投稿元:
レビューを見る
『盤上に散る』に続き、塩田作品六作目。とても重厚な作品で、ノン・フィクションかと思うくらいだ。リアルに「グリコ・森永事件」を知る人が読んだら、その思いも一入だろう——。この事件を描きたくて作家になったらしく、読んでいてその思いをひしひしと感じた。こりゃ話題になるわな。星五つ。
投稿元:
レビューを見る
犯罪ってもちろん本人だけでなく、
その家族に大きな影響を与えますよね。
例え、それが完全犯罪だろうと。。
目に見えない部分に泣く人たちのことを
考えさせられました。
投稿元:
レビューを見る
面白かった。前半はゆっくり読み進まないと分からなくなってしまったけど、後半はどんどん読み進みたくなった。
実際の事件も解決したらいいのに。作者の想像力に魅せられました。
投稿元:
レビューを見る
なかなか骨太のミステリーだった。謎解きの一歩一歩も丁寧に描かれていて、読みがいがあった。途中で少し混乱した点もあったが、総じてはよく描写されていた。
投稿元:
レビューを見る
なかなか面白かった。事件の真相のあたりで誰が誰だかよくわからなくなったが、気にせずに読み進めた。もっと時間と集中力があれば、ゆっくり考えながら読めたかもしれないけど、少し疲れてしまって無理だった。
投稿元:
レビューを見る
グリコ・森永事件は、うっすらと覚えている。
キツネ目の男の似顔絵はよく記憶している。
あと、お菓子食べたらあかんと。
涙なしでは読み終えることはできない。
巻き込まれた家族の悲劇。
投稿元:
レビューを見る
何年か前の本屋大賞の候補作品、読んでみたいと本棚に登録しようやく読了。1984年グリコ森永事件の全容を何もかもの時効が成立した後、昭和未解決事件の特集を担当した新聞記者と事件当時の脅迫テープを見つけた紳士服職人が事件を追っていく。
事件の詳細に忠実に構成された読み物で丹念に調べあげられ後半になるにつれぐいぐい引き込まれていく。
事件に有無を言わず巻き込まれた犯人家族の運命、翻弄された数多くの事件関係者がいたことに思いを馳せた。とりわけ脅迫テープに関わった家族(子供)の苦しみは残酷としか言いようがない。記者は後半でこの事件の終結はやむなく関わった関わってしまった人のやすらぎの人生をみつけることだとする。事件の陰には今も苦しんでいる人がいることにあらためて思う。
涙無しで読めなかった。
映画化されるとのこと。
投稿元:
レビューを見る
新しい着眼点で既存の犯罪を描く本作は、当時「微かな印象」が残っている自分としても興味深く読み進めていくことができた。「声を使われたこども」曽根俊也の心情、「事件を追う記者」阿久津英士の心情が丹念に描かれている。2つのルートで事件を追っていくが途中で1つになってラストへ向かう怒濤の展開。
作中でも述べられているが、大胆な計画なのに、結局のところ、根底にあるのは「警察への対抗心と不審感」ではないか。
山下と谷についての掘り下げがあまりなく、「双頭の天狗」のもう片方青木側の描写が少ないことが残念だ。青木が「プロ」であることは辛うじて分かるが、吉高の運用はどうなっていたのか、ブラックホールの解明に重点はおかれておらず、タカシについては、軍人崩れとしかわからない。
子ども視点で描くことが主目的だからだろう。新たな視点で見直した点は評価できる。グリコ森永事件のこどもが罪悪感に苛まれていなければいいなと思う。
投稿元:
レビューを見る
昭和の未解決事件を追いかける現代の新聞記者と加害者親族のお話。
真実を知るのが怖い、知らないのも怖い、知っていいのか、という葛藤を乗り越え、それぞれの「未来へ進みたい」という思いで幕引きとなっていた。
事件を解明していくくだりは複雑で、登場人物も多いため混乱したが、ハラハラする展開でぐいぐい読み進めることができた。
昭和の学生運動が盛んだった時代を知らないため、現代の日本人との違いに驚いた。
平和に感謝
投稿元:
レビューを見る
初めての塩田武士さん。あのグリコ森永事件きっとこうだったんじゃなかったのかと新聞記者出身らしく時系列的なリアリティが凄いです。来年東宝で小栗旬、星野源で映画化も決定。どこまで原作に迫れるか興味津々。
投稿元:
レビューを見る
本作品はグリコ森永事件を題材にしたミステリーとなります。
狐目の男 菓子への青酸ソーダの混入 小学校に入る前の自分にとって何の事やら、断片的なキーワードでしかありえませんでした。本作を読んで『コレってグリコ森永?』と思いグリコ森永を、ググってみると本作品そのまんまの事が書かれている事に驚きました!
京都のテーラーの二代目と何の為にジャーナリストになったのかに悩む新聞記者のダブル主人公がグリコ森永事件(作中では銀萬事件)の深層を それぞれの理由で探る事に・・・
舞台はロンドン 京都 大阪と あっちに行ったりこっちに行ったりで主人公達が事件の真相を探るため所狭しと駆けずり回る!
平成が過ぎ去り令和になった今だからこそ あえて昭和を振り返る!!!
投稿元:
レビューを見る
現実にあったグリコ森永事件を
忠実になぞったフィクションだそうだが
本当にこのように子どもを巻き込んだのなら
こんなことになっていたかもしれない
事件の小さな糸口から色々な人に取材を求め
事件のピースをはめ込んでいくのだが
登場人物が多くて
それ誰だっけ?も多く
中盤、ちょっと退屈した
後半は事件が解明し
当事者の告白など
一気読みだった
投稿元:
レビューを見る
犯人特定目前で真相に近づいていると感じながら読む高揚感。しかし読者に求められるているのは「犯人を追う」ことではないのであった。明日からもこの社会で生活してゆくしかない我々ひとり一人にとっては、『なぜ』事件が起きたのかをとことんまで考え詰めて、事件の本質を見極めようとする態度が大切で、乗り越えて未来へ進むためには。
投稿元:
レビューを見る
グリコ森永事件を題材に、著者オリジナルのストーリーを重ねた小説です。
京都でテーラーを営む曽根俊也は、母親の部屋から古いカセットテープと黒革の手帳を見つけます。そのテープにはあの昭和の食品企業恐喝事件の犯人による警察への指示に用いられた子供の声が。そして、それは俊也自身の声でした。
なぜ自分の声があのテープに録音されているのかという疑問、身内があの事件に関わっていたのではとの疑念に揺れる俊也と、未解決事件を追う新聞記者の阿久津英士。二人は夫々が事件の真相を追っていることを知らないままに、わずかにつながる手がかりを手繰っていきます。そして物語後半で二人は出会い、なぜ俊也の声が犯行に使われたのかの真相を掴みかけるのですが…
実際のグリコ森永事件は、警察の大規模な捜査にもかかわらず未解決のままです。そこに著者オリジナルの展開を盛り込み、緻密な伏線の張り方や、複雑に絡む人間関係の描写などのリアリティの豊かさ、「実際の事件の真相はこうだったんじゃないのか?」と思わされるほどの完成度です。
お菓子に毒物を入れるという凶悪な犯罪をモチーフにしていますが、結末は非常に切ない展開で締めくくられ、フィクションではありますが、重厚なノンフィクションを読んだような印象でした。文庫本で500ページを超える大作ですが冗長な印象は全く無くて、グリコ森永事件を知っている方なら誰でも読んでいるうちに引き込まれて読み終えることができるのでは。最近読んだフィクションでは断トツの一番かなという気がします。
投稿元:
レビューを見る
面白かった
最初は事件の全貌が分からず読むのに時間がかかったが、後半は一気読みだった!
動機や各登場人物の心理的な部分は考えさせられた。子供を思う気持ちや自己保身、正義感、罪悪感など各自の思いが交錯することで、この結末につながったというのが違和感なく読めた。
元の事件のことは全然知らずに読んだのでモデルの事件があったことに驚いた。
2回目読むにはしんどいけれど映画はぜひ見てみたい。