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今回は益田や多々良先生の出番も多くて嬉しかった。
益田のウザさが前より増したせいか、敦っちゃんにかなり雑に扱われてて益田好きの私としてはなんとも言えない気持ちに…。
まぁ実際話したらうっとおしくはなりそう…。
クイズの正解者の15名が登場してるようなので登場人物がやたら多く若干混乱したけど話としてはそこまでややこしいものではなかった。
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3ヵ月連続刊行の『今昔百鬼拾遺』シリーズの第2弾。前作の「鬼」に続いて、今回は「河童」だという。「鬼」と同様に、「河童」も日本人には馴染みがあり、ステレオタイプのイメージが出来上がっているが…。
序盤から、呉美由紀と級友たちの河童談義が延々と続くが、どうやら覗き魔が出没しているらしい。男が男の尻を覗くのだという。その理由は読み進めばわかるが、本題に入るまでが長いなおい。一応、河童談義にも意味はあったわけだが。
一方、中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田から相談を受けるのだが、益田の話がとにかく要領を得ない。キーワードは、「宝石泥棒」と「尻」?ん?「尻」でさっきの話と繋がったのか?千葉県の川で、尻を出した男性の遺体が発見されたとか…。
河童の話なのか尻の話なのかどっちやねん。河童が尻小玉を取るという伝承は聞いたことがあるけども。美由紀が木更津に帰省中、従姉妹を訪ねると、そこになぜか多々良勝五郎先生が現れる。京極堂シリーズっぽくなってきたじゃない。
多々良先生は「稀譚月報」の取材で来ていたため、結局敦子も千葉へ出向き、そこで美由紀と会うことに。事件の発端は、戦後の混乱に乗じた悪巧みにあるようなのだが、尻を出した死体ばかりがどんどん増えていく。いや、笑っちゃいけないのだが。
すべての真相は、ある場所にあった。戦時という時代背景があるにしろ、現代にも置き換えられるテーマだろう。このような境遇にあって、彼の心の根底にあったのは…。偶然の産物とはいえ、これは肝が据わった悪党でも驚いただろうなあ。
今回の舞台装置は、京極堂シリーズ本編用にアレンジすることも可能だったのではないか。手ごろな文庫にまとめたのは、嬉しいような惜しいような。前作よりもシリーズの「らしさ」が増えている感があり、今後がますます楽しみになってきた。
それにしても、夷隅川って本当にものすごく蛇行しているな。
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百鬼夜行シリーズのスピンオフ作品、第2弾。
著者らしいストーリー展開。本編と比べると、中編といえる長さ。
大どんでん返し、とは行かないまでも意外な結末ではある。このシリーズ特有のいい意味で荒唐無稽な結末。
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日本推理作家協会新会長 京極夏彦さん 怒涛の3社3カ月連続発刊「百鬼夜行」スピンオフ敦子&美由紀シリーズ第2弾は角川から河童。千葉県夷隅川からお尻を出した水死体が次々と、探偵、妖怪研究家などと謎に迫る。 河童といえば私的にはセクシーな黄桜酒造のコマーシャルです。
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正直、京極堂と榎木津が出てこないシリーズなんて如何なものかと思っていたのだけれど思いの外、呉美由紀のキャラが濃いめで残念感皆無。
やっぱり人間の心はこわいものと、改めて思う。見えないものだからこそ、強すぎる想いはきけんをはらむ。
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個人的には前の「鬼」よりこっちの「河童」の方が面白かったかな。やっぱりこの「河童」のが事件が入り組んでいるというか関わっている人物が多くて複雑化していて最後にすっきりするところが京極夏彦の作品らしくて良く感じられた。美由紀ちゃんの啖呵も良かったしね。
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あー、このシリーズは拝み屋も探偵も関口も出ないんじゃん!登場人物が重複するシリーズが複数あって、たまに読むと混乱する。しかもこの「今昔百鬼拾遺」シリーズ、鬼→河童→天狗、の順らしいです。あーあ。「…シリーズ1」とか連番を振ってほしいなあ。
内容?一応死体も複数出るし宝石も出るしトリックもあるからミステリーだけど、多々良センセの河童談義を中心に、スピンオフメンバーの遣り取りを楽しむのが王道かと。尻尻尻…と連呼される割に、そう下品でもない仕上がりです(笑)
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昭和29年。団子屋で七年前に、宝石略奪の密議を凝らしていた五人組のうちの三人が、次々と夷隅川で変死している。
死因は溺死で三人共、ズボンが引き裂かれて無くなっていた。人間のお尻を出して中の臓物を食べるという河童のいい伝え。
中尊寺敦子と三人目の死体の第一発見者の呉美由紀は、妖怪研究家の多々良勝五郎らと謎を解こうとします。
五人組の残りの二人も殺されるか、又は共犯、犯人ではないかと推理します。
果たして河童の迷信はもう信じられる時代ではないはずなのに、まるで河童の仕業のような死体のズボンを下すという仕業は一体、誰が、何のために。
最後は、とても哀しくも美しい真相が敦子により解明されます。
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こちらも一日で読み終えた河童。鬼よりは軽い印象だった
のは、コントのようなやりとりが多かったのと、多々良先生
登場のおかげかな。一番楽しかったのは冒頭の女学生たちの
河童談義だったりするので、やはり私は妖怪が大好きなの
だろう。私が物心着く頃にはすでに河童は皿に甲羅で緑色
だったような気がする。
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本書は今昔百鬼拾遺シリーズ3部作の第2作目。
そして僕が読む京極夏彦先生の作品としても2作目
なんとなく京極ワールドの感じが分かってきた。
すごく不思議な魅力を持っているよね。この本は。
冒頭の女学生達の「河童」についてのおしゃべりが延々と続き、この話はあまり本編には関係ないのじゃないかと思い始めるころに、タイミング良く事件が発生していく。
本作品の主人公も前作と同じ、記者の中善寺敦子と女学生の呉美由紀のコンビ。まったく、関係のない場所で行動していたと思いきやひょんなところで合流し、河童にまつわる事件に巻き込まれてしまう。
僕としては初めてとなるが、ここに登場する多々良先生のキャラクターが強烈だ。
京極ファンならお馴染みの多々良先生なのだろうが、初めて目にすると(いや、文章で読んでいるだけなので実際には目にはしていないのだが・・・)その強烈なキャラに圧倒される。
「今昔続百鬼シリーズ」では多々良先生が主人公だそうなので、そちらのシリーズもちょっと気になってしまう(笑)。
本作は、フーダニット・ハウダニット系のミステリとなるが、前作と同じようにミステリとして楽しめるとともに日本古来の妖怪怪異への知的好奇心をも満たしてくれる。これが京極ワールド。妖怪好きにはたまらないのだろう。
本作は戦後まもなくの時代が舞台なのだが、前作と同じように全く古さを感じさせない。ぐいぐい物語に引き込まれてしまう。このあたりが京極先生の筆力の凄いところなのだろう。
本作もいろいろと楽しめた。
次作は遂に本三部作最後の『天狗』なので気合いを入れて読みたい。
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戦後のどさくさに紛れて起こった出来事でなのですが、
河童伝説が絡んで怪事件の様相を呈してきます。
そこに妖怪研究家の多々良勝五郎センセイが登場して、
お話は脱線するばかり・・・。
戦後の混乱期は
誰もがたいへんな苦労をしたのでしょうが、
みんなが同じ状況にあったものだから、
苦労があたり前になっていて、
苦労を苦労とも
思わなくなってしまっていたのでしょうネ。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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おなじみのメンバーに会えて嬉しい反面、ストーリーが薄い割に登場人物が多すぎると思う。京極堂などはメイン4人のキャラが強烈なのでバランスが良いが、今回は半端な人たちがたくさん出ていて読むのが疲れる。
殺人事件と怪異(と言っていいのか…今回だと河童の話)のバランスも悪く、どちらも薄味な感じで消化不良。
最後に敦子がちょっとだけ良いシーンがあるけれど、20代そこそこの女性に説教みたいなのされるのってどんな気持ちなんだろう…ってなんか複雑な気持ちになった。
シリーズ化していくのかもしれないけどこのシリーズはもう良いや…
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なんか、河童がブームになってたとか、さう言はれる昭和二十年代後半。の日本、第五福竜丸に関するいろいろが出る中出た、謎の出歯亀事件と謎の尻、尻、尻が出てくる水死体。
個人的に「小山田刑事」と言ふ人が出てくる京極作品につられる体質があるらしく、謎の河童懲罰刑事小山田が出てくる本書を買ってしまった。
その、河童駒引伝承とか、いろいろが水木しげるファンの手で、ごちゃごちゃと展開する。
犯人の関係と、重要なアイテムの関係はしっくり来た。
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「鬼」を暗とするならば、こちらは明…、と思いきや終盤になり趣は一転し、いつもの「京極ワールド」が展開して行く。悲しく哀れな男の物語が…。「そんなことが…」と思うものの、やはり「不思議なものなど何もない」…。
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突っ走ることなく、いつも公平で冷静。そんな敦子の明瞭な頭脳が、安易な考えや思い込みを正してくれるようで心地よかった。
伝えられてきた文化や人々の生活が歴史を作っていると同時に消滅させていることも多くあるのだろうなと感じ入った。
入り組んだ、不気味で可笑しな事件に好奇心をくすぐられる本だった。