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鳴かず飛ばずの脚本家竹田雲太は人気アニメ劇場版の脚本を担当することになったが、それは極悪プロデューサーにより曰く付きとなった作品だった。しかも調子のいいだけの映画会社プロデューサーや、原作者の熱烈信者である編集者などからの突拍子もない注文の数々によりプロットは二転三転させられるのだった。しかもそんな雲太の元にかつての相棒の妹が押し掛けてくるのだった。
実に王道真っ直ぐな物語でした。無理難題を押し付けられて四苦八苦しながらもアイデアで乗り越えていく姿。傍若無人に見えて主人公を見守る少女。絶体絶命のピンチと一発逆転。悪い奴はわかりやすく悪く、しかし主人公の周りには主人公を支え助けてくれる仲間がいる。
そこに脚本家のお仕事小説としての側面も備えているわけです。そもそも脚本とはどういうものなのか、どのように仕上がっていくのかということを見せながら話は展開します。しかしここではあくまで脚本家である主人公の物語。そこに特化して限定して見せているのです。だからアニメ作品がどのようにして作られるかまでには至らないのです。
しかし実用書ではないのだから脚本家になるためにはだとか、アニメ制作の全てみたいな内容である必要はないのですね。これを読んで何かものを作り出す喜びを感じられれる人も出てくるのではないでしょうか。そういう面白く感じる部分こそが大切だと思うのです。
脚本作りも無理難題を突き付けてくる人たちへの挑戦という形をとっているため、雲太が作品自体やファンのことよりもおエラい方々の方しか見ずにいるように思える部分も多々あります。しかしそれは「大人の事情」と言うものにがんじがらめになっている姿。書き進めていくことによって雲太が昔の情熱を取り戻し、自分が書いた脚本としての愛着も持つようになる。そこもまた王道真っ直ぐな物語として楽しみました。
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映画の脚本が出来上がるまでの紆余曲折が主なストーリーなんですが、脚本家という特殊な仕事なので致し方ない面もありますが、説明のセリフが多かったり、映画の内容の描写がダラダラと続いていて(そして、それがあまり面白くない)、読むのが苦痛に感じる事も有りました。
最後まで主人公の竹田雲太の存在が薄っぺらくて全然感情移入が出来ませんでした。主人公の内面や亡くなったかつての相棒とのエピソードを書けば良かったのになあ。
かつての相棒の妹が小学生という設定もよくわからない。高校生ぐらいでちょうどいいんじゃないの?ラノベの読者ってロリコン趣味の人が多いのか、作者の嗜好なのか。
この作品では『デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)』はとにかく終盤で急に出てきて物語をひっくり返すような展開だったりキャラのことと説明されています。
その神様と呼ばれる人が出てくるシーンですが、本当に急に出てきて、この人の一言でドラマが終わるので「今までのゴタゴタは何だったのか?」と呆気にとられました。《これがクライマックスなのか?》
他サイトの感想を読むと、この作品は作者の実体験を基に書かれていて、読む人が読めばすぐにわかる内容らしいですが僕はアニメは詳しくないので、その点でも楽しめませんでした。
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〇ラノベと思えない、痛快・真面目仕事マンガ風ラノベ!
この本こそ、作品中に出てくる作品のようにマンガ・アニメ化されてもよいのかもしれない。
情景がつぶさに浮かぶ。
実写脚本を得意とする筆者の、四冊目の小説作品である。
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主人公の雲太は、ネットで叩かれるほどのクソ脚本家。亡くなった相棒・近雄からの言葉を胸に書くもヒットが飛ばせない。そんな雲太に、かつての上司・辻骨から仕事の依頼が。有名作家の本をアニメ化するという。一念発起して脚本づくりに向かうが、プロデューサー、監督、編集者からの要望が多岐にわたり雲太を苦しめる…!
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現役の脚本家が、「若手に脚本家を目指してほしい」として書き上げたこの小説。
脚本家のお仕事の特徴をよくとらえているのだと思う(わたしは脚本家ではないが、そう感じた)。
脚本家がどんな人のどんな言葉を聞かなければならないのか、原作とそれを面白くみたい層に向けた改変、そのことへの苦悩、無茶ぶり…
きっとますもと先生もご苦労なさっているに違いない。
脚本家のお仕事紹介小説という一面を備えているとみなしてよいだろう。
そしてなんといっても話の運びがドラマタッチで頭のなかで映像化しやすいのがよい。
あまり読者に委ねることなく平易な描写で語る。
そしてテンポのよさと相まって読後もすっきり。思わぬ「フォールポイント」の登場に驚いたが、はじめは唐突な印象のある佐江も、徐々に存在感を増して最後は書かせない人物になっているということに気づかされた。
(あまりライトノベル系文芸を読まないのだが、これはライトノベルの特徴なのだろうか?)
既刊も、実写脚本も、ますもと先生の作品が気になった一作だ!