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本シリーズは短編より長編のほうが断然好きなのだが、『獣家の如く』は三津田先生独特のジットリと厭な汗を掻くような恐怖描写があって好き。
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刀城言耶シリーズの中短編集。
出だしの「妖服の如き切るもの」が
ややあっさりとした短編だったので、
少し心配したが、「巫死の如き甦るもの」以降は
刀城言耶シリーズらしさがあって、面白く読めた。
ただ、長編で味わえるホラーや怪奇テイストは
雰囲気醸成にある程度のテキスト量があってこそなので
中短編では刀城言耶シリーズらしさは
少し薄くなってしまう点は否めなかった。
「獣屋の如き吸うもの」のホラーさはとても良かったし、
「魔偶の如き齎すもの」もシリーズファンなら
ニヤリとするところが多く、楽しめた。
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2019年42冊目。表題作は流石の出来。シンプルな謎に予想外のどんでん返しがお見事。他の短編はホラーとミステリがややアンバランスだったかも。
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怖い怖い。
二話目まで読んだけど、ちょっと中断。
もう秋だし、寒くなってきた上にさらに怖さで寒気が…
ようやく読み終わりました。とても時間がかかってしまった。最後の「魔偶の…」
たくさんの犯人説の小間井さんのが真に迫ってて、途中だったけど伏線なのかと前の短編をもう一度読み返してしまったくらいでした。
怖さは「妖服…」と「獣屋…」が甲乙つけ難い。
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刀城言耶シリーズ。中編1作と短編3作収録。
著者のホラーミステリの代表的なシリーズだけど、今回の4作は比較的ミステリに重点が掛かっていた。その分、怖さは足りないと感じるが、私は本格好きなので不可能犯罪物のミステリとして楽しめた。
表題作が特に傑作。このシリーズを良く読んでいる人ほど騙されるだろう。こういうギリギリの所でフェアプレイを保っている作品は大好きだ。
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【収録作品】妖服の如き切るもの/巫死の如き甦るもの/獣家の如き吸うもの/魔偶の如き齎すもの
論理で真相が暴かれた後に残る不可解ゆえの怖さは健在。表題作は怖さよりも茶目っ気を感じた。
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大学を卒業して3年目の刀城言耶が遭遇する事件。
所有する者に「福」と「禍」を齎す魔偶に興味を持った者たちの集まりで起こる事件。
『妖服の如き切るもの』『巫死の如き甦るもの』『獣家の如き吸うもの』が収録された中短篇集です。
長編も良いですが、中短編も良いです。
楽しめました。
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刀城言耶シリーズ短編集。今回も不気味さいっぱい謎いっぱいです。一応は論理的に解明されるミステリのはずなのだけれど、わけのわからないもやもやとした恐怖が残るのはいつも通り。それが最大の魅力ではあるのだけれど、やっぱり怖いなあ……。
お気に入りは「巫死の如き甦るもの」。これ、論理的に解明した真相すらが恐ろしいのですが……そんなのってありか。そしてさらにこの結末って。どうしようもなく怖すぎる!
表題作「魔偶の如き齎すもの」もシリーズファンには嬉しい一作。あの伏線にきちんと気づけたのが嬉しかったです。だけど真相まですべて見抜けたのかというと……それはまだまだ(苦笑)。
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短編のせいか、怖さはイマイチだった。ただ、刀城言耶と祖父江偲の始まりを読むことができたので面白かった。
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これまでのシリーズの中では最も淡白かつ軽い印象だった。
いつものおどろおどろしさがすっかり影を潜めてしまった。
また推理モノの常でミスリードとトリックに力が入り過ぎて解答が所謂『説明文』にしか映らない。 今回はややその傾向が強かったと感じた。
しかし該当案件ではないものの、刑事さんの殺人容疑が晴れた訳じゃない…ような。
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刀城言耶シリーズの中短編集。中短編集の時は毎回思うけど、この方はやはり長編がよい。後半に向けてグイグイ怖さが増していくのが味なのに、短編では盛り上がる前に終わっちゃう感じがして…。そうすると最後の怪異がとってつけたみたいになっちゃって残念。トリックとかはすごいと思うのですが。でも決して面白くない!ってわけではないので、期待値が高すぎるのかも。
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短編ということもあり怖さと二転三転なぞときはあっさり目。
1番怖かったのは巫死かなぁ…怖いというか、おぞましい。
魔偶に関してはシリーズの読者として試されてた感じですね。
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刀城言耶シリーズ、9作目。中短編集。
『妖服の如き切るもの』服に関係するホラー。事件の方は少々強引か、バレそうな気がする。
『巫死の如き甦るもの』閉鎖的な村での出来事。やや宗教的。
『獣家の如き吸うもの』この作品はホラー色強め。
『魔偶の如き齎すもの』卍堂という変わった建物(鍵や扉がついていなくて密室ではない)での犯人探しがメインなので、ホラーよりミステリ色が強い。この中編が一番おもしろかった。
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刀城言耶シリーズの中短編集。
短編なので読みやすいが、トリックのために設定を作り上げたように見える話もあったし、ホラーのゾクゾク感が深まる前に話が終わってしまうので、このシリーズはやはり長編の方がいいかも。
ベストは中編の表題作だが、「獣家の如き吸うもの」のホラー部分もかなり怖い。
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刀城言耶シリーズ中編集。
長編とは違いアッサリしているものの、合理的説明が出来る言耶の推理部分と解決出来ない怪奇部分とが織り交ぜられてテンポよく読める。
「妖服の如き切るもの」
坂の上と下に別れて住む仲の悪い兄弟が、同じ日に同じ凶器で殺される。衆人環視の下、凶器はどうやって坂の下から上へ渡されたのか。
トリックは大胆至極。それだけに恐怖を感じる。そして「妖服」は次にどこへ行くのか。
「巫死の如き甦るもの」
理想郷を実現するために自ら作り上げた「村」に五人の女と共に籠もった男が突然消えた。外に出た形跡は無く、村の中をくまなく探してもいない。どこへどうやって消えたのか。
消えた謎そのものよりもその後のことが気になる。
「獣屋の如き吸うもの」
誰も寄り付かない村の外れにある奇怪な家。誰も住んでいないのに誰かがいる気配があり、ある者が寄った時には平屋建てだったのにある者が見た時には二階建て、そしてまたある者が見たのは時間差で平屋と二階建てに変わった。
家の見え方の謎そのものは子供だましのようなシンプルなものなのだが、家の様子が遠野物語のマヨヒガのような居心地の悪さが恐ろしくて印象的だった。
「魔偶の如き齎すもの」
福と禍を同時に齎す「魔偶」を見るためにやって来た館で起きた傷害事件。
卍型の蔵で被害者を襲ったのは、4つの通路それぞれから現れた四人の被疑者のうち誰なのか。
ミステリーとしては一番練られているし、被疑者を挙げては覆す言耶の真骨頂が見られる楽しさもあるが、やはり尻切れトンボの感は否めない。
結局「魔偶」とはどんなものだったのか。
シリーズファンとしては言耶とあの人との出会いも知ることが出来て嬉しかった。