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ジャーナリスティックな視点で日本の製造業の現状と問題点を俯瞰したところで著者の本業であるSE/コンサルタントとしての経験と実績からデジタライゼーションの進め方を伝授します。
先ずは総合設備効率を活用した見える化、そして設計製造連携による競争領域のデジタル化、更にははソフトウェアとハードウェアの融合による新たなビジネスモデルを創造と段階を踏んで丁重に解説します。
製造業のITの基本からディープラーニングまでを一気通貫する凄本にも関わらず難しい表現が一切無く平易な文章で読みやすいのがまた素晴らしいところです。
まぁ、これはどうでも良い話ですが、私がプログラマ一年生の時、製造ラインの管理システムに携わったことがあり、不良品が一定数連続するとパトライトを点灯させるプログラムを書いたことがあります。この「パトライト」が社名でもあったとは本書で初めて知りました^^;
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世界はすでにものづくりのデジタル化に取り組んでいる。典型的な例がドイツのインダストリー4.0だろう。インダストリー4.0の特徴
・人件費の高いドイツで国内製造を維持するには生産効率を上げ、低コストでマスカスタマイゼーションを実現する仕組みが必要となる。
・設備、センサー、コンピュータを低コストで接続するための仕掛け、標準化が必須。
・デジタルツインでのシミュレーションにより、稼働時間の制約から解放。
・IoTによる製品のソフトウェア化サービス化によるビジネスモデルの変革。
これらはどれもドイツ製造業のアメリカITに対する危機感の表れである。近年の製造業の生産性に関する研究では、IT投資によって企業間で差が出ているという。
製造業が取り組むべきデジタル化とは、1.業務領域のデジタル化、2.競争領域のデジタル化の2つである。環境が整っており、取り組みやすい製造工程の見える化から始めるのが良い。原材料や部品、中間財などのもののトレーサビリティと、設備や作業者、手順などの製造環境のトレーサビリティを取ることにより、故障不具合の原因究明やオペレーションの効率化つながる。
ー以下、メモー
製造業こそデジタル化に取り組むべきとの議論はすでに尽くされている。効率化の面では日本企業は上手に進めているように見えるが、一方でサービス化やソフトウェア化の面ではうまくいっていないように思う。コモディティ化した製造業から一歩抜け出すには、ITとの融合が欠かせない。
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これまで日本の製造業はハードウェアが強く、ソフトウェアが弱いと言われてきた。
逆に言えば、ハードウェアが強いのだから、IoTの技術を徹底的に活用してデジタル化を進め、ものづくりデジタライゼーションを実現することができれば、日本のモノ作りは再び世界で優位性を取り戻すことができるはずである。
ERP Enterprise Resource Planning
直訳すると企業資源計画。
人を管理する人事管理、物を管理する在庫管理、カネを管理する販売管理など、1つのシステムでまとめた管理することで、一つ一つばらばらのシステムを使うよりも全体の効率化が可能になる。
マスカスタマイゼーション
スマートファクトリーの理想像とされるマスカスタマイゼーション
コンピュータを利用した柔軟な製造システムで特注品を製造することを指す。
低コストの大量生産プロセスと、柔軟なパーソナライゼーションを組み合わせたシステムである。
エンジニアリングチェーン。
これはサプライチェーンとの対比で使われる。
製造プロセスにおける設計部門を中心とした業務の連鎖を指す言葉である。
企画構想⇒製品設計⇒工程・設備設計⇒生産準備までの一連の業務が該当する。
デジタル化のボトルネックは設計部門にある。
個人や特定部署がエクセルなどを使って作成した、ばらばらにコンピューターに入っている情報については、それを使いたい人が再利用できる形に変えることにより、初めてデジタル化した情報として扱うことができる。
現状工場にあるデータをきちんと収集分析する仕掛けを作るだけで、デジタル化の第一歩を踏み出すことができる。
データは21世紀の原油。
Iot技術に興味があっても使用を創れる人材は希少。
ITベンダーから提案を受けても価格や機能の妥当性は判断しにくい。
世界のものづくりは最先端のデジタル技術を活用して、モノからコトへと、サービスを中心としたビジネスモデルへと変わろうとしている。
製品の売り切り型から、サービス型に変えるなど。
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製造現場のデジタル化やPLM、原価管理など、デジタル化の管理のポイントが一通りまとめられていた。さらっと読める。かなり概念的なので、あまり分かった気にはならないが、全体像を把握するのにはいいかもしれない。McFrameのステマの部分が多い・・