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人間の欲を利用した詐欺。
リピートするのは相当にリスクがありそうですが、ルパンのように変装もするのかな?
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身内がこういう事件にあったので興味を持ちながら読みましたが…
本物の地面師はこんなもんじゃないっすよ…
犯罪と犯罪者の詳細を書くのは何か憚られるのかもしれませんが、地面師という犯罪集団の手口や犯行の詳細は思ったほど解説されていませんでした。
また事件の容疑者や犯人と面識があるというわりには、作者はその人物を全くといって描いてはいません。
どこかうさんくさいハイこの話終わり、みたいな適当な記述もありました。
そのわりに罪を問われた詐欺師の自分も被害者だというような類いの戯言にはページを割かれていました。
胸くそでした。
登場する地面師という犯罪者も捕まるどころか不起訴になったりそもそも逮捕もされない外道ばっかりで、警察も無能、検察も無能、被害者もアホ、読み終わってもカタルシスも何もありませんでした。
何を読ませたいのかわからない本でした。
飲み屋で嘘松ジジイに聞かされる話なんて本当でも嘘でもどうでもいい。
早く終わって欲しいだけ。
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【感想】
まるでドラマのようなプロットだ。
地面師による60億円の詐欺事件が発生したとき、そう思わざるをえなかった。不動産業界の巨人である積水ハウスに堂々と偽の契約を掴ませるなんて、どんなカラクリだと興奮したのを覚えている。
本書は、2017年に約60億円をだまし取られた地面師詐欺事件「積水ハウス事件」を徹底解剖し、犯行グループである地面師たちの実態を追う一冊である。富ヶ谷事件や世田谷事件などの複数の現場に関与しては、不起訴処分になって釈放されていく「内田マイク」と「北田文明」。彼らを逮捕するべく複数の事件を横断的に捜査する警視庁。暗躍する地面師集団、巧妙化された手口、被害者らの供述など、まさにドラマ顔負けのストーリーが展開され、読みごたえは満載だ。
事件当時から「何で積水ハウスレベルの会社が騙されたの?」と感じていたが、小山操(のちのカミンスカス操)に言わせれば、「積水なんてちょろいもん」だという。確かに終わってみれば積水側にだいぶお粗末な点があったが、それ以上に、地面師側の手口が巧妙すぎる。地主になりすます役者を面接で採ったり、ダミーカンパニーをあいだにかませて捜査をかく乱したり、パスポートや印鑑証明を偽造したりと、まるでスパイ映画のようだ。なんと公証人にまで偽地主が本物だと信じ込ませ、公正証書を作らせてしまうのだ。多少疑わしい部分があっても、本物の弁護士や本物の公証人が出てきてしまっては信じざるをえない。地面師側も結構ずさんな点があった(パスポートの生年月日と印鑑証明の生年月日が違う、なりすまし役の発言に齟齬があるなど)が、もし自分が担当者であっても「まぁ書類は揃ってるから本物で間違いないだろう」と思ってしまうに違いない。
そのような統率力で地面師たちは次々と犯行に及び、それを立件するべく警視庁が捜査網を広げていくのだが、本書での事件の殆どは警察側の敗北、つまり「不起訴」に終わっている。捜査が実を結んで犯行グループを摘発した事件もある反面、ほとんどは捜査が難航して立件にいたっていない。内田マイクも、浜田山以外の事件では不起訴処分に終わっており、数年後には一般社会に舞い戻ってくるそうだ。あらためて、詐欺事件で立件して有罪を勝ち取ることの難しさを知った。
事件の全貌と積水ハウス社内の問題点については、次のサイトが詳しい。本書を読む前に参考にするとよいかも。
https://www.d-quest.co.jp/topics/20210406-1
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【まとめ】
1 「地面師」と積水ハウス事件
2017年6月1日、事件はJR山手線の五反田駅から徒歩3分、目黒川を渡ったところにある旅館「海喜館」で起こった。不動産代金を払い込んで売買契約が成立したはずの積水ハウスの社員が、古くなった建物の取り壊し準備を始めた矢先の出来事だ。とつぜんパトカーがサイレンを鳴らして駆け付け、周囲が大騒ぎになったのである。積水ハウスの担当者と警察、地主の海老澤佐妃子から依頼された弁護士が海喜館の前で鉢合わせ、偽の地主から土地を購入していたことが発覚する。地面師グループの犯行であった。
地面師とは、他人の土地を自分のもののように偽って第三者に売り渡す詐欺師である。
概して地面師の犯行グループは、10人前後で構成されていることが多い。犯行計画を立てる主犯格のボスを頂点にし、なりすましの演技指導をする教育係やなりすまし役を見つけてくるのが「手配師」。パスポートや免許証などの書類を偽造する役割の人間を「印刷屋」や「工場」あるいは「道具屋」と呼ぶ。その他、振込口座を用意する「銀行屋」や「口座屋」、さらには法的手続きを担う弁護士や司法書士の「法律屋」にいたるまで、それぞれが役割を分担して犯行にのぞむ。犯行グループのボス格が「内田マイク」と「北田文明」であり、彼らは常に計画の中心にいて、犯行の指揮を執ってきた。目下、東京都内で起きている地面師事件の多くに関係しているとされる大物地面師である。
内田らはまず、地主の海老澤の個人情報を集めるべく、旅館の脇にある月極駐車場の契約を海老澤と結んだ。次にニセ海老澤佐妃子を手配し、海喜館を担保に高利貸から2億円を引き出した。最初は海喜館の売買よりもなりすましを使った融資詐欺を目論んでいたのだ。しかし、その途中で高利貸への返済のためには海喜館ごと売買するのが手っ取り早いことに気づき、積水ハウスに話を持ちかけた。
本物の海老澤の容態が悪化したのは、2017年2月13日のことだったという。このあたりから、地面師グループの作成したニセ海老澤のパスポートや印鑑証明が不動産屋に持ち込まれる。多くの不動産屋は町内会などに海老澤の写真を確認して「おかしい」と気づいたものの、積水ハウスは違かった。
ニセの海老澤と海喜館の売買予定契約を交わし、法務局で登記簿に仮登記したのが、「IKUTA HOLDINGS」である。犯行グループが売買の仲介窓口として設立した会社だ。積水ハウスと売買する前に偽の地主とIKUTAの間で土地の売買契約書を作成しておけば、それをもとに積水ハウスの信用を得ることができる。また、あいだに法人を一枚かませることで、バレたとき関係者を逃してうやむやにすることもできる。
偽の契約が進んでいく中、5月10日に「積水は騙されている」と記された内容証明郵便が積水ハウス本社に届く。差出人は海老澤佐妃子となっており、海喜館を連絡先としていた。「相手は佐妃子のなりすましなので取引を中止せよ」という内容だ。
積水ハウスは中身の真偽確認をしないまま怪文書扱いし、契約締結を行ってしまったのだった。
事件が発覚したあとの8月2日付の積水ハウスの発表によれば、2,000平米(およそ600坪)の土地をはじめとした一連の不動産取引総額は70億円にのぼる。うち積水ハウスは63億円をニセ地主に支払い、最終的に55億5,000万円もの大金をまんまと騙し取られたのである。紛れもなく、これまで類を見ない史上最大の地面師詐欺であった。
2 地面師の頂点に立つ男
内田マイクは都心の地面師詐欺事件の多くに関わってきた犯罪集団のボスである。地面師集団は、新宿や池袋、錦糸町などの駅前の喫茶店やホテルにたむろしてきたため、当時、警視庁は「新宿グループ」や「池袋グループ」「総武線グループ」(別名・錦糸町グループ)などと名付けた。内田は池袋グループの頭目として逮捕され、その名が知られ���ようになる。
内田マイクが地面師として暗躍するようになったのは、バブル期ではなく90年代末から2000年代前半のIT・ファンドバブル期だ。新興のマンションデベロッパーが乱立する中、内田はいつしかマンションデベや暴力団関係者と接点を持つようになり、地上げを手伝うようになった。
警視庁のある捜査幹部は、内田についてこう分析している。
「地面師詐欺は地価が高騰してきた東京でここ数年、頻繁に起きているが、摘発できているのは氷山の一角というほかない。その地面師がらみの多くの事件で、マイクは何らかの足跡を残していると言われています。まさにスター地面師といえるでしょう」
地面師集団の犯行の第一段階は、地主の情報をかき集め、なりすましやすい資産家の物件を物色すること。第二段階は、ターゲット物件の地主と年格好の似たニセ地主役を仕立てることだ。
万一、なりすまし役が逮捕されても、当人に捜査が及ばないように、手配師と企画立案者は別々に動く。いざ捜査の手が伸びたときでも「地主が本物だと思った」と言い訳し、善意の第三者を主張するのだ。
地面師は暴力団を金主にして活動資金を得ているケースが多い。それは言い換えれば、彼らの資金を運用する役割を担っていることにもなる。ときに暴力団の末端組員が犯行に加担する場合もあるが、それはむしろ稀なケースかもしれない。地面師たちの活動資金を用意する暴力団の幹部たちは、あくまで闇金融業者的な役割にとどまる。
3 何故被害は止まらないのか
なぜ、不動産取引の知識豊富なデベロッパーが、こういとも簡単に騙されてしまうのか。
買い手の不動産会社と司法書士の力量不足もあるが、単純に詐欺技術の高度化が一因である。最近の地面師たちは不動産取引に必要な書類を偽造するというより、同じ物を作れる。たとえば印影さえあれば、3Dプリンターを使って実印を作り、本物と見分けがつかないほど精巧な書類を偽造する。また偽の実印を使って改印し、新たな印鑑証明を作り直す。そうした行為を繰り返せば、どの時点で書類が偽造されたかわからなくなる。
加えて、取引に本物の弁護士が登場することも簡単に騙されてしまう原因だ。都内の弁護士は過当競争であるため、地面師に雇われて金を稼ぐ弁護士もいるという。
地面師詐欺では、はじめに不動産ブローカーや事件師が蠢き、そのあと小さな仲介業者が出てきて実際に開発を手掛ける大手不動産業者に物件を売り渡すパターンが多い。そうした中間業者がいくつも登場するケースもあるが、最初の不動産ブローカーを含めたそのなかの誰かが、なりすまし犯を仕立て上げる地面師である。もっともいざ事件として発覚すると、そこにかかわった登場人物の多くは、自分たちもニセ地主だと気づかずに騙された被害者だと主張する。
数ある警視庁管内の地面師詐欺のなかで、捜査当局が摘発できても、逮捕した犯行グループ全員を起訴に持ち込むケースはほとんどない。その理由はさまざまだが、一つには犯行グループには、単なる口座貸しや見張り役といった比較的関与の薄い人物が紛れているからでもある。また、警察や検察が事件の全貌を詰めきれず、主犯を取り逃がして事件を矮小化してしまう傾向もある。した���って逮捕時より、起訴する人数が大幅に減るケースが散見される。なかにはかなり重要な役割を担っている犯人でさえ取り逃がすことも少なくない。その一つに計画の根幹を成す「なりすまし役」がいるが、なりすまし役を逮捕しても、認知症予備軍の高齢者であったりするため、証言能力に乏しいケースが少なくない。それはとりもなおさず捜査当局の敗北なのだが、それもまた地面師事件の特徴の一つともいえる。
地面師事件では、何億、何十億という現金を手にしてきた犯人が間違いなく存在する。しかし、仮に何人かの犯人が捕まっても、肝心の金の行方は杳として知れない。黒幕や頭目が罪に問われることもめったにないのだ。
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オレオレ詐欺で稼ぐような額がちっぽけに思てしまう額なので驚いた
そんな簡単になにもかも偽造できちゃったら対抗できんやん
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土地や建物に関わることがあって、興味があって読んでみた。
他人の土地を無断で販売するという詐欺を行う人、「地面師」が起こした実際の事件について書かれている。
「地面師」という言葉は五反田の積水ハウスの事件で初めて聞いた。他人の土地を無断で販売するなんて可能だろうか?と疑問だったが、そういうやり方なんだと初めて知った。まさしく「裏社会」である。
資産家の家に生まれついて働かず生活できれば羨ましいが、資産管理には向いている人と向いていない人がいるとは思う。