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降って湧いた自由に、戸惑うばかりで。
単行本を読んでいたので再読。どれも、突き刺さるほどではないけれど、心に確実に残る。同級生の無邪気だけどとんでもない悪意と、それに対する小さな対抗。何気ないことばに隠されていた人を想う気持ち。人の狡さに傷ついた記憶と、自分を守るための方法、そして一歩踏み出すきっかけ。どれもが、自分の体験ではないのに、自分のことのように感じられる。私が知らないだけで、このような想いを抱いていた人が、きっと近くにいたのだろうと。
表題作は、家を継ぐと考えていたえるが、突然その確定していたように思えていた未来を取り上げられた(ような)ことによって、戸惑う話。寄り添おうとする奉太郎の姿は、小学生の時に傷ついて、繭を作った彼が、そこから出てきて羽ばたくようで。続きが気になる。
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古典部シリーズ第6巻です。単行本は2016年に発売されていましたが、やっと文庫化されました。前巻「ふたりの距離の概算」から7年ぶりです。本作は「文芸カドカワ」と「野性時代」に掲載された6つの短編が収録されています。明らかに古典部シリーズを愛読してきた人向けの内容になっています。省エネ探偵が活躍するのは最初の「箱の中の欠落」くらいで、あとは古典部メンバーをそれぞれ掘り下げるための過去話や心の葛藤などを描くことに重点がおかれていると感じました。このシリーズが好きな人は読まないともったいないです。
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学園ものの謎解きミステリー。
とはいえ、殺人とかではなく、日常的なもの。
ちょっと新鮮でした。
シリーズらしいので、他のも読みたくなりました。
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「ちーちゃんの行きそうなところ、知らない?」夏休み初日、折木奉太郎にかかってきた“古典部”部員・伊原摩耶花からの電話。合唱祭の本番を前に、ソロパートを任されている千反田えるが姿を消したと言う。千反田はいま、どんな思いでどこにいるのか―会場に駆けつけた奉太郎は推理を開始する。千反田の知られざる苦悩が垣間見える表題作ほか、謎解きを通し“古典部”メンバーの新たな一面に出会う全6編。シリーズ第6弾!
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あなたに、翼はありますか?
古典部シリーズももう6作目…ですが前作から7年も開いてたとはちょっと驚き。
数年ぶりに会って、全然会ってなかったけどそんな気がしない昔からの友人って居ません? 多分身体に馴染むものやひとって、ある程度内面化されているからそういう感覚を持ち易いのかもしれません、ね。
そんなわけで相変わらずの面々の、けれど内容としてはちょっと大事な、転機とも云えるようなタイミングを描いた短編集。
それでいて、そのエピソードを通じて、いままでの作品で探偵役としてひとの心情を炙り出してきていた奉太郎、彼自身の為人を描くものでもある。これまでどうしても描ききれていなかった奉太郎のルーツが! みたいな←
さて。
御存知のとおり、オレの背中には翼があるわけだが(お付き合いください)、
オレはずっと、この翼は誰のものなんだろうと考えていた。誰がくれたものなのか。誰のためのものなのか、と。
とんだあまちゃんである。翼だけに。
きっと怖かったのだ。自分の翼が。
だから、自分のものにしたくなかったのだ。
誰かにもらったものなら、その誰かのことを考えないようにすれば捨てられる。
誰かのためのものなら、その誰かに必要無いと云わせれば捨てられる。
はふう、である。自分の力も自分の可能性も、自分のものでしか有り得ないというのに。
それを最初から自覚していたら、千反田みたいに辛かったのだろうか。
その彼女に、奉太郎がどう寄り添っていくのか。
以下続刊。楽しみです。
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古典部久しぶりに読んだけど、もうほぼなにもかも忘れていた。
「いまさら翼といわれても」単行本では読まなかった(上に「概算」は単行本で読んだ)ので間が空きすぎた……それでも奉太郎が好きだったことは思い出したよ。そうか、そんなきっかけがあったか。
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単行本で読了済みでしたが、文庫化に合わせて再読。さて、表題作のラスト、えるは合唱に行ったのか、行けなかったのかーなどと考えてしまうと、やっぱりモヤっとする安定の米澤節です。
米澤作品の中で古典部シリーズは比較的マイルドではありますが、シリーズが進むにれてビター感が強まっています。特に今作は4人それぞれの未来がほんのりとテーマとなっているため、それぞれの悩みやどのように前に進んでいくのか、高校生ならではの痛みと不安が伝わってきて、切なくなりました。
自分にとっては既に数十年前の記憶でしかありませんし、既に親目線でしか読めなくなってしまいました。それにしても、小学生の奉太郎にかけた言葉など、折木姉ってすごいな、と感じました。
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古典部詞シリーズ。と言っても読むのは初めてなのですが。高校の生徒会長選で投票用紙が多い謎。部活内部の派閥争いなど。
決して派手な事件ではない。ただ高校生という視点で見たときには限定された世界が虫眼鏡で覗いた世界のように大きく見えるから不思議だと思いました。
10代の高校時代。夢と現実の狭間で過ぎていく時間や仲間との他愛もない会話の時間は貴重だったなと思う。
思いでの中に未来は探せないので、40代のおっさんでも先を見据えていきたいです。
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2019/07/06 読了。
文庫版。
単行本を図書館から、で既読済。
この巻は個人に話が当てられて、
意外な面や掘り下げができる。
皆、シリーズ通して少しづつ変わってきている
ところがあって、成長がみれるのがなんかいい。
摩耶花が一番高校生っぽい悩みで、頑張れーってなりますね。
えるに関しては本当続きを早く!
いつか最後まで、アニメ化もするのかなぁ…。
選挙の話とか見てみたい。
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・箱の中の欠落 里志
・鏡には映らない 奉太郎
・連峰は晴れているか 奉太郎
・わたしたちの伝説の一冊 摩耶花
・長い休日 奉太郎
・いまさら翼といわれても える
奉太郎がモットーを掲げるようになった経緯、摩耶花が漫研をやめた理由、「千反田」はどうするのか、ちょっとした謎解きと一緒に人物像が深掘りされる。奉太郎の感想文、何かと便りになる里志、面白い。
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古典部シリーズ第6弾。
短編集ですらすら読めちゃいました。もったいない気もしつつ。(笑)
奉太郎が省エネになった過去が興味深かったし、
最近ちょっと変わってきてるのは古典部と関わってきたからかな?と嬉しく思ったり。
千反田はとても心配。タイトルに心細さが現れてますね。今後はどうなって行くのか、早くも気になります!
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有名な「古典部」シリーズの最新刊。
何と言うか「スピンアウト」っぽい短編集。
特に連作にはなっていない。
「スピンアウトっぽい」理由は、
謎解き成分が薄く、オチが無いものも多く、
摩耶花目線で摩耶花のエピソードが語られたり...
これまでの作品を読んでいないと
「世界観」が理解できないかな、と(^ ^;
もちろおん意識してであろうが、
オチが無いので読後感がもやもやしている。
ワタシハタダシクリカイシテイルノダロウカ...
と不安になって、戻って再読したり(^ ^;
前作からだいぶ時間も経っていて、
もろもろ忘れていることも多いようなので...
「氷菓」から通して読み返してみようかな、
と思った私であった(^ ^;
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文庫でシリーズを揃えているのですが、単行本刊行時に待てずに購入、そして文庫で買い直し。そんなわけで再読です。折木くん、高校生にしてはマメに自炊をしていて偉いですね、両親は何をしている人なんだろうとぼんやり思いました。伊原のエピソードがどっちも好きです。
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古典部シリーズ。
合唱祭に参加するはずの千反田が現れず、伊原から連絡を受けてホータローが探しに行くが。
前巻あたりから日常的に起こる謎に、部員たちそれぞれが絡んできて、だんだん登場人物の深い部分がわかっていく。
ホータローの発言は私も経験があり、それがきっかけで色々考え方を変えたりしたので勝手に親近感が湧き、今後の展開がとても気になる。
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するすると読める。日常に溶け込みそうな謎、不思議をほぼ安楽椅子で主人公が解く。どこがと言語化に困るけれど、この雰囲気が良い。
と言いつつ、他のものの方が面白いと感じるので、だんだん面白いと感じる方向が変わっているかもしれない。
190728