投稿元:
レビューを見る
東京創元社『海外文学セレクション』の最新刊。
『統合失調症患者の手記』という体裁を取っているため、時系列が前後していたり、記述が現実か、主人公が見た幻覚なのか、判然としない部分もある。ミステリで言うところの『信頼出来ない語り手』の手法だが、描かれている世界は意外に滑稽であったり、親しみが持てるものであったりする。物語の構成やラストはベタなぐらいなのだが、本書の場合は、これぐらいベタな方が合っているのかもしれない。
ところで本書は、あまり創元っぽくないというか、大手版元から出ていても不思議ではない雰囲気があって(集英社辺りでも違和感がない)、そこも面白いなぁと思うのだった。
投稿元:
レビューを見る
大好きな兄サイモンを自分のせいで死なせてしまったと、辛い気持ちで成長するマシュー。
心のバランスをなくした人に寄り添うのは大切だけど、読みながら逃げたくなり、、
どうにか最後まで読んだ。
両親や、祖母が不安定ながらも支えてくれて、最後はちょっと光も見えた。
投稿元:
レビューを見る
ネイサンファウラー「ぼくを忘れないで」(link: http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488016715) tsogen.co.jp/np/isbn/978448… 読んだ、よかった。兄を亡くして精神病になった主人公と家族の話。ハッピーエンドではないけど温かいし簡単に再生を描かないところがいい。断片的で掴みどころがない感じがするけど最後まで読むとよく構成されてることがわかる(おわり
投稿元:
レビューを見る
ネイサンファウラー「ぼくを忘れないで」http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488016715 読んだ、よかった。兄を亡くして精神病になった主人公と家族の話。ハッピーエンドではないけど温かいし簡単に再生を描かないところがいい。断片的で掴みどころがない感じがするけど最後まで読むとよく構成されてることがわかる(おわり
投稿元:
レビューを見る
幼い頃に自分のせいでダウン症の兄が亡くなったと思い込み、統合失調症を患った19歳の青年・マシュー。治療の一環として彼が綴った文章をまとめたという設定の本書は、時系列も真偽も不明ではなはだわかりにくい。だが読みにくさを我慢して読んでいくと、精神に病気を抱えた青年の内面が生き生きと描かれている(って変?)ことがわかる。彼を支える人たちへの思いも伝わっていると思う。最後に兄の死の真相が明らかになり、散漫な印象の本書が巧みに構成されたものだと理解できた。
投稿元:
レビューを見る
統合失調症という病気がどういったものか知らなかったが、彼に限らず、人はたった一言で救われたり傷ついたりしながら生きていることを改めて感じた。人は辛い時、自分のことしか見れなくなってしまうことが分かっていてそれが嫌だと書いている彼は、とても心の優しい人なんだと思う。少しボタンを掛け違えただけで。この世の中生きていくだけで大変だと言われる事もあるけれど、家族や親類で助け合ったり、自分の気持ちを少し外に出してみるだけで、世の中を少しだけでも生きていきやすくする事が出来るのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
読みにくさはありますが、それは統合失調症の心の中を反映させているからだと思います。
病気だってわかっても、どう付き合っていけば良いのかわからず一番悩み、苦しむのは本人。それをほんの少し垣間見ることができるような気がします。