投稿元:
レビューを見る
フットボールのロマンを追い求めるヘスス・スアレス氏のサッカー論壇本シリーズ第七弾である。
選手や監督の評伝から始まったシリーズであるが、今巻は様々な抽象的テーマに従って現代サッカーの色々な選手、監督、あるいはそれらの人々の発言などを取り上げサッカーを説くような内容になっている。
例えば「CHAPTER1 もしグアルディオラが日本代表を率いたら……」ではペップさんに送ったメッセージを皮切りにマンCでのペップさんを描いている。
あるいは「CHAPTER5 名称の条件~ライカールトの真理~」ではライカールトがバルサの監督だった時代に行われたインタビューを多く採り上げ、名将とはなんぞやを説いている、といった具合である。
相変わらずの論調で、意外にエメリ監督が再評価されたりした一方、相変わらず一刀両断されるどこぞの匹夫監督など、縦横無尽の論が楽しめる。
その一方で、やはりもう少し限定的なテーマの方が読みやすいのではないかなと感じた部分も否めない。
その意味も含めて星四つ相当と評価している。
長く続いているシリーズであるし、初志に立ち返るようなこともあっていいのではないかな、と思わなくもない点は付記しておきたい。