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中学生のときに読んで衝撃を受けた作品。
読み返してみようかな(*´ㅈ`*)
犬神伝説とかオカルト系好きにはたまらない!
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土俗的な風習や田舎の閉鎖性、憑き物、呪いという
ある種の和製ホラーの方向性を位置づけた記念碑的作品
なのだなあということを確認しながら読むような感じだった。
物語の舞台となる村落の描写を読むたびに
隣人・村人との不思議な距離感と村全体の閉鎖性と緊密性に覆われた
小野不由美『屍鬼』の舞台である外場村の雰囲気との酷似を感じたし
憑き物筋と呪いによる死は三津田信三の刀城言耶シリーズに
通じるものがあった。
影響を受けていないのかもしれないが、
なんとなくそういった後に作られた作品群に
影響を与えた傑作なのだろうなという思いを持った。
「血」と「土」を強烈に感じさせる傑作伝奇ホラーでした。
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登場人物の台詞が私にはあまり聞き慣れない方言で、それがすごく好きです。
読んでいて、日本の憑き物の文化などに思わず興味が湧いてしまいました。
内容は、やはり”ロマン”ですね。 胸がドキドキする展開が結構ありました。 けれど、最後の方は悲壮感に包まれます。 決してハッピーエンドではないです。 ですがやっぱり面白かったです。
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再読。
序章の善光寺のお戒壇廻りは実際行ったことがあるし、怖さと物悲しさが相まって期待が高まるのになぁ。一歩を踏み出せばもっと違う生き方ができるかもしれないのに、年齢と過去の傷を言い訳に後ろ向きで他人を羨む美希にイライラ。先祖だって子孫のこんな姿見てたらイライラしちゃうよ。
自分じゃどうしようもできない血筋のせいで憎まれるのはかわいそうだったけど、最後はやっぱり自分本位過ぎた罰でもあるんだろう。
坊之宮一族の忘れ形見=蘇った先祖が廻り巡って村に復讐する続きがあれば、その方がおもしろそう。
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読んでいる時、丁度気分が下がり気味の時だったので美希の気持ちがわかる部分もある気がした。美希の悲しみと苦しみを読んで何度も目が潤んだ。こんな苦労をする人はいるものなのだろうか。昂路の言うとおり晃が狗神に化けたのは錯覚で、生まれる子供も鵺だというのも思い込みだったのかもしれない。何食わぬ顔で読んでいた私は最後の昂路の考えで、確かにそうかもしれないとスッとした。
美希が交わる人がどれも近親相姦なのは、行き過ぎてるような気がして晃まで来ると面白いと思ってた気持ちが消えてしまった。面白いんだけど、もったいない気がして。そして、昂路が坊之宮の墓参りに来た時、あの終わり方は無理矢理感が否めないのだが。
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まあミステリというかホラー。夏だからってこともあって読んだけど、スーパーナチュラル系だから、そこまで肝は冷やされず。相変わらず、そっち系の感度は鈍いです、わたし。やっぱサイコ系ホラーの方が怖いと思うんです、どうしても。ただ本作は、人間の怖さも同時に描き出していて、村八分(ちょっとニュアンス違うけど)の悲劇みたいな部分もあります。と書きながら思ったけど、どっちかというとそっちがメインか(苦笑)。狗神はあくまで味付けで、魔がさした人の怖さが寧ろ中心かも。小野不由美「屍鬼」の圧縮版。そんな印象でした。
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表紙の智内兄助の絵がものすごくいいです。ゾクゾクします。
狗神使いという特殊な家系の主人公が、土佐の土着的な伝承と閉鎖的な村社会の中で次第に追い詰められていく過程が怖いです。
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善光寺も高知も何度か行ってるので情景が思い浮かべること出来た。
美希さんが不幸でかわいそうすぎる。悲しい話だなぁ。
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引き込まれるような表現であっという間に読み終わってしまった。
地方の古い因習や、近親相姦を扱ったディープな話ではあるが、美しい文体によりおどろおどろしさよりも妖しげな魅力を感じる傑作。
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高知県山間部の牧歌的な風景と裏腹な忌むべき因習・差別、閉鎖的なムラ社会が醸成するドロドロとした人間関係。
ミステリー的な伏線回収、村を覆う悪夢の真相も含め、好みの作風だった。
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坂東眞砂子による、犬神伝承を題材とした伝記小説。高知の山村で起こる「狗神筋」を巡る恐怖と悲哀を描く。
辛い過去から人生を諦め、唯一のやりがいである和紙漉きで平穏な日々を送っていた美希。ある日、隣村の小学校の教師として赴任してきた晃と出会い、交流を深めていく。惹かれ合う二人。しかし、晃との年齢は、四十路の美希とは20歳以上も離れていた。過去の辛い経験もフラッシュバックし、惑う美希。それと同時に、村では毎晩"悪夢"を見る者が続出し、不穏な空気が漂い始める。そして母・富枝より、坊之宮家の女筋にのみに伝えられる「狗神様」の秘密が明かされる―――。
閉鎖的な村社会、男を虜にする薄幸の佳人である美希、20歳以上も離れた美希と晃の恋、"血の交わり"で甦る「狗神伝承」。ドロドロとした伝記を描くための舞台装置が素晴らしく、作品の雰囲気に呑まれて一気に読了してしまった。
「血と血を交らせて 先祖の姿蘇らん」―――本作の主題となる、「狗神伝承」に関する、坊ノ宮家に伝わる謡の詞なのだが、これは伏線として中盤までには出しておいて、真相が分かるクライマックスで、読者をこれでもかという程に唸らせて欲しかった。それだけが残念でならない。
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「人間の心とは、なんと変容するものだろうか。」
かつて穏やかだった人々が、狗神騒ぎによって坊之宮家に、恐れと憎しみの目を向けていく…。
たとえ災厄が、狗神筋によって引き起こされたものであったとしても、美希には幸せになってほしかった。
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いつもながら四国の情景に心奪われた。
田舎の嫌な人間関係と、畏れとのバランスが良かった。いつも男女関係があるけど、恋愛感情なしでは運命に勝つの難しいのかな、、
救われない話だったけど、それも儚い伝承の話の味を出していた。
いつも土地神様とか昔ながらの逸話が絡むので面白く読ませていただきたした。
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著者の名前はどことなく聞き覚えがあり、読み終えて気づきました。
1999年に「リング2」と同時上演され、映画館で見た「死国」の原作者。
調べてみると高知県の産まれだそうで、納得。
映画「死国」も舞台はもちろん四国、本書の舞台も高知県の山里で、そこで暮らす美希が主人公です。
彼女の一族は「狗神筋」と呼ばれ、村人達から忌み嫌われていました。
「狗神」とは?
血が引き起こす恐怖の伝播。
そして、明かされた血の内容にはある種の戦慄を覚えました。
読み始めた時にプロローグとして始まる信濃•善光寺のシーン。
そこから舞台は高知県に移りますが、善光寺の「戒壇廻り」から始まらなければ本作の恐怖は味わえなかったと思います。
何故に人々が善光寺にお参りに行くのかも知ることが出来ました。
「リング」や「呪怨」程のホラー感はありませんが、思わず一気読みさせられました。
説明
内容紹介
美希の一族は村民から「狗神筋」と忌み嫌われながらも、平穏な日々が続くはずだった。一陣の風の様に現れた青年・晃が来なければ……そして血の悲劇が始まり、村民を漆黒の闇と悪夢が襲う。
内容(「BOOK」データベースより)
過去の辛い思い出に縛られた美希は、四十路の今日まで恋も人生も諦め、高知の山里で和紙を漉く日々を送ってきた。そして美希の一族は村人から「狗神筋」と忌み嫌われながらも、平穏な日々が続いてゆくはずだった。そんな時、一陣の風の様に現れた青年・晃。互いの心の中に同じ孤独を見出し惹かれ合った二人が結ばれた時、「血」の悲劇が幕をあける!不気味な胎動を始める狗神。村人を襲う漆黒の闇と悪夢。土佐の犬神伝承をもとに、人々の心の深淵に忍び込む恐怖を嫋やかな筆致で描き切った傑作伝奇小説。
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高知の山中の小集落が舞台。怪しげな伝承をモチーフに恋愛とホラーとのドロドロ小説。やたらおどろおどろしく描写しようとするせいで恐ろしさが伝わってきづらい、もったいない。ナントカ賞受賞とのことなので過度な期待を寄せてしまったかも
最後、墓の下から赤子が出てくる恐怖は本作よりも水上勉の越後つついし親不知で感じた。小さな虫の様な姿見現実離れしすぎていてどうもついていけなう