛け、それでも読者を騙すことができるか挑戦している。
最初のトイレの話や、背中合わせの恋人は面白かった。トイレの話は仕掛けられた叙述トリックも最後まで分からなかったので、本のテーマ的にも良かった。
ただ、他の話は、トリックに気付くかどうかという以前に、そもそもこれは叙述トリックなのだろうか?と首をかしげたくなる話も。夢オチ的な結末のものとか。何も気づかずに最後まで読んだとして、「やられた!そういうことだったのか!」となるよりは、「しょうもないな〜」という読後感のものの方が多かった。読者を騙すことには成功するかもしれないけど、読者を感心させることは難しいのでは。
西尾維新『りぽぐら!』の時も思ったけど、こういった技術的な部分にフォーカスした作品は自分は苦手みたい。
ただ、時折入る注釈や文体やキャラクターは好みだったので、同じ作者が普通に書いた作品は楽しめる気がする。また別の作品を買って読んでみよう。
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「叙述トリック」とは本ならではの楽しみ方。この響きがまた読者側の騙されないぜ感を煽ってくる。
そんな叙述トリックが好きなのだが、この作品は「これが叙述トリックですけど解いてみろや!」的な、なんとも傲慢な似鳥鶏氏の挑戦状であった。しかも「ヒントも出してやってるのに解けないの?っは?」的な威圧感すら感じてしまう。「…っち」と思いながら読んでいたわけだが…結局敗北宣言。完敗。読む前からトリックがあることを喚起されていてもこの体たらく。別紙の奴め…と憎しみすら覚えてきた。
まぁそれが楽しいんだけど。脳が活性した。
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すべての短編に叙述トリックが仕込まれている!と明言された前代未聞の革新的短編集。
性格上なかなか何を言ってもネタバレになってしまう本作ですが、いやこれは面白かった。
端々に違和感を忍ばせて、きちんとそれがヒントになっているあたりミステリ初心者にも優しい。
大枠でミスリードしている分、細かいところは親切というか。
特に好きなのは、貧乏留学生ばかり集まる超貧乏長屋で中国人の李君の部屋から「海参」が盗まれるという事件。1本千円で売れて日本人も食べるという壺に入った「海参」って何?という主人公と読者の共通疑問が最後まで解決されないところが素敵。海参ってなに?
あとがきも面白かった。あとがきが面白い作品は名作です。講談社本社ビルの庭園ではキリンが飼われています。
叙述トリックが含まれる作品すべてに言えることだけど、読み返しがまた面白い。読み返すのが面白い作品、好き。
似鳥鶏の本はいくつか読んでいるけど、軽妙で読みやすいところが好き。いつの間にかたくさん本を出しているから改めて追いかけたいなあ。
あと表紙が石黒正数でうれしい。
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*注意! この短編集はすべての短編に叙述トリックが含まれています。騙されないよう、気をつけてお読みください。
本格ミステリ界の旗手が仕掛ける前代未聞の読者への挑戦状!
よく「叙述トリックはアンフェアだ」と言われてしまいます。これが叙述トリックというものの泣きどころです。
では、アンフェアにならずに叙述トリックを書く方法はないのでしょうか?
答えはノーです。最初に「この短編集はすべての話に叙述トリックが入っています」と断る。そうすれば皆、注意して読みますし、後出しではなくなります。
問題は「それで本当に読者を騙せるのか?」という点です。最初に「叙述トリックが入っています」と断ってしまったら、それ自体がすでに大胆なネタバレであり、読者は簡単に真相を見抜いてしまうのではないでしょうか?
そこに挑戦したのが本書です。果たして、この挑戦は無謀なのでしょうか? そうでもないのでしょうか?その答えは、皆様が本書の事件を解き明かせるかどうか、で決まります。(「読者への挑戦状」より一部抜粋)
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叙述トリックだと明言した上での読者への挑戦である。そう思って読むからトリックに気づくものもあれば、知らずに読んでも気づけるものもある。叙述トリックにこだわるあまり、無理やり感が拭えない場面もあるが、まあそれはそれでありだろう。仕掛けは面白いが、物語的にはもう一歩、といった一冊である。
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叙述トリックまとめの短編集ではあるんだけども、基本的には全編似鳥さんのあとがきみたいな話だった。ので、似鳥さんのあとがきが好きな人は好きだと思う。そして私は似鳥さんのあとがきを読みとばすタイプなのである。好みはともかくとして、アクロバティックな叙述トリックが多い。そして細かい。細かい部分までしっかり読み込まないとついていけなくなるんだなと反省はした。