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ショッピングモールで起きた無差別テロ。
高校生のいずみは事件に巻き込まれてしまう。
そこから、彼女の人生は変わってしまった。
悪いのは犯人。
しかし、無責任なことを言う世間にも腹が立つ。
私もその中のひとりになってはいないだろうか。
いろいろ考えさせられた。
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第162回直木賞候補の一冊。
石田衣良さんの大人の放課後ラジオで紹介されていて気になった一冊。
あらすじからしてとてもドラマティックで真相を求めて次々とページをめくった。
すぐにでも映像化できそうなくらいの圧倒的なスピード感と描写力だった。
あっという間に読み終えてしまった。
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200112*読了
直木賞予想企画、候補作5冊のうち最後に選んだのがこの作品。
うん、この作品を最後にしてよかったかもしれない。
重い…あまりにも重く苦しすぎる小説でした。
休日11時のショッピングモールを襲った21人を銃で殺害した事件。犯人に捕らわれ、目の前で9人も殺された少女、いずみ。そして生き残りである彼女と同じ学校の生徒であった梢枝…。
世間の声って恐ろしい。でも、自分がこの時間に何の関係もなかったり、被害者の身内であったりしたなら、やっぱりいずみのことを糾弾してしまうのではないだろうか。そして、自分がもし事件に巻き込まれいずみの立場になったなら、同じように目の前で殺される人たちを救おうとは思えなかったのではないだろうか。
弁護士の徳下に集められた、事件当日にショッピングモールにいた5人。それぞれが語る話のどれが真実なのか、そしてどんな秘密を抱えているのか…。
いずみ以外でも、もし自分がこの人の立場なら…ということを考えずにはいられない展開が続き、今も胸の中に何か重たい塊が詰まっているような、そんな心地。
呉勝浩さんも直木賞を予想することになって初めて知った作家さんだし、この小説も普段読むテイストとはかけ離れているので、予想企画をしなければ読む可能性は低かったはず。そう思うと本の出会いは運命的だなぁ、と思います。
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大型ショッピングモールで起こった大量殺人事件。
その中で生き残った人々より語られる当時の事実と嘘。
語り手の心情にも謎が隠れているにも関わらず、最後までとっちらかることなく熱中して読めた。
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ぐいぐい読ませる力はあると思うので、本作に人気が出るのは分かる気がします。
無差別殺人の被害者を将棋の駒のように扱っている点に文句をいう人はいるでしょうけど、あえてそこには目をつぶりましょう。
しかし、細部のリアリティに関していうと・・・。
一番納得できなかったのは、いくら主人公の女の子が犠牲者を誰にするか指名したとしても、それをもって世間から糾弾されるなんてことがあるのかという点でした。
百歩譲ってそういう状況になったとするなら、告発者の女の子に対してもその反動で疑惑の声があがるのでは。
他にも、徳下という男が「お茶会」と称して生き残った人々を集めた理由も、集まった面々の理由も弱いですし、「お茶会」で一般に知られていない事実がいとも簡単に出てくる点も何だかなあという感じが。
3階にいた人々が非常階段を使って逃げようとしなかったのはまだ分からなくもないけど、瀕死の人間が警察や消防ではなく、仕事場に助けを求める電話をするものでしょうか。
これらはいずれも物語の展開の都合上、無理に造られたものという印象が拭えませんでした。
結局、いろいろと引っかかっていまひとつ乗り切れず、いち読者としてはどこか他人事のように感じられ(実際他人事なんだけど)、いずみという被害者の女の子にもあまり感情移入できませんでした。
彼女が抱いていた屈託自体はなかなか興味深かったので、何だかもったいなかったなあと。
いっそのことリアリティなんかクソくらえみたいなノリで、最後までB級感を徹底させたほうが良かったのではないかと思いました。
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一連の犯行が終わってからの展開がすごい。
それぞれが自分の守りたいことを隠しつつ、虚実入り交じるやり取りをかわす。
極限での半ば本能的な行動にどこまで責任を負うべきなのか。
犯人が死亡した後に残された遺族は怒りの矛先をどこに向ければいいのか。
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超長い。
まんまと騙される良い読者なんだけど、長かったー。
先が知りたくて知りたくて頑張って読んだ。
時々ちぐはぐな感じがしたのだけれど、
展開には引き込まれた。
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ショッピングモール「スワン」で起きる突然のテロ。犯人、被害者の描写が、もし自分がテロに巻き込まれたら、と想像をかき立てます。生き延びた主人公が、メディアに情報を拡散されたことで辛い状況となり…テロも怖いですが、この辺りもリアルに怖い一冊です。
https://opac.shodai.ac.jp/opac/volume/540860?current=2&q=%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%B3&total=21&trans_url=%2Fopac%2Fsearch%3Fcount%3D20%26defaultpage%3D1%26defaulttarget%3Dlocal%26order%3Drecommended_d%26q%3D%25E3%2582%25B9%25E3%2583%25AF%25E3%2583%25B3
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スワン
呉勝浩さん。
凄かった。
凄いお話でした。
自分だったら??
怖い。
この本は、オススメです。
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日々の事柄は、その場その場で正しくても間違っていても決断していく以外、どうしようもない。 その時はその時の最善を瞬間的に考えて生きている。 白か黒か物事はしっかり分かれているわけではない。グレーな部分や、マーブルな部分が占めている割合も多い。それは感情でさえも。 この作品は、殺人現場での人の瞬間的な決断について描かれている。それは自己防衛の究極であり、その瞬間についての白黒は判定できない。 人としてのさが。生き物としてのさがと、物事と感情の混沌性、多様性、瞬間性について考えさせられる面白い作品でした。
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直木賞候補作ということで期待して読んでみた。
ショッピングモール『スワン』で突然起こった無差別銃撃事件。21人の死者を出した事件は犯人の自殺によって幕を閉じる。
その後、事件で母親を亡くした吉村の命を受け、弁護士の特下が事件の真相を探るべく、生き残った5人を集め、奇妙な集会が始まる。
やがて、真相に近づいてきた頃、5人のうちの1人の男性の行方がわからなくなって・・・。
この物語の面白いところは、核とも言える無差別銃撃事件は物語の序盤で終結を迎える。その後、生き残った5人が集められ、事件の真相を暴いていくというストーリーなのだが、誰が嘘をついているのか。そして、なぜこの5人が集められたのか。徐々に真相に近づいていくに従って、先へ先へと気になってしまった。
そして、終盤に差し掛かった頃、もう1つの事件が起きてしまう。
ただ、その時には犯人も読めてしまったし、そこまで意外性もなかったのも残念。また、著者の企みと読み手が受ける衝撃にはかなりギャップがある作品だったように感じた。
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ネタバレしないで魅力を伝えるのはなかなか難しい内容であります。
というのも、この作者の本は基本的にダウナーな感じの本が多いので、読んでいる時にテンションが高まっていくことが無いからです。
大量殺人現場の生き残りに対する世間のバッシングのキチガイさが、人間不信になりそうなレベルで胸糞。実際にこんな事件が起きた時に、生き残りの少女を悪として判断するような事があるだろうか。ここまで酷くないだろうと思いつつも、擁護の声よりも批判の声の方が大きく聞こえるし、マイナスの要素の方が世間の耳目を集めることを考えるとあり得ない事ではないのかな。
被害者たちが集められて、各々の当日の行動をプロットしていく事で、あるご老人の死の真相を解明しようと試みます。
各々の抱える後ろ暗さがチラチラ垣間見えて先が気になります。誰も殺人者たちと接点はないのに、日常と陸続きの知られたくない事を皆が抱えている現実。
呉さんはそもそも、人の心をマイナス方面に引っ張っていくのに長けています。とても面白い本を書きますが、基本的にみんな自分勝手で昏い何かを含んでいます。
制服警官を描いた「ライオンブルー」なんて警察不信なのかこの人と思うくらいひどい話でした、でもそこがいい。
本書はそれに比べれば、入り口は大量殺人ですが、人々が光に向かって踏み出そうともがいている姿を描いていると言えます。熱中出来る本ではないし、スキッとしない感じがありますが、雨空の遠い向こうで薄っすら見える日の光のように目が離せない本です。
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ネタバレせずにこの魅力を伝えるのは困難だ。
でもネタバレしたら読む気が失せるのも間違い無いし、でもひとりでも多くの人に読んで欲しいし。
これは期待を裏切らないし、綺麗な型に嵌めようともしてない。
歪んだ形のまま、綺麗にフィナーレを結ぶ
いつか二人のスワンを見たいなぁと思いつつ。
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武装した男たちがショッピングモールで殺戮を始めた。その犯人のうち一人はスカイラウンジにて少女(いずみ)を捕らえ、彼女に選ばせつつ何人も殺していった。犯人たちは最後に自殺をする。事件より半年後、モールにいたという5人が、ある被害者の家族の弁護士より召集された。家族の死を明らかにするため、事件のことを生き残った人に聞きたいという。5人の中には、黙秘するものもあれば、嘘をつくものもいた。また、いずみは事件の被害者・梢の証言により、犯人に誰を殺すか指名され、そのことで生き延びたとと週刊誌に報じられ、非難の的となった。死の真相を含め、いくつかの謎が解明される。直木賞候補作。
始めより衝撃的な殺戮シーンで始まり圧倒され、犯人たちについての物語かと思ったら、そうでなかった。事件は、60ページくらいで終わり、その後は5人がその時どう行動していたか、お茶会メンバーの話と梢の話が淡々と続いてゆき、勢いが違くてチグハグを感じた。読んでいるうちに事件は明らかになってゆくけれど、この本でも感じたことは、ネットやらマスコミの怖さかなあ。非難する人は無責任すぎるし、想像力を持ってくださいねと思うのよね。表面的なもので終わらせず背景にあるものをね。
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2月-18。3.0点。
あるショッピングセンターで、犯人二人による銃乱射事件発生。被害者の老婦人の息子が、母親の死の真相を知ろうと、被害者の内5名を集める。
バレエが趣味の高校生、秘密を抱えてずっといた。
秘密の暴露がちょっと冗長な部分もあったけど、なかなか面白かった。