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平成元年に生まれた男。平成15年に迷宮入りした教員一家惨殺事件。平成が終わる直前に起きた男女殺人事件。ひとつの時代の中でつながっていく真実。児童虐待、貧困、外国人労働者。格差社会の生んだ闇に迫る、クライムノベルの決定版!
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ものすごい作品でした。正に平成がぎゅっと詰まっていた。まだそこから先があるとは、そしてその先の読み応えと、読後のやり切れない思いは葉真中さんらしい。平成が輝いていた一瞬と、負の遺産として新しい時代に送り出していく数々の問題。私は歳は重ねているけれど平成の方を割りと多く生きているので、そんなに悪い時代でもなかったと思いたい。でも、ブルーにとって平成とは何だったんだろう。そしてどうして皆そんなに子供を愛せないんだろう。その疑問が持てる私は今幸せなんだろう。
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とても熱量の高い小説だった。
平成の社会のひずみの落とし子のような「ブルー」と、彼にかかわった人々と、
2つの事件を追う刑事たちの物語。
平成の歴史や風俗が、巧みにストーリーや関係者の証言に追い込まれ、
無戸籍・外国人技能実習生といった、今日的な社会問題を絡めつつ描かれる。
物語が、まもなく来る平成最後の日に向かって集約していくため、
自分がリアルタイムで事件を体験してきたような気持ちになった。
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内容紹介 (Amazonより)
平成元年に生まれた男。平成15年に迷宮入りした教員一家惨殺事件。平成が終わる直前に起きた男女殺人事件。ひとつの時代の中でつながっていく真実。児童虐待、貧困、外国人労働者。格差社会の生んだ闇に迫る、クライムノベルの決定版!
こういう内容の本を読むと 本当になんとも言えない気持ちになってしまいます。
今まで何度思っただろう?
Blueは殺人を犯しているので 人として許されるわけではないんですよね。
でも、子供のBlueにはどうする事も出来ない事が多々あっただろうなと想像してしまうんです。
無戸籍って、親はどうして子供の将来のことが考えられないんだろう?そんな大人が子供を産んじゃいけないよな、と思ってしまう自分は単純過ぎるのかな?
以前にも書いたことがあると思うんですが 子供を産んで育てるって責任重大だなぁと考えたのは もう我が子が結構大きくなってからなんですよね。
子育て中は毎日が慌ただしく過ぎていくといった感じなので そういうことを考える余裕もなかったです。
こういう風に考えれるようになってから 子育て出来ると子供をちゃんと叱ることが出来ただろうなと思います。
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平成最初の日に生まれたブルーという人物を主人公に、平成を俯瞰し、格差社会の闇を濃密に描いた犯罪小説。
たまたま平成最後の日に読んだため臨場感たっぷりで楽しめたが、平成にこだわりすぎるあまり、時代を越えてしまうと途端に色褪せてしまわないかと心配になる。時代を描くものは賞味期限が短くなりがちなので。
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平成という時代がいよいよ終わるこの時期に、このような作品と出会えるとは!
著者の作品には福祉や教育、医療など社会インフラに絡む問題を踏まえたものが多く、非常に幅広い分野の知識を総動員して作り上げられている感が強いが本作もまさにそういう感じ。
平成だからなのか、平成なのにかはわからないが、それまでになかった新たな技術やサービスにより人々の生活は向上し、それまでになかった事件、事故、犯罪が起こり、日本史における大きな変化の一節にもなりある時代。
でも世界史においてはほとんど誰も知らない元号である。
その30年を通じたストーリー展開は、17歳で平成元年を迎えた私にとってはまさにリアルという感じで一気に読んでしまった。
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作者には本書で書きたい社会的テーマがいろいろあったようだ。
それぞれ書き込まれているが、テーマに振り回されることもなく、物語としても十分読み応えがある。
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装丁にドキリ。ホラー?と思わせといて、そうではなかったのだが面白かった。
本格クライムサスペンス。平成の最初に生まれ、平成が終わると共に人生を終えたブルー。全ての平成の闇を背負って生きたブルーの物語…。
そして時事ネタありの平成史(闇)って感じ。平成を生きながらえてきた諸氏ならば、作中のどの問題にもピンとくるところがあるかと。児童虐待や無戸籍児、外国人労働者の低賃金、格差社会が生んだ歪み、モンスターペアレント、ITバブル等々平成の闇が満載。構成も時間軸が複数あったり凝った作り。そして所々にその時流行った歌や、時の政権が入って「あ、あの頃の…」と臨場感が増す。
新時代になった今「平成とは」と考え直させられた傑作。
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大好物の設定なのだけど
なんだかこの設定の為に
登場人物たちが動いている
ような感じがイマイチう~ん。
平成の世の中をおさらいできて良かったかな。
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時代がある区切りを迎える時にありがちな評論・小説群の一作品。ではあるが、本作品は平成の事件・事故・災害や世相、新たな問題点等を織り込みながらも、親に愛されない子供・子供を愛せない親という普遍なテーマを軸にした熱量のある力作。最後の女警二人の心情の吐露は本作の山場。読んで損はない秀作。個人的には挿絵があまり好きでない。
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ブルーと共に平成を一気に駆け抜けた。子供が傷つけられるのは気が滅入るが、目を逸らしちゃいけない事実も描かれているのだろう。
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格差社会・貧困問題・外国人労働者・児童虐待等、平成の社会問題をてんこ盛りにしたクライムノベル。
登場人物の場面転換がかなり多く読みにくいかと思っていたが、そこまでではなかった。
書かれるキーワードがほぼ実名で、平成を駆け抜けるロードムービーのように感じた。映像化に向いてるかもしれない。
ただ、これが小説としての面白さかというと、そうではないので、評価は★3つ。
物語のラストで貴志祐介の「青の炎」を思い出したのは自分だけではないはず。
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上手く繋いだという感じ。
無理矢理平成の出来事を詰め込んで
ストーリーとしては散漫。ミステリーとしては全く期待外れ。
そこそこ楽しめたが感動とかはない。
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主人公は鹿児島から上京して来た研修医1年生の天野先生。新米外科医師天野先生の毎日は、何もできず何もわからず、先輩医師や上司からただ怒られるばかりで右往左往している。だが患者さんは、待ったなしで押し寄せる…。著者が現役の医師だけに、医療現場の描写や研修医の苦悩がリアル。同い年で末期がんの男性、交通事故で瀕死の重傷の5歳の少年、認知症で生活保護の患者…。本人の意思や努力だけでは乗り越えられない壁に葛藤し、泣きながら過ごす日々。それでも日々努力し成長していく。主人公を応援したくなる小説!
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6月-5。4.0点。
多摩市で一家4人が惨殺され、浴室に犯人と思われる次女が溺死。引きこもりと言われていた次女、犯人なのか。
面白い。次女と子どもの転落人生。平成を駆け抜けた子どもの暗い物語。引きつける物語。500頁弱一気読み。
この作家、近作「凍てつく太陽」から、突き抜けた感じ。
次作も期待。