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時間が遅く流れる不思議なトンネルにはもう一つ別の効果が。トンネルによって結びつけられた男の子と女の子の運命は、なんとなくうらやましく感じられる。良い物語だ。
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喪失と恋を描いた時間もの。
時間を超えていく思いが印象的な作品です。
自身の不注意で妹を死なせてしまった主人公。
そこから始まった家族崩壊。
罪の意識をいただき続ける中、「ウラシマトンネル」の噂を聞きます。
何でも手に入る代わりに、年を取ってしまうという噂のトンネル。
眉唾と想いつつも彼はそのトンネルに入り込んでしまうのです。そして転校生の花城も付いてきており、二人はそのトンネルの調査を始めます。
特殊設定で描かれる物語、そしてラストの風景が素敵な作品です。
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タイトルとカバーイラストに惹かれて購入。
夏が終わるまでに読み切るつもりだったのに、いつの間にか秋になってしまった。
ひと夏の爽やかな青春SF小説。これがデビュー作ってなかなかすごい。近い将来、絶対映像化(実写映画とか)しそうだな~と思いながら読んだ。
あんずが読んでた小説って絶対『夏への扉』だよね。タイトルが似てるのは、作者の八目さんが好きだったからなのかな?
失くしたものを取り戻せるかわりに、出る時には一気に年を取ってしまうという「ウラシマトンネル」。
トンネルの中での時間経過が本当にエグい。ナルニアみたいにあっちで何年も過ごしても、現世ではほんのわずかな時間しか経っていなかった……とかじゃないんだ、と。そこが新鮮といえば新鮮。
カレンとカオルの最後のやりとりはジーンとくるものがあった。その後のあんずとの再会も(あんずの泣き方には少し笑ってしまったが)。
それと、いなくなってる間の税金の支払いはどうなってるんだろ? フィクションなんだから、そういう現実的なことを考えてはいけないんだろうけど^^;
とまあ、いろいろ書いてみたけど。とりあえず、八目迷さんの次回作もぜひ読みたい! と思わせてくれる小説だったのは間違いない。
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物語のキーになるウラシマ効果とタイトルの夏へのトンネルってあたりは、ハインラインへのオマージュなのだろうか? 失ったものを取り戻すというテーマに置いても似ているような気がした。意識したくなるのは名作だから仕方ない。読後感は爽やかなのだけど、エンディング後のヒロインと主人公が現代社会でちゃんと生活できるのかどうかはかなり気になるところ。片田舎の風景とちょっと不思議なSF……というよりは、限りなくファンタジーの組み合わせはなんとなく良かった。
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「ウラシマトンネルって、知ってる? そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入るの」
そんな会話を耳にした高二男子・塔野カオルは、偶然『ウラシマトンネル』らしきトンネルを発見するが…
ちょっとSFぽい設定も、無理なく読める青春小説。
ライトノベルにしてはまっとうです。
文章も癖がなくて、大人の自分が読んでも読みやすく違和感がありません。
青春時代真っ盛りの人は、自分の青春とダブらせて。
そうでない人は、「そういえば自分にも青春時代があったんあだなあ」なんて感想を抱かせる小説。
登場人物もステキに描かれているし、読み終わったととも爽やかな気分。
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田舎町の高校2年生の地味な主人公(塔野)のクラスに、東京から美少女で孤高な転校生(花城)が来る。花城は異質さから、目をつけられいじめに遭う。しかし彼女は信念を持ち、跳ね返した。塔野は、花城は自分とは真逆の人間性を持っているから、関わる事のないまま卒業を迎えると思っていた。しかし、ウラシマトンネルという、いわば「逆・精神と時の部屋」の存在を知った主人公は、そこで花城と遭遇する。そのトンネルは、欲しいものが何でも手に入ると噂されていた。そこで、塔野は過去との対面、花城は夢を叶えるために、手を組んで調査を始めた、、
この作品は、このラノTOP10にランクインしていた事から手に取った。まず表紙絵が自分好みだったこともあり、今の季節感にもあったこの一冊を選んだ。一巻完結のラノベであり、作者にとっての処女作。
田舎町とSFの組み合わせがマッチしていて、読んでいて爽やかな気分になるものだった。終始テーマは夏。前半で各キャラの特徴がわかりやすく描かれていて、後半の怒涛の展開の中でも、キャラに入り込めて、大変読みやすかった。複雑な家族設定や浦島太郎現象の実際の弊害もしっかり描写されていて、リアルに置き換えて考えてしまうことがたまにあった、、、加賀の登場シーンがもう少し欲しかった、、
しかし、爽やかなテーマ設定で、一巻でうまく纏まっていて、気付いたら一気に読んでしまった。引き込まれる世界観だと感じた。映像化したら絶対に綺麗だと思うので、今後映像化されることを期待しています!
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表紙がすごくいい。とても誠実な青春小説。
うじうじした主人公がぴったりくるヒロインと出会って色んなものを犠牲にして彼女を選ぶ、というライト文芸の王道っぽい流れだが、三秋縋系ではない爽やかな王道青春。
トンネルは自分の生きる世界での時間を捨ててでも得たいものがあるかどうか、というギミックで、そこにこだわる主人公にとってのトンネルが、最後には元の世界の大切なものを浮き彫りになせるという構成が丁寧。
序盤はうじうじしているだけで停滞する主人公が退屈だが、それを補うようにパワフルなヒロインがとても魅力的。ラノベっぽいキャラ造形が、時間を経て普通の、だけどとても強い大人になっていく姿が愛おしい。
トンネルに意思はないにしては終盤の妹の言動は主人公にかなり都合がいい気もしたが、そのくらいはいいんじゃないかってくらい青春のパワーがすごかった。
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案外自分で望んでいるものは、違うものかもしれない。
すごく読みやすく、すらすらと小説の世界観に入り込めました。
続きが気になり、途中でやめられない中毒性がありました。
面白かった!!!
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一言で言うなら「主体的なラーゼフォン」(どちらもウラシマ効果が舞台装置だしね)。 後半からの畳み掛けるような勢いそれ自体は良いのだけど、「残り僅かなページできちんと畳めるのか?」と心配してしまうくらい。進行が急にペースアップするので、どうしても描写の密度が粗くなる。全体の3/4くらいまで続いていた丁寧さで最後まで書いてくれたらもっと良かったのになぁ。あと主人公の所々に垣間見える「異常な割り切りの良さ」についていけなくてモニョる。でも嫌いじゃないよ。ただただ惜しいの。
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これがデビュー作というからすごい才能だなと思いました。
私が失って取り戻したいものは、なんだろう。
改めて考えでみると、たくさんありますね。
とてもあたたかく、大切なものは何かを教えてくれて、今を生きる大切さも感じられる作品です。
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中高生向けかも
ストーリー的には面白くて一気に読み終われたけど、15年後の世界で普通に生きていけてるっていうのはどうしても納得できなかった
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気がつけば僕は、さよならの出口に立っていた。部屋の掛け時計は10時前を、さも当たり前かのように指している。ついさっきこの本を開いた時は、6時かその辺りだったはず。
この本は本物のウラシマトンネルだったんだ。
その証拠に、僕は、失ったはずの「勇気」を手にしていたから。
面白かった〜。映画みてるみたいだった。
兄として、妹を失った塔野カオルの一挙手一投足に深く共感した。あ〜やりそ〜って思った。
後半の方から、話をどう着地させるのかが不安になったけど、杞憂だった。勇気を持って思い切った設定にすると、話の重みも増してシネマティックになる分、着地させる難しさがあるけど、この物語の終幕は、よく考えられていると思う。
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表紙から「面白そうな予感」がして、読んだら予想通り面白かった。
入ったら欲しいものが手に入る代わりに歳を取ってしまう噂が囁かれているトンネルに挑む高校生、カオルとあんずの物語。
SFモノのようだが、徹頭徹尾青春ストーリー。まさに一夏の青春を描いている。
とにかく展開が早い為、飽きる事なく読み進められると思う。
中学生や高校生で本を読み始める人や何も考えずに楽しめる本を探している人にはピッタリだ
個人的にはもう少し読んでいたい気持ちがある。
しかし、物語として読後はスッキリするので、作業の合間に読んで気分をリフレッシュしたい時にオススメする。
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こういう物語
失ったものを数えるのではなく、
失ったものを認めて
新しく進み始められるようになる
この機会がなければ
過去に捉えられて何もできなかった
全てが自分ではないとして
吐き出してしまうしかできなかった
今のままではいられないと思うから
トンネルに入るしかなかったんだろう
過去を無かったことにして
次に進もうとしていることが
頭も体も追いつかなかったから
ラストに希望があったのが良かった
その希望に気づけるくらいには成長し
受け入れることができるようになっていたのが
良かったです
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SF小説もラノベも初(多分)
夏、田舎、不思議なトンネルの噂、
高校生、男女の邂逅
というワードで面白くないわけがない。
ウラシマトンネルのように、気付いたらあっという間に時間が過ぎていく。
甘くて切ない爽やか小説(そして挿し絵が可愛い。。)