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検察になだれ込む事件は日々目白押し。他方、人や時間は決して無尽蔵ではなく一件に充てられる時間は有限。一事に拘泥すれば、容疑濃厚な被疑者を嫌疑不十分で世に放つことさえも招きかねない綱渡りが現実。それでも今できることに全力であたる岬が眩しい。失敗を恐れない、この前のめりこそが、この男を成長させる源なのかも。本気になれば人は誰でも自分を変えられる。
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岬シリーズ、司法修習生時代のお話。ピアニストになることを諦め司法試験をトップの成績で合格した彼が、ベートーヴェンを深く愛する検事志望の同期生と出会うことでどうなったか。途中の高円寺静の言葉も響きます。相変わらずこのシリーズは物語を読むことで素晴らしい音楽を聴かせてくれます。物語の中で、一つの殺人事件に関わりますが、その事件そのもののトリックは変わったものではないので、ミステリとして手に取るよりも、シリーズファンとして彼の軌跡を追うのを楽しむ一冊なのでしょう。司法修習生という知らない世界も堪能できました。
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このシリーズ好き。
岬くん、近くにいたら嫌だけど憎めないんだろうなぁ。
事件は正直おまけで、岬くんの司法の道からピアノに戻ったきっかけのお話。
彼のマグマがすごい深いところに眠っていたものをドロドロと吐き出していくような物語。いや、そんなドロドロしてなくむしろさわやかな印象なんだけど、実際は自分のマグマがグツグツしだしたらなかなか自己中で、なかなか無神経で、人にそれを見せないって、なかなかねちっこいマグマだよな、って思った次第です
2019.8.25
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小説を読んで、音楽が聴きたくなるって、やっぱり幸せな体験。
こんな過去があったとは…というか、ここまでキャラ振り切れなくてもいいんじゃないか?と思ってしまいました(笑)
2019/8/6読了
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岬洋介シリーズ第六弾。
なんか予想通りの展開。
まあ、時系列的に過去の作品なので、
仕方がないというか、当然というか。
司法修習生を無事終えないことは分かっていたので。
ただ音楽の道に戻るきっかけが、
意外と平凡というか、ありきたりというか。
他の作品の登場人物もちゃんと拾えたし、
犯人のヒントも拾えた。
だてにこの作者の作品を読んでいない。
だが、そのせいか、なんだかちょっと薄っぺらく感じられてしまった。
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ピアニストになる夢を諦め法曹界入りした
天生高春は、司法試験トップ合格の岬洋介と
検察庁の実務研修を受けていた。
動かぬ証拠がありながら、夫の殺害を
否認する妻の取り調べに立ち合い…。
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岬シリーズ。司法修習生となった岬が、音楽の世界に戻るまで。
他の面々の、「岬はすごい、でも妬ましい、羨ましい」という感覚が絶妙。
音楽のことは疎いですが、やっぱり読んでいて気分がよいです。
ベートーベンを聴きたくなる。
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天生高春(あもうたかはる)は検察官を目指し、胸を高鳴らせて和光市司法研修所の門をくぐった。しかし開始式も検察担当の蒲原弘道(かんばらひろみち)教官も淡泊で肩透かしを食らう。しかし、司法試験トップ合格者であり、同期の中で一際目を引く岬洋介と同じグループになったことから、天生は刺激的な日々を送ることになる。
時系列的には前作『どこかでベートーヴェン』の後。岬洋介23歳の司法修習生時代の話ということで、途中まで裁判や司法がらみの話オンリー。私は好きだけど、「本当に岬洋介シリーズか?」と表紙を確認してしまったほど。中山七里ワールドでさすが完璧に近い人物と言われる岬、修習生時代でも格が違う(笑)。今作でももちろんどんでん返しあり、そしていかにしてピアニスト岬洋介が生まれたのか、シリーズとしても欠かせない話。おもしろく読んだ。
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司法修習生時代の岬洋介の活躍を同期生の天生(アモウ)高春が語るスタイルで展開する岬洋介シリーズの最新巻。司法試験も成績トップ、研修中の成績はダントツ、おまけにピアノテクも超絶と言う非の打ち所無い彼だが反面チョー天然で憎めないキャラになっている。なのでピアノコンクールの場面もたくさんあって、思わず「蜜蜂と遠雷」を想起してしまう♪ そして勿論ミステリー解決もめでたくこなしてしまいました(笑) シリーズ物は知った面々が出てくるのも何だか懐かしい。
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弁護士修習生が和光の研修所で一緒に暮らす。
ピアノを断念した後、三浪で弁護士になった天生。
父が検察官でトップ合格のイケメン岬。趣味なし。
10年の一人の逸材。
何を目指すのか聞いても答えない。
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安心の岬洋介シリーズ。
時間を忘れ、週末2日で読了。
いつもながらこの作者の演奏描写はクドイくらい詳細で長い(でも字面を追わずにはいられない...)。
今回は岬が現在に至るまでの過去(司法修習生時代)が中心に描かれていて、ミステリー要素はやや薄い感じはするものの、最後はきっちり〝どんでん返しの帝王“の異名は健在だと思わせる作品でした。
シリーズ最高傑作かも。
“さよならドビュッシー“の続編として、また清塚信也主演で映像化して欲しい。
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どこかでベートーヴェンの続編。突発性難聴を患った岬くん、ピアノ諦め検察庁で研修を受けるの巻。
ピアニストになる夢を諦めて、法曹界入りした天生くんが語り手。
って、そんなにピアノ→法曹界な人が集まるのって?と思いつつ、読み進める。法曹界でもたぐいまれな才能を見せつける岬くん。絵本作家が殺され、妻の絵本画家に容疑がかかっているが否認している事件に興味を示す。殺したのはセンセー。LGBT絡み。ネタバレだが、これが本題ではないと思ってるので。犯人逮捕よりピアノ。後はみなさんで。
天生くんがいたずら心で、騙してベートーヴェン皇帝コンサートに岬くんを連れてく。やはりピアノの道を行こうと決めたのがこの時。スタジオ借りて、ピアノコンクールのために猛練習。もっちろんな優勝。
好きだけではできない。才能が必要。神様は乗り越えられない試練は与えない。
「合唱~岬洋介の帰還(仮題)」が続編予定。
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久々すぎて岬先生のキャラを思い出せず、こんな天然な天才君だったのかピンと来なかった。この時代の岬君は好きになれないが、ちゃんと過去作読み直せば印象違うかも。
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ベートーベンの楽曲を文章にてここまで表現できるのか!
ベートーベンピアノソナタ30
ベートーベン32
ベートーベンいわゆる皇帝
ベートーベンいわゆる悲壮
とベートーベンと知ってるもの、全く知らないものとベートーベンに溢れている
元から好きだったベートーベンに改めて虜になる、「なんと単純」
しかし、素人ゆえ自分はYou tube を聴きながら読んでる。「なんと便利なものがある」
中山七里はかくも御子柴弁護士、岬検事、渡瀬刑事
高遠寺判事、裁判官
一つ一つ上げていってもキリがないくらい
ここまでの魅力ある人たちを生み出す!凄すぎる
前半岬洋介を目の前にするといかに自分が愚かで何者かに左右され右顧左眄しているかをわからせされる
司法修習生として岬洋介に出逢う天生高春がそうである
一点の曇りのない本人を目の前にしては
嫉妬も妬みも、人間として持ちうるありとあらゆる感情を彼は元から意に感しない
次元が違う
数え上げればきりがないほど卓越した才能、鋭利な智慧
しかしそのことを本人がなんとも思わない輩を目の前にした時
大衆はどう感じる
とにかく全てが面白く一気読み。
高円寺静判事ここでは教官の言葉に痺れる、やはり静さん素敵!、
被告人Aの懲役12年が妥当がどうかと座学にて審議するところでの
高円寺静さんの言葉
ーー事実だけを拾い上げれば法廷はただ罪人を罰する場所に堕ちてしまいます、
法廷は罰する場所ではなくあくまでも裁く場所です。ーー
カッコいい。
他にも色々とあるのだけど、あまり長いのもね。
ダイヤモンドが散りばめられてる。
司法修習生として試験をトップ合格
他の追従を許さぬ切れ
天は二物も三物も与える
この世は平等ではない、テミスの神が微笑んでる
持っている
才能を余すことなく手にしている、洋介くん、
言わずと知れた岬検事の息子!
どうにも終始悲しさ、諦観が匂う
後半は全くすごい。音楽の神ミューズが。
修士の研修の一環としていくつかの犯罪をまなぶ、その中で「絵本赤うさぎロックン・ロール」
妻牧野日見子は殺人を否認しているー
もう中山七里も五十作すぎも読んでると
わかってるつもりでもまた虜になる。
わぁいいわ!
しかしいつも、最後は難しい、
最後にフン?と
首を傾げた。最後はこうしかならないのかぁー
最後前までは、星⭐️五つだったわ。
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2020年3月読了。
ミステリ要素はほぼなく、岬洋介のピアニストへの復帰物語というところ。
図書館で借りて読んでいるシリーズなので、洋介と父親との間に確執があったかどうか覚えてないですが、とにかくピアノを再び選んだ洋介に拍手。これで『さよならドビュッシー』と『いつまでもショパン』に繋がっていくのか。
ただ天生じゃないけど、5年も弾いてなかったのにコンクールで賞を取る洋介の天才ぶりに多少ですが嫉妬する。
身近にこんな天才がいたらどう思うかなあ。
別れ際の天生のセリフに次作を期待。