投稿元:
レビューを見る
地の文と会話文が入り混じっていて読みにくかったが、なんとか読み通した。
「踊るホワイトハウス」「トランプ政権狂騒曲」とでも副題を付けたくなるような、トランプの気まぐれと激しやすい人柄に振り回される閣僚や側近が描かれている。
最初の登場人物紹介がすでに圧巻。ほとんどの人の任期が半年以内。
トランプは認知症とかじゃないのかな…。
投稿元:
レビューを見る
トランプ大統領の発言や政策は無茶苦茶に見えることが多いし、政権スタッフもしばしば入れ替わり、娘や娘婿が影響力を行使するなどガバナンスにも疑問がある。
それがなぜなのか、ということが本書で明らかにされている。まともというか、優秀なスタッフもかなりいるが、ナバロとかロスといったろくでもない者も紛れ込んでいて、それがトランプ大統領自身のポピュリスト的な発想と相まって、世界を混乱に陥れるような政策を打ち出しているということだ。それにしても、このトランプという人物はいったい何なんだろう。ビジネスで成功と失敗を繰り返し、かなりの資産を築いているのだから、頭脳も度胸もないわけではないだろうに、テレビばかり見ているとか、幼稚な発想とか、自説への固執とか、忘れっぽさとか、子どもと老人が同居しているかのようだ。これが超大国の大統領とは驚くばかりだ。
日本との関係、特に安倍総理についての言及がなかったのが日本人としては残念なところ。
投稿元:
レビューを見る
ドナルド・トランプは、確かに“恐怖の男”である。
著者の意図的には、ドナルド・トランプが、恐怖を武器にして、様々な人々を操ったり、様々な国を恫喝したりと言う事を言わんとしているのだと思うけど、私的には、文字通りドナルド・トランプは『リアル恐怖の男』だなと思います。
日ごろニュースを見ていても、なんとなくは感じているけど、この本を読むと、本当に何も知らない、思い込みの激しい、無能な人間が、何千発モノ核兵器をもつ国の国家元首であることに【本当に】恐怖を覚えました。
投稿元:
レビューを見る
・トランプ大統領は、海外の同盟国の重要性や外交の価値を理解していない。
ー「北大西洋条約機構( NATO )」は、欧米諸国の結束の基礎だと多くの人は考えているが、大統領選挙運動の際、トランプはNATOを批判した。批判の根拠は金。GDP(国内総生産)の2%を防衛費として支出するという加盟国の目標に対し、ドイツは1.2%だったことを問題視した。
ートランプは、在韓米軍に年間35 億ドルも支出していることに激怒し、撤退を口にした。駐留国が金を出さないなら米軍は撤退させる。平和な世界秩序を維持するのは、アメリカの利益ではない、と考えているかのよう。
・トランプは、一瞬のひらめきで物事に対処し、その場の勘で行動することを好む。即興で工夫するのが自分の強みだと思っているかのよう。
・トランプがツイッターで誰彼なしに攻撃することを懸念する側近らは、ツイートする際、事実関係は正確か、筋が通っているかなど、校閲することを提案した。トランプはこれを認めたが、校閲のほとんどは無視し、好きな通りにやった。
・トランプは、ツイッターについて、「これは私のメガホンだ」と言う。フィルターを通さずに、国民に直接、語りかける手段として効果的と考えている。
・トランプは、北朝鮮の最高指導者・金正恩を、ツイッターで激しく非難する。それは「弱さを見せてはならない」と考えるから。「どちらが意志が強いのかの競い合いだ。リーダー対リーダーではそれが重要だ」と彼は言う。
投稿元:
レビューを見る
いろいろ報道されてきた内容から、ある程度の情報は得ていたが、トランプ大統領がここまでひどい人物なんだと認識を新たにした。
トランプの支持率が大きく下がることがない理由が理解できない。見たいものを見て、聞きたいことのみ聞く、異論には耳を貸さず、フェイクニュースとして一顧だにしない。
弾劾裁判で何とかクビに出来ないものか。
投稿元:
レビューを見る
ある程度予想していたこととはいえ、このような幼稚な人物が大統領になれてしまうシステム、それを利用しようとする人達の多いこと、逆に行き過ぎから国を守ろうとする人達もいてある程度自浄作用が働いていること、など興味深く読んだ。大統領権限がとてつもなく大きく、キャリアを築くためとはいえ、自分だったら、この人物とは仕事はできない。良くも悪くも、アメリカは大統領が国を変えることができるので、日本とは大違いだ、というのを再認識した。
投稿元:
レビューを見る
トランプ政権2冊目。1冊目がトランプ政権に賛同的な本だったので、反対サイドっぽい本を選びました(つもりでした)。
感想。反対サイドではありそうだが、だいぶ政治寄りで、かつストーリー仕立てで前回大統領選前から始まる内容は、予想していなかった。私はトランプ政権&その下での経済についての評価を端的に学びたかった。
本書は、トランプの人柄がよくわかり、それを押さえ込もうと苦労されている様子もよくわかり、その実態がFEARなのもわかって、全米大ヒットの暴露本?なのだろうが、私が読みたかった内容では無く、私の選択ミスでした。
そのため読み飛ばしただけです。
投稿元:
レビューを見る
流石ボブ・ウッドワード作品で、緻密な取材と分析力だ。改めてトランプの選挙とその後の政権運営の出鱈目さを認識した。反知性主義も極まれり。早くこの男が政治舞台から消えることを深く望む。
投稿元:
レビューを見る
ボブ・ウッドワードが描くトランプ大統領像。
2016年末の大統領選挙においてヒラリー・クリントンを破って大統領となったトランプ。
ウッドワードは彼がもつ数々の情報源から得た情報を基に大統領選前後のトランプと、彼を大統領にしようとした人たち、そして当選後のホワイトハウスにおけるトランプと、彼の閣僚や側近たちの動向を詳細に描き出している。
ちなみに読んでいて、あまり意外性はない。というのも、報道されるようにトランプ大統領は高圧的であり、気まぐれであり、ナルシストであるというトランプ像がほぼそのまま出てくるからだ。
明らかになってくるのはトランプの中には彼の感じているアメリカ像、世界の中でアメリカが置かれている境遇、あくまでも彼が感じている境遇がある。すなわち、超大国として頼られる国であり、時にあまりにも頼られすぎ、他国が果たすべき責務までを背負いこまされているアメリカ。本来はもっと強く威厳があるはずなのに、他国から食い物にされているアメリカだ。
彼の側近には彼のアメリカ像に共感し、それを変えようとする、すなわちアメリカ・ファーストを進めようとする陣営と、そのように見えるのは国際関係の中で各国と協調しているからであり、アメリカがその役割を変えようとすることは逆にアメリカの不利を招くとするグローバリスト陣営だ。
トランプは前者の陣営の声を代弁することで大統領になったが、ある意味それはあくまでも彼の思い込みの中でのアメリカ像だ。トランプは一人の無知な少年で、二つの陣営に分かれた大人たちから、それぞれの主張を聞かされるといつも彼の主張が揺れ動くように見える。それ故にマスコミから「ぶれている」と喝破されると動揺して激しく抵抗する。
そしてその動揺を側近たちの責任として叱責する。
その繰り返しがホワイトハウスの中で絶えず繰り返されている。
ちなみに、安倍首相はトランプとの信頼関係を強く強調していたが、この本の中で彼の名前は出てこない。日本という国名も数回、片手程度しか出てこない。
アジアで取り上げられるのは中国と北朝鮮と韓国だ。
中国に対してはアメリカを貿易赤字に陥らせている国として攻撃するものの、中国が北朝鮮に対して制裁に出たのは自分と習の信頼関係のおかげだと信じている。
北朝鮮は核実験を強行し、そのミサイルがアメリカにまで届くようになりつつある脅威として。
韓国はその北朝鮮からの攻撃を検知する重要拠点という位置づけだ。アラスカの基地からでは北朝鮮からミサイルが発射されて15分後にならないと検知できないが、韓国からは数十秒後に検知が可能だ。しかし、トランプの口から韓国の名前が出てくるのはその軍事上の重要性ではなく、韓国が在韓米軍の維持にお金を出さないことに対する不満が原因だ。何度も何度も韓国が金を出さないなら、韓国に駐留している米軍を引き上げさせろと主張しては側近から止められ、韓国との同盟の重要性を説明されるということが繰り返される。
そう、日本の名前がトランプの口から出てこないのは、日本がお金を出し、アメリカの意見にも抵抗しないからなのだ。
投稿元:
レビューを見る
2年前の著作をようやく読み終えた(ボブ・ウッドワードは最近またトランプに関する著作を発表したばかりだ)。
命令書を大統領のデスクから、側近がサインされぬよう持ち去る、という衝撃のプロローグにはじまり、選挙戦からトランプ政権前期の混乱が克明に書かれる。
それにしても克明である。「ディープバックグラウンド」インタビューで構成されるトランプ政権の恐ろしさ。
トランプ氏は本書にも言及があるとおり、元々大統領になる気などなかったのだろうとは思う。その立場に立たなければ幾らでも言えることがあるからだ。責任を負うことに関して、彼は無頓着であると感じる。
思いつき、思い込み、忘れっぽさ、気まぐれ、そして「嘘つき」と称されるその態度。プレゼンは聞かない。あくまで意思を通すことが「強さ」だと考えており、Twitterで「生の声」を伝えることを好む大統領。そして「強さ」を履き違えている節がある。本書を読む限り、トランプ氏には凡そ堪え性がない。そして、その道の専門家がいくら説いても聞かないあの頑なさ。「嘘だ」「でたらめだ」の多さ。説得が通じない男、トランプ。
政治というのは本当に一筋縄でいくものではないと思わされる。理想を邁進していけるのは恐らくフィクションの中だけで、政治はもっと泥臭く地味で報われない。一刀両断で何もかもは解決しない。しかしトランプ氏はそのことに気づいていないか無視している。そういう意味では、政治がよくわからない一般市民に感覚が近いと言えるのかもしれない。分かりやすく単純な言説は、一定の高評価は受けるものだ。しかし、それを選ばない理由は沢山あるのだ。
指揮系統の混乱ぶりも酷く、多くの側近がトランプ氏の元を去る。加えて家族が政権に入り系統も何もなく直談判する。
個人的にはよく4年もったな、という感じだが、しかし間もなく行なわれる大統領選挙もどうなるか全く分からない。トランプという人を変えるのは無理だろう。しかも彼は抑え込めない。これからの4年、どうなるのであろうか...。
トランプ氏のテレビ好きエピソードはさもありなん、という感じであった。ある意味メディアに掻き乱され過ぎているともいえる。
投稿元:
レビューを見る
大統領選投票日の前日に読破。トランプ大統領は、ビジネススクールで教えるリーダーとは異なるが、意図的に突拍子のない行動をしているのではと感じさせられた。読み始める前は、トランプへの否定的なスタンスの記述を想定したが、ビジネススクールや軍隊で型通りのマネジメントを学んだスタッフへの皮肉的な目線もある。これがトランプの強さかもしれないと感じた。さて、明日の結果はどうなるであろうか。
投稿元:
レビューを見る
トランプ自身と当時の政権内部が垣間見える。米国の大統領という世界一ともいえるポジションについたリーダーにとって正しい目的とそれを実現する手段が如何に大切かを考えさせられる一冊。
上記を踏まえて印象的な一文。
・真の力とは恐怖だ。力で肝心なのはそれだけだ。弱みを見せてはいけない。つねに強くなければならない。脅しに負けてはならない。それ以外のやり方はない。
投稿元:
レビューを見る
いやはやテレビくらいしか見ない阿呆なトップに引きずり回される俊英たち。
民主主義制度の怖さを思い知らされる。
浅はかな知識と思い込み、更には意思決定の仕組みの複雑化でアメリカが4年間に失ったものは大きい。それでも経済活動はGAFAを中心として世界に君臨する強さのエネルギーはこのカオスからなのか?興味はつきない。