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端的かつ控え目に言っても、これは良い漫画である、えぇ
鮫島先生は謙遜なさるかもしれんが、ほんと、良い漫画である
市川春子先生の『虫と歌』や、九井諒子先生の『竜の学校は山の上』を読んだ時と同じ強さの衝撃が、この『蓬莱トリビュート 中国怪奇幻想選』から放たれている
間違いなく、この鮫島先生も、市川先生や九井先生が到達した領域まで行ける逸材だ
担当編集者さんがいるのなら、ぜひ、熱心にサポートしてあげてほしいトコだ、一漫画読みとしちゃ
絵柄が美麗で、ストーリーも読みやすく、キャラも立っている
世の中、不思議な話があるもんだ、と驚かされる反面、まぁ、広大で歴史のある中国なら、こういうオカルト的な事態が起きても、おかしくないか、と納得させてくれる構成だ
また、読み手をほっこりさせてくれるハッピーエンドだけじゃなく、ほろ苦さを噛み締めさせるサッドエンドもブチ込んでくる点に、人間と人外の間にある壁、それを感じさせてくれて良い
単発で終わってしまうのも、実にもったいない
取材や精査も大変だとは思うんだが、「2」を執筆してもらいたい
どの回も、中華ファンタジー感が満載
その中で、私が一推ししたいのは、第4話「冥吏代行人」
上で、サッドエンドがあるから良い、と言っておいてなんだが、私は登場人物が幸せになれないオチが、どうにも苦手なのである
うだつの上がらない風貌のおっさんが、実は凄腕の霊的能力者ってのは、何気に読み手を喜ばせてくれる設定である
これは、今、私が西尾維新×大暮維人の『化物語』を読み、忍野メメさんのシブさにウットリしているからかもしれない
そんなオッサンが霊に対し、冷酷さを発揮できず、人としての甘さを滲ませ、家族の一員として迎え入れてしまう、良い意味での「なぁなぁ」を見せてくれるトコが、とても良い
何だかんだで、他人に慕われる人ってのは、こういう温さのある男なのかもしれないなぁ
この台詞を引用に選んだのは、大袈裟に聞こえるかもしれないけど、生きていく上で大事だよな、と感じたので
調子に乗って、やらかしてしまった時は、すぐさま、プライドもかなぐり捨てて、即時に謝罪すべきなのであろう
若さゆえの勢いで突破できる難事もあろうが、若気の至りで命を落としちゃ、情けないにも程がある
若さゆえの過ちは認めたくないものだが、強い大人ってのは、それと向き合い、学び取り、乗り越えている者である
「調子こいちゃって、本当にすいませんでした――――」(by胡宮山)
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鮫島円人『蓬莱トリビュート』(リイド社)読了。
TLでお見かけして一撃でファンになってしまった鮫島円人さん。
閲微草堂筆記や酉陽雑俎などの中国古典怪異譚が、美しくかわいくかっこよく漫画化されている…!中華好き漢文好き人外好きにはたまらない1冊です。
第4話・冥吏代行人が狂おしいほど好き。 https://t.co/F6D4nqrlh4
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読んだ。
中国古典を漫画化した短編集。
とても…面白い…。
絵柄は人を選びそうだが、短くわかりやすい話、可愛い人物、ギャグ調もマッチしてると感じた。
特に好きなのは『鮫人』。小気味良さがハマる。