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「カモフラージュ」
鉄道ものではありません。
48より坂道派。但し握手会等には不参戦。オードリーやバナナマンや小籔千豊や古くはイジリー岡田びいきでTVを観る。つまりは、私はファンとも言えない(ファンではないじゃないか!と怒られるかも)一般ピーポーな凡人である。
じゃあ、何故松井玲奈の作品を手に取ったのか。深い理由は無いのだけど、ウッちゃんも高山一実も小説を出してるし、出版社がまた芸能人を担ぎ出したな、くらいで、タイミング良く手に取れた形である。読んでみたところ、アイドルぽさは感じないものだった。バイアスある人が読んでも、芸能人だから出せた内容だ!なんてことにはならないと思う。もちろん、面白いか、良いかは別論点なのだけど。
「恋愛からホラーまで、松井玲奈が覗く“人間模様”。鮮烈なデビュー短編集」と銘打たれている。好きになってはいけないはずな不倫愛であったり、どうしても我慢してしまったり、周りの目や声で自信がなくなったりと、人間模様だけでなく、人間心理をテーマにしている。
特に、不倫愛に溺れる友人を戒めながらも、自分も不倫してます、な話では、最後の、20前半女子のふわふわしながらでも愛してるからこそ、な締めはこの手の作風であればフォーマットの一つ。完全に都合良い女扱いに怒らない主人公辺りも、なんか良い感じな愛だった風に一役買っている。フォーマットだから悪いと言う意味ではなく、この話においての着地点としては綺麗に纏まっていると思う。本当の姿を見せたと言う点では、ぴったしな終わり。TVが好きそうなや〜つ。
ホラーっぽい短編は好みは分かれそう。本当の姿を解放出来ずに、その不満を喰わせている新製品みたいなアレを見ると、ホラーよりはブラックコメディ感がある。テーマからすると、サスペンスチックなホラーを入れそうなものの、違うタイプを書いていたのは良かった。
引っかかるところは多々ある。ビー玉ってこの擬音なの?とか。しかし、アイドルだから読む気は無し、と思っている人に読んで貰えると、アイドルではなく書き手として読むことは出来ると思う。次作を期待したい。
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これはすごい。上手い。今は女優(元アイドル)の松井玲奈,デビュー短編小説集。登場人物はいきいきしているし,そのキャラクターの豊かさにも驚かされる。恋人のいる上司と不倫,弁当を手作りしていって一緒に食べる女子(「ハンドメイド」),上京してメイドカフェで働くストレスを抱えた女子(「いとうちゃん」),潔癖症の恋人に振られるアラサー女子(「拭っても、拭っても」)など,著者と同年代の若い女性が主人公である物語の他,桃を手づかみで食べる女性に憧れるフェチシズム(「完熟」),生配信放送で「本音を喋ってしまう鍋」を食べるYoutuberたち(「リアルタイム・インテンション」),SFホラー小説(「ジャム」)さえある。描写の的確さ,エピソードの面白さ,会話の面白さ。よいところを挙げたらきりが無い。
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ちょっとバカにしてて、本当にすみませんでした。
かなり面白かった。
取り分け『いとうちゃん』は秀逸の出来。
『拭っても、拭っても』は映像化できそうなくらい。
長編が読んでみたい。
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いや、もうびっくり、びっくりしすぎてのけぞりましたよ。
なめてました、ほんと、ごめんなさい。松井玲奈さん、すごいです。
10年後、松井玲奈という作家の誕生をリアルタイムで見ていたことがきっと私の自慢になる、そう思う。
ちょっと切ない恋の物語やらホラーやら官能的な夫婦の瞬間やら、今まで私が知っている松井玲奈のイメージとは全く違うものたちがわらわらと飛び出してきて、もうほんとびっくり箱のようでしたわ。
それぞれに「食べる」ということをいろんな角度からいろんな色で剝きだしているようで、これは本当にすごい短編集だね。
いやぁ、ほんと、作家松井玲奈として今後もどんどんびっくりさせてほしいです。
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元SKE48で女優の松井玲奈の小説家デビュー短編集。フード描写という共通点はあるもののジャンルも文体もバラバラの6本。他人に見せられない本当の自分。このテーマはアイドルという著者の出自と無関係ではないだろう。そこに生々しい表現が合わさる『完熟』が出色。彩瀬まるの対抗馬がここにいた。
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小さな一場面から、いろんな恋愛模様が描かれてて、どれもが一筋縄ではいかないものばかり。松井玲奈がどんな小説を書くのか、興味があって買いましたが、とても面白かった。次回作にも期待したい。
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6篇の短編からなる短編集である。作者の初の作品集であるが、多彩な話が展開されている。うまいへたではなく、とても個性的である。ひねりとオチ。そこはかとなく幸福感を感じさせる結末がよい。『ジャム』『いとうちゃん』『完熟』が特に印象に残った。今後の活躍が楽しみだ。
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短編が6編収録されている。『ジャム』の少し不気味なもの、ジャムの描写と比喩や本当のことを知る瞬間の心の動きがいい。『完熟』の桃の執着する男。女性が桃を切る、食べる瞬間に喜び、興奮を覚えるその目線が狂気じみていて面白い。『リアルタイム・インテンション』食べると本音を話してしまう本音ダシ鍋を食べた3人の男が動画配信中に本音を言い合う。テンポの良さと展開が楽しい。他にも等身大の女性を描いた作品もあったりと様々なタイプのものがある。少し変化球な設定、展開のほうが個人的には好き。もっと色んな作品を読んでみたいと思った。
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Rena Matsui is an actress and now she made a debut as a writer with this book “Camouflage.” This book is a collection of six short stories. Each story has a different taste. You can find love stories, a horror-like story, a youtuber story and so on. For example, “Handmade” is an unhappy love story – a main character has a romantic relationship with a man who has another girlfriend. She often dreams a strange dream. In the second story, “Jam”, a small boy sometimes sees his parents in a strange way - multiple figures of his father and mother appear and there are some reasons why this unusual phenomenon happens. Most main characters in the book seem to have worries or problems but they find their own solutions in the end. I enjoyed this book because I think I can share some of the characters’ feelings. Food is described nicely in all the stories which adds spice to them.
(じんじん さん)
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最近アイドルの子が、小説を書いていて話題になって
いるのが少し気になっていて。
その中でも、感じが気に入っている元SKEの松井玲奈
の本を読んでみました。
短編ではありますが、なかなか読ませる内容だったと
思います。
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バラエティに富んだ短編集。
読み終わってから知ったのですが、著者は小説家ではなくて女優さんなんですね。
洗練された文章という印象で作品の完成度は高いと思います。
これからの作品もとても楽しみです。
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ーあなたは、本当の自分を他人に見せられますかー。
恋愛からホラーまで、多種多彩なジャンルの6つの短編集。
個人的には、『拭っても、拭っても』が好き。
ー誰もが化けの皮をかぶって生きている。ー
2019年読了、25冊目
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松井玲奈の初小説。すばるなどに掲載したものの短編集。
全て食事をテーマにした作品になっている。
YouTuberの話やら、不倫やら、潔癖症やら、そんな話が綴られている。
初小説にしてはきちんと起承転結があって上手。
描写もありありと描かれている感じがする。
ただ、まあ、知名度に下駄を履かされてるのは否めない。
松井玲奈という看板を外すと、普通の小説。わざわざ買って読もうというモチベーションが湧かない。
次回作で真価を問われると思う。
福家書店のイベント参加が抽選だったので、やむなく買ったが、外れてしまったので、ただ送料がかかった高い本。
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短編集6編
どの作品も人間の本音というか心の奥底に蓋をしておきたいような黒々とした気持ちを上手く描いている.「ジャム」は負の気持ちが形を伴って溢れ出るというSFちっくな物語でその処分方法はホラー的.生配信で本音を言い合う闇鍋本音鍋の「リアルタイム・インテンション」もありそうで怖い.
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前々から気になっていたので購入。
ジャンルに縛られずに様々なアラカルトを読んでいるようで面白かったです。松井さんはアイドルだけでなく、女優・鉄道好きとしても認識していましたが、また新たな肩書きが生まれたなと思うくらい、普通に小説として楽しめました。
短編集ですが、ドライな表現だったり、官能っぽかったり、ホラーっぽかったりなど松井さんの色んな面を見ることが楽しむことができます。
全6編で、共通しているのは、「食」。世にも奇妙な世界に誘われるかのように一つの本だけれども全てが異なった小説家が書いたように感じ、それが面白いなと思いました。淡々としているのですが、文章の雰囲気が異なっていて、松井さんの創造力は幅広いなと思わせてくれます。
今回は短編でしたが、長編ではどうなっていくのか楽しみです。