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久しぶりの伊岡さん。やっぱり面白い ♫
真犯人の持つ自分勝手な悪意にあきれる。と同時に世帯主としての賢一の視線の狭さにガックリする。ここまで家族の変調に気付かないお父さんって……。うっすら気づいても向き合おうとしてこなかった夫って……
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帯に惹かれて購入。
終始、歯に何か挟まったような何とも言えない不穏な雰囲気がずっと漂っていたなという印象でした。
一番最初に裁判シーンが登場するのですが、被告は誰なのかこの段階ではわからないものの、あらすじで読む限り、あの人でしょうと想像つきます。しかし、後半にいくにつれて、二転三転と物語が変わっていきます。やっと行きついた真実にたどり着き、また最初のシーンを読むと、違った解釈が見え、スッキリ感と同時に深い納得感が生まれました。
全体を通して、人間の嫌らしい・憎たらしい表現で、読み手側を不快にさせてくれたり、不穏な雰囲気にさせてくれるのは凄いなと思いました。
物語の構成としては、主人公の家族を中心に描いていて、心の変化がゆっくりと書かれています。約400ページ以上あって、少しボリュームがある量ですが、小説の中の時間では、そんなに流れていないので、すごい重厚感があったなという印象でした。
小説に登場する男たちは、ほとんど良く描かれていないように感じました。負の部分が多く、この小説を読み終わった後でも嫌疑しないでほしいなと切に願います。(笑)
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憎んでいた上司が殺された。犯人として逮捕されたのは自分の妻だった。というお話。上司にいじめられ、いやみを言われる場面では、真実味があって、いらいらした。
妻は本当に犯人なのか?何があったのか?気になって一気読みしてしまう本。
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私が賢一だったらどんな反応をするんだろう。
真壁の言葉が心に残った。
内容は最後は一気読みをするくらい凄かったが、賢一の内面を表現する必要があった為か、ちょっと雑音が多かったと思った。
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会社の不祥事の責任を取らされ、田舎会社に飛ばされた主人公藤井賢一は、家族とも離れ、勤め先でも肩身の狭い思いをしていた。
ある時、最近関係が良くない妻から理解し難いメールが届くところから物語が加速し始める。
物語途中で気分悪くしたのが、睡眠薬て眠らせ性行為に及ぶと行った場面。
この作者では以前の「代償」でも同じように眠らせ行為に及ぶクソ人間がでてくる場面があった。これは自分の中では許せない行為であって、これがあるからこそ物語終盤の大逆転を期待して読み進めてしまう。
結局、この物語でカギとなるのは「身代わり」という言葉。
自分を犠牲にしてでも愛する人を守る。それの積み重ねによって事件が複雑化した。
物語中盤の妹優子の家族との位置関係についての伏線が事件の最終的な結末を招いた。
藤井賢一自身も家族に対する考え方が間違っていたことに気づく。
そしてこの物語で面白い登場人物が真壁刑事。
他の刑事とは少し違う彼がいることにより、作品がより面白くなったと思う。
本当に妻が犯人なのかと気になり最後まで一気読みしてしまった作品となった!
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製薬会社に勤めている中年のサラリーマンが左遷をさせられ 、
一通の不可解なメールから家族のトラブルへと巻き込まれるミステリー。
前半では主人公の中年サラリーマンの仕事がらみの
左遷や派閥などのことが描かれていて、
ちょっとうだつの上がらない人だなと思えてしまいした。
そして不可解なメールから事件に巻き込まれたことによって、
徐々に家族の外部しか見えていなかったものが、
徐々に内部に近づくことになり今まで見えなかった
家族それぞれの核心まで触れることが出来て
ある意味この事件があったことで
自分の立場を見直せることが出来たて良かったのでは
なかったのかと思いました。
中盤から犯人が分かるのですが、そこから真犯人になるまで
一転二転していくのがちょっと無理矢理な感じがしました。
けれど、犯人となった人物から犯行動機を聞くと
そうなってしまうのもいかしかたがないという気持ちにもなりましたが、
こんなに同じ環境で育っても違うものなのかと考えてしまいました。
女はある意味怖いなとも思えたり、
本性が表れた所ではまるで別人のように
豹変しているのが更に怖さが増しました。
ある登場人物の言葉で
「自分のことを棚に上げて言わせていただきますが、
愛するということは、何があっても信じることではないのでしょうか。
そしてわが身に代えてもかばうことではないでしょうか」
ということもあり、
この作品からはまさに「中年男の鈍感さは、それだけでも犯罪」
というのが印象的であり特徴的だと思います。
読みやすくて一気読みするにはお勧めな作品だと思います。
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「え!」と驚くような展開と、
「は?」と思えるような設定を織り交ぜながら進むストーリー。
しかしページの構成が先へ先へと進ませる編集で、
その1ページをめくった先で誰が何をしたのか、誰が何を言ったのかが気になってしまい、最後まで一気に読み進めてしまった。
鈍感で、考えが甘くて、周りから見下されて生きている中年男が願う、家族のあり方。
この家族の関係が今、より強固に結びついているならいいなあ。
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「代償」でも感じたけれど、イライラさせる人間の描写がじょうず。
今作は主人公の賢一。作中に中年男の鈍感さについて指摘されているけど、鈍感さと言うよりは
勝手さにイライラ。娘とのやり取りにイライラ、
出向先の若い事務員とのやり取りにイライラ。
あと、義理の父親にもイライラ。
こんなにイライラしたのに結末がいろんな意味で「え?」って感じだったから、読後感は悪くない
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犯人以外の主要人物はみんな
当然その行動に正解も不正解も無いけど
何だかんだで他人ことを考えられる人間味のある人たち。
一方的に被害妄想に駆られ
他人の幸せを妬み、破滅させることにしか意識を
向けることの出来なかった犯人には同情の余地も無い。
しかし、倫子の本当の身の上で、命名が「倫子」って。
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揺らいで脆くなってしまった家族間の絆のようなモノ…その大切な絆に向き合っていたような、必ずしもそうではなかったかもしれないような主人公…探り続ける中で状況が二転三転し、次第に明らかになる驚きの真相…実に興味深い!
やや冴えない状況に陥っている主人公の状況が、題名のように「悪寒を覚えざるを得ない…」という様子になってしまう…が、そこから見出すモノは何か?一部には事件に巻き込まれた、犯罪捜査関係者でも何でもない普通のサラリーマンが、事の真相を知ろうと藻掻く感じの物語だが…妻の裁判が始まって、何やら「リーガルサスペンス」と呼ばれるモノのような空気感も醸し出す…
流石に、8月に初版が出て、既に第3刷となっている「好評につき、売れ行き好調」の文庫本である。なかなかに愉しめる一冊だ!
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しょうもない男が、しょうもないまま終わっていきます。真壁刑事が「痣」に登場するらしいので、こっちの作品のほうが面白そうです。
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この本はノーマークだったが、新聞広告を見て惹かれたのでリストに入れていたところ、さっそく中古本屋にあったので買ってみた。
左遷による地方での単身生活、陰湿な上司、上がらぬ営業成績、妻娘の離心、母の認知症、ひとり親しくなる女子社員などありがちな要素のてんこ盛りだが、ちっとも話が進まない中、それでも仄めかされる左遷の経緯と冒頭の法廷場面につながる謎解きを頼りに読み進める。
50頁を過ぎてようやく話が動き出したが、主人公の藤井という男、何の当てもないまま行き当たりばったりに行動し、確かにこういう状況に置かれればそうなるのかもしれないし、女性軍に翻弄されて気の毒だが、心情的にはほだされず。
話の作りはとても良く出来ていると思うが、犯人の心情や動機がいまいちピンとこず、派閥を争う偉いさん兄弟がああいう小物の男に取り合うのも現実味を覚えないなど、話の運びも含めて全体的に好きになれずでした。
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店頭で帯を見て気になって購入した本。最後まで展開が読めなくて、早く結果が知りたくなりながら読み進めた。
思いの外、最後はすっきり?したのが驚き。
最初は冴えない中年サラリーマンに、組織で働くってたいへんだよねというのと、父親の威厳もないかぁと情けない気持ちで読んでいたけど、
あのメール1本で帰るとか、そこは決断力あるのねとちょいと感動してしまったりした。
最初にあの男が倫子を、しかも睡眠薬で、というくだりのときには、作者さんの代償を読んでいたので、また?という思いが拭えなかったけど、そんな単純な話ではなかった。
まさかのあの人が、こんなに豹変する?というのが驚きだったけど、ようやくもやもやが晴れて納得。すっきりした。
しかし、確かに娘に吹き込むのはやり方がひどい。やりすぎ。まさか賢一が鉄拳を食らわすのでは?と冷や冷やした。
第二部はほんとにイッキ読みで、なんとなく予想していた感想を良い方に裏切ってくれました。
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会社の不祥事の責任をとることで山県の酒田の営業所に飛ばされた本作の主人公。東京に残る妻が会社の専務を殺したとの容疑で逮捕され、翻弄されることに。
本作に代償での女弁護士が登場したりと、ヨコの繋がりが嬉しい。理不尽な上層部の横柄さと、出向してからよそよそしい家族の姿に悩む主人公が最初は可哀想に見えた。そもそも会社の人事は理不尽なものかもしれないと思い知らされたり。
ひとの気持ちの醜い部分が物語の後半に現れるけど、最も身近なひとだからこそ憎悪の象徴となる。最後の妻の告白は、犯人が聞けば多少なりとも救うことになるのか。微妙だけどこればかりは今さら矯正も難しいかなと。
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庇いに庇いまくって何が何だかという感じはありますが。中々面白かったです。
途中から優子が犯人では?と薄々感じますので、もう少しどんでん返し的なのが欲しかった。
しかし、本編とは関係ないが、主人公の賢司には終始イライラする。こんなうだつの上がらなそうな男は何もなくても遅かれ早かれどっかに飛ばされたであろう。