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酒問屋の放蕩息子 央介はイオの目を見つめることができない。そんな自分を恥じて自分なりの後始末をする。そして他の人や事件と出会っていく。
イオが生まれた里の不思議、縛りようなものの事ももう少し知りたかった。
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人の罪を映し出す目を持った少女イオ。
イオと出会ったことで、己の罪を悔い改め、更生の道を歩んでいく酒問屋の跡取り息子・央介。
イオが央介に寄せる信頼、二人の絆が微笑ましいな~と思って読んでいたら、話が思いもよらない方向へ。
睦月草に宿っているのは神か、はたまた人の生血を啜る魔か、、、。
イオが目覚めた世界が央介と共にあることを願っています。
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不思議な目を持った少女と、彼女によって改心させられた酒問屋の跡取り息子が繰り広げる時代小説とファンタジーとの融合小説。
ほのぼの系で推移するかと思いきや、後半は彼女の出生地での哀しい顛末を迎える。
睦月神がいるというその地は、不老不死の里?!
そこでの里長の言葉に、同感する女性もいるのでは。
「女子が何故、美しくあらんとするか。なぜ老いを恐れ、若くあらんとするかーそれはな、男が絶えず、若く美しい女子を求めているからよ」
「老いという誰もが直面する現実は、女から美を遠ざけ、子を産むという役目すら奪う。女としての価値を失ったとたん、男は見向きもしなくなる。女は誰しも、その不安から逃れることができない」
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人の罪をその目の映し出すという不思議な目をもった、睦月神の里からきた睦月童のイオと日本橋の下酒問屋の跡取り息子、央介の物語。最後に向けての加速度が素晴らしく、一気読み。人々がイオの目に見出すのは本当に罪なのか、睦月神とはなんなのか、最後は西條さんのデビュー作を思い出すファンタジーテイストだったけど、央介とイオの絆が救い。
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異能を持つ睦月童が江戸で起きた事件を解決する人情ファンタジーかと思いきや、後半は予想外の壮大な展開に一気読みでした。
最後の締め方が難しそうな内容なのに、流石は西條さんという絶妙な塩梅です。
こういった話はやっぱり東北地方が似合う。
柳田國男氏の世界を味わいに一度は訪れてみたいです。
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和風ファンタジー。
読んでいて美しい情景が目に浮かびます。終盤のイオがどうなのるのか少しモヤモヤした展開でしたが、央介がいる時代に目覚めてほしいです。
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睦月童(むつきわらし)
著者 西條奈加
PHP研究所
2015年3月10日発行
江戸時代のファンタジー小説。
睦月童とは、座敷童のことらしい。
長編小説だが、7話からなっていて、4話までは一話完結的な展開で、ミステリー小説。後半は、ファンタジー的な展開と締めくくり。
江戸・日本橋の酒問屋の主人が、岩手・盛岡郊外の山里から1人の少女を預かってきた。1年間、預かるという。七つぐらいに見えるイオという少女。
東北弁の素朴なかわいらしい子。しかし、彼女を見ていきなり手代の一人が腰を抜かす。彼女の目が金色に光っているという。そして、店の金3両を着服したことを白状する。
次に金色の目に腰を抜かしたのが主人の息子。よくない仲間と三人でつるみ、夜遊び。ある時、湯島のおもちゃやの老主人ともめて、復讐しようと、当時、周辺を恐怖に巻き込んでいた強盗団のふりをしてその店に盗みに入って金を盗んだ。
やましいことがある人間だけに、イオの目が恐ろしい金色に見える。イオがいうには、見る人の心を映す鏡なのだという。
息子は、反省し、その店の手伝いをしてお詫びをする。
時間とともに、老主人も心を開いて許してゆく。
ここまでが1話。ミステリー仕立てで、最後の締めくくりがほのぼのととてもうまい展開。
江戸平民の物語は、おもしろいものが多い。侍もの、捕物帖とはひと味違った癒しの世界がある。この小説も、そういう意味で抜群、とてもおもしろい。
2話は、夜鷹の話。幼いイオに夜鷹の働く姿なの見せたくないと配慮しつつ、夜鷹を恐怖で襲うひとだま話の真相追及をするが、イオがその不思議な力で解決の糸口を見つける。
これも、病気の亭主の薬代を稼ぐために夜鷹に身をやつした女に、ある男がほれて、夜鷹をやめさせようと仕組んだことだとわかる。やっぱり、ほのぼの話。
しかし、イオの目が金色に見えるのは、単純にやましいことをしている人間ではなく、やましいことをしている自分を心の中で責めている、良心を持った人間であることが分かってくる。根っからの悪は、イオの目を見ても動じない。
5話から、様相は変わってくる。
もと遊び人の酒問屋の息子が、イオをつれて、イオの里に行くという展開になる。そこには、地下で暮らす女性たちが。子供を産むと同時に死ぬが、産まなければ不老不死の女性たちばかり。それを、ある武士が絶滅させようと目論む。
理由は、人間が行ってきた環境破壊に起因する。
前半の話は抜群におもしろい。短編的。
後半の展開は、長編的。意味は深いが、前半と趣が変わりすぎて少ししんどいかもしれない。
ただし、この西條奈加という作家、非常に注目すべき人。
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最後まで読むと、どことなくホラーな感じもしないでもない。
ほとんど呪いのような睦月神の因縁が、きっちり千切れてしまうことを祈る。
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罪を映し出す眼という異能を持った女の子との出会いから始まります。
彼女を通じてのあれこれを描いた連作ものと思いきや、異能の女性を生み出す秘密に鋭く切り込んでいく物語になっていきます。
裏のテーマは、女性の生でしょうか。
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2019年第1刷、PHP研究所のPHP文芸文庫。全7話。江戸時代を舞台にしたファンタジー。ファンタジーでよくある最後に強敵が出てくるパターンかと思ったが、少し変化球だった。もっとも力がある神の正体なんかは完全にファンタジーかな。日本を舞台にした完全ファンタジーものは私にとっては初めてかもしれないが、時代小説として読みなれている舞台だけに違和感を感じると無理かもしれない。その点、これは舞台装置としてうまくできてると思う。
解説:「解説」松井ゆかり(書評ライター)。2015年PHP研究所より刊行。
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なるほどファンタジー^^ 後半の内容がちょっとね。前半は面白いんだけど、後半で尻すぼみ的かな・・・あくまでもワタシの感想です。
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独創性とスピード感もあり楽しく読めた。作者の鋭い感性を感じた。イオと応助の掛け合いも楽しく読めたが前半のイオの力が活躍するシ―ンがもっとあっても良かったと思う。続編が出て欲しい作品だった。
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#読了 人の罪を映す瞳をもった少女と、その少女によって罪を暴かれて人生再スタートをきった青年のお話。舞台は江戸で、二人が身の回りの謎を解いていくお話かと思いきや、後半は少女のルーツにまつわる壮大なファンタジーが繰り広げられてびっくりした。
座敷童の解釈とか里の設定とかは面白かったんだけど、前半と後半のギャップの大きさと唐突さに私は残念ながらついていけず……もう少しゆっくり、二人の交流の話が読みたかったなぁ。
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異能持ちのイオと央介の人情+(心持ちダーク)ファンタジー物語。
央介とイオの触れ合いや人との関わりの優しい話で進むのかと思いきや(そのままでも良かったけど)、徐々に睦月の里の異様さと秘密が明らかに。
イオと央介の兄妹感が愛しいからこそ、あのラストは胸が詰まる。
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悪事を働き、やましいことがあれば、その目を見ると金色に光るという座敷童の少女イオ。時代物、ミステリー、ファンタジー、家族小説の要素を併せ持つ。