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面白かった
最初は事件の全貌が分からず読むのに時間がかかったが、後半は一気読みだった!
動機や各登場人物の心理的な部分は考えさせられた。子供を思う気持ちや自己保身、正義感、罪悪感など各自の思いが交錯することで、この結末につながったというのが違和感なく読めた。
元の事件のことは全然知らずに読んだのでモデルの事件があったことに驚いた。
2回目読むにはしんどいけれど映画はぜひ見てみたい。
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私は新しい本を購入する時、その作品に対する予備知識が無い場合が多い。
ジャケ買い、帯の内容、書店員さんの手書きポップなんかを参考にその場で手に取って購入する事が多い。
本作は「映画化決定」の帯の文字が目に入り購入。
読み始めて
「え、これあの事件?」
とすぐに思い当たるも、当時小学校低学年だった私には「キツネ目の男」の似顔絵しか印象がない。
そして混乱する。
同年代の旦那にも聞いてみる。
あの事件、解決してへんやんな?覚えてる?
しかもあの事件、こんな馴染みのある地名で起きてたん?
これ、事実やないやんな?
予想通り旦那もあんまりハッキリ覚えてない。
一体どこまで事実として認知されてるのか。
ウッカリこれが真実だと思わせられそうだった。
阿久津さんほどじゃないけど、ちょっとだけ調べてみようっと。
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帯のとおり、圧倒的な取材や調査を感じさせる細やかな設定だった。最後まで文章に押される感じを持った。星一つ減らしたのは、もっとどこかで盛り上がる場面があってよかったから。
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子供の頃にニュースで見た本当の事件を題材にしてるためか、恐怖という感情とは違う怖さを感じた。どこまでがフィクションで、どこからがノンフィクションなんだろうか。
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電車内で見た広告に惹かれ、書店に立ち寄り手に取ったが、厚さに戸惑った。重そうなテーマで長編に耐えられるだろうか?それでも、そうかテープの声は子どもで確かに存在するはず、どう描かれているのか?が知りたくて読み始めた。
犯人グループを割り出すまで、人物が多くてボードに関係図を書いて整理したくなった。
阿久津と哲也が繋がってからは一気読みとなる。
それにしても事件そのものを、ノンフィクションとはいえここまで細かく描くには膨大な取材と情報量だっただろう、さすが構想15年…
単に犯人探しと動機を知るだけではない、関わった人のその後、とりわけ人生を狂わされた被害者ともいえるテープの声の子どもたち、に目を向けて読ませる点が面白くしていると思う。
本当の事件の真実はわからないけれど、どうか今は幸せでと願います。
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徹夜本になりました(途中でやめられず一気読み)
当時関西にいて、大人に近い年齢であったので
あの何とも形容しがたい気配が本当にいやでたまらなかったです。
ボイスチェンジャーだと思い込んでいた、何度も何度も聞いた子どもの声が
本当に子どもが吹き込まされたものだったら?
フィクションと知りつつ、そうであってくれと思いつつ
今どんな思いで過ごしているのだろう
それこそ生きているのだろうか。
最後には泣けました。
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子育て始めて以来、こんなに長い長編を読了したのは初めて。
一気に読ませた。
「盤上のアルファ」以来2作目。
今回は題材が題材だけに、自分の幼いころの記憶を引っ張り出してみたり。
一瞬忘れていたが、そう、この事件は未解決。
だからこそ、もしかしたらこれが答えなのかも、と錯覚してしまうほど、
もしこれが真実であれば、なんとも切ない。
あのころ解りかねた時代背景なんかも匂い立ち。
大阪~関西一円が舞台となるのも、今の自分には急に身近なものとなったり。
ラストは一瞬、天童荒太「歓喜の仔」を思い出させる。
そしてこの事件は結局いったいなんだったのか、
ほんまは大そうな事件なようで、動機なんてちっぽけなものだったのかもしれない。
事件なんていつの時代もそんなものなのかもしれない。
だからこそ、ラストの子と親の姿にぐっとくる。
あの頃子どもだった自分も、親になってしまったし。
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面白いと言ってはなんだけど、面白かった。
追う新聞記者、真実を追求する声の主。この構成も面白かったが、点だった情報が線になっていくことの面白さ。
でも、同じく声の主の別の子供たちの話は涙無しには読めなかった。
本当にあの事件の真相知りたいな。
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例え昭和の大事件であろうと背景は思いの外陳腐で、個人のくだらないエゴが罪の無い子供達の人生を狂わせる。
同時にこの一冊が現実での事件を解決に導くかもしれないと思うと心が躍るのも正直な感想で、森永事件を調べると本作のギンマン事件では元の事件がいかに忠実に再現されているかがわかり驚いた。また、昭和にこれまでの規模の事件が起こり、未だ未解決である事は衝撃的であった。過去にいくつかの大きな未解決事件がある事事も知り、それぞれがどのような結末を迎えたのか非常に興味深いところである。
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家にあったカセットに録音されていた企業を脅す音声。それは、幼い頃の自分の声だったー。「グリコ森永事件」を題材に、自らの家族が犯罪に関わったことに悩む男と、30年の時を経て取材をは始めた新聞記者・阿久津が未解決事件に隠された謎を追う。実際の事件がモチーフなだけに、当時の記者たちの取材メモを基に、警察の動きをトレースし、不可思議な点を洗い出していく過程はリアルで引き込まれます。取材を進めた阿久津が真相に迫っていく終盤は手に汗を握ります。事件の謎の解明と、犯罪に巻き込まれた家族たちの悲哀を描き出すーまるでこれが真相のようなストーリーを構築した著者の手腕に脱帽です。
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著者の巻末コメントにもあるようにこの作品は「グリコ・森永事件」を下地に書かれたフィクションです。個人的にもあの事件、特に「キツネ目の男」の似顔絵には今でも生々しい記憶があります。その意味での思い入れも含めて読み終わった時点での感想はプラスマイナスして☆3.5くらいの評価です。事件については極力史実通りに書かれていて、そちらに視点が行ってしまいがちでした。しかし、読み進めるとこの作品のテーマはその裏に隠された人間模様、特に巻き込まれた子どもにあることが明確となり、明るい未来の可能性に結び付けた点は評価できるように感じました。
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グリコ・森永事件。
昭和の未解決事件をモチーフにした小説。
曽根俊也は父から引き継いだテーラーを営む。
とあるとき、父の遺品から黒革のノートとカセットテープを見つける。
「ばーすーてーい、じょーなんぐーの、べんちの・・・」
そのテープに録音されていたのは、幼少期に起きた「ギン萬事件」の
脅迫テープの音声。
しかもそれは俊也の声だった。
「事件が、自分の子ども同様、他の子供たち、延いては社会全体をも
巻き込んだことに、どれだけの想像力を持って対峙していたのだろうか。
警察という言葉を聴くだけで思考停止に陥り、罪のない人々へ向けて
個人的な恨みを晴らした行為が、正義であるはずがない。」
グリコ・森永事件で実際にあった情報をつなぎ合わせ、
見事に物語を完成させている。
未解決という過去に苦しむ俊也が、「未来」に向かう。
それが類作と一線を引く。
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プロローグでいきなり気持ちを鷲づかみにされた。
ページ数もそれなりにある作品だが、ストーリーがドンドンと展開していくので引き込まれるように読んだ。
実際に起こった事件にもとづくフィクション作品ではあるが
事件の構図の面白さやリアル感が隅々に感じられて面白い。
話の展開が新聞記者が取材を通して追求していくというのはよくあるパターンだが、知らずに事件に巻き込まれる実行犯の親族の視点が加わる事が深みを与えていると思う。
題材にしている事件は自分が小学生の頃に起こったと記憶しているが、世間が何とも言えない雰囲気に包まれ嫌なザワつき感があった事を覚えている。
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映画化が決まって文庫化された時に平積みされているのを見つけて以来積読。国慶節の旅の御供として読了。
「グリコ森永事件」当時、子供でお菓子をスーパーや駄菓子屋で買っていた世代に当たるので、それからお菓子が個包装されるようになったということと新聞で見た「キツネ目の男」の似顔絵の記憶が残る。結局、時効を迎え、未解決事件となったけど、その裏には何があったんだろうと思いながら読んだ。
阿久津と俊也どっちが聞いた話だっけと途中少し混乱したりもしたけれど、結局それが一つに繋がり、結末を迎える。これはフィクションだけど、事実はどうだったんだろう。
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久しぶりにページをめくる手が止まらず夜通し読んでしまった。
面白かったというのは現実の事件をモチーフにしているから不謹慎かもしれないが、最初から最後まで面白く読めた。
映画化したものもみてみたい。