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シリーズ第3弾。
あまり登場人物の詳細は覚えていないが、前作で北陸新幹線の爆破テロを防げなかった黒江は退職したらしい、と言うところから始まる。
一方、辺野古移設に絡む過激派の捜査を命じられていた上司の古池は、ある政治家のパーティで黒江と再会する。
退職したと言い張る校長と、全く違う人物となって古池の前に現れた黒江に戸惑う古池。
前作ほどの大規模なテロの話ではないが、諜報活動の先が見えない展開についつい一気読み。
他のシリーズでは、気持ち悪いくらい恋愛ネタを入れて来るが、今シリーズではハードボイルドを意識しているのか、もう恋愛ネタを超えて、ただの親父の妄想のような性描写が多いのが、他のシリーズ以上に気持ち悪い。
いくら諜報活動の一環としても、そこまで性に飢えてないだろう…成功の可否がそこにかかっているかのような表現も頂けない。
そろそろ元ネタだけで勝負してもいいと思うのだが…
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待望の十三階シリーズ第3弾。展開もプロットも多少粗い面は否めないが、映画を観ているようなスピード感と迫力に圧倒されながら読破できるのでそんなに気にならない。抜群に面白く、1作目・2作目を改めて読み返したくなった。
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公安の古池は、三里塚闘争で亡くなった警官の孫。辺野古で暗躍する左翼グループの捜査の過程で出てきた国会議員の裏側。かつて古池を激しく愛したスパイ愛花が必要になった。そして公安メンバーとして鍛えた黒江律子は辞めたと上司は言うが、やはりスパイとして仕事をしていた。
面白い!スパイ同士の結婚とか、とんでもないストーリーがグルグル回る。
アダルトな描写、グロテスクな描写がかなり多いのが若干過剰かなと思わなくもないが、兎に角どんでん返しの嵐に翻弄された。
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ものすごく面白いが、シリーズ3作目にしてリアリティがなくなってしまった。
公安だからといって、「何でもあり」がありすぎなのでは?
エロいのは今までどおり警察小説としてはやり過ぎ感はあるもののまだよいとしても、グロいのはキツい。
いや、目まぐるしい展開はよく出来ているんですけど、公安を使ったエンタメになってしまったようで残念。
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本書にキャッチコピーをつけるとしたら
R-18指定・公安スパイアクションエンターテインメントの傑作!!
だろうか。
本書は、人気の『十三階の女』シリーズの第3弾となる。
この『十三階』シリーズは、警察庁の公安部最高機密部門『十三階』に所属する警視庁の女性公安捜査員・黒江律子が主人公として活躍するシリーズだが、この3作目は、黒江の上司・古池警部補がほぼ主人公として活躍している。
1作目『十三階の女』、2作目『十三階の神』で黒江律子が、時には『女』を武器にしてテロリストと対決していたのだが、2作目のラストは黒江にとってはあまりにも無残な終わり方だった。
この3作目では、その黒江が警視庁を退職したのでは、というところからストーリーが始まり、1作目から黒江の上司であり、黒江を育てたベテラン公安捜査員・古池警部補が主人公となる。もちろん、黒江も後々登場し、活躍することになるのだが、それは読んでからのお楽しみだ。
本書は、はっきり言って面白い。
しかし、本作は3作目にして完全にエンターテインメント方向にかじを切ったのか、現実の警察捜査についてのリアリティーさが無くなったように感じる。
本シリーズの1作目、2作目では、著者はかなり警察捜査等を取材し、いわゆる『警察小説』としてのリアリティーさを重視していたように思うのだが、本作では警察捜査の手法として首をかしげる部分が多々あった。
さすがにテロリストだからといって公安刑事が相手を処刑し、その痕跡を公安警察の『隠蔽班』が出動し、『無かったことにする』というようなことはないだろう・・・。
秘密組織の『公安』だからといって、何をしても良いというわけじゃない。
そしてエログロ(というか「汚い」)描写も多くなった(1、2作でのあのギリギリの緊迫した描写が、もう「それは当たり前」みたいな感じに変わってしまったといえば本シリーズのファンには分かりやすいだろうか)。
1作目、2作目を読んだときに、黒江律子が立ち向かう困難に対して「律子にそこまでさせるのか!!!(血の涙を流しながら)」と本に向かって叫んでいた自分が懐かしい(←遠い目)。
と言う訳で、本書はもはや『警察小説』ではなく、完全な『スパイアクション小説』になってしまった。
ただ、ストーリーはかなり面白いので、今後はこの『十三階』シリーズは純粋に『スパイアクションもの』として楽しんでいきたいと思う。
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<十三階シリーズ>の第3弾。巻を重ねるごとに悲惨な話になってくる。血塗られたその手で、我が子を抱けるのか。
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「十三階の血」吉川 英梨
シリーズ3作目。
エグいし痛いしエロいし!もう大変!
読んでて誰を信じていいんだかわからなくなってくる。
妊娠さえも利用する十三階ってどうなのよ
「十三階の純血」なんて、怖いわぁこのセリフ。
大体、律子も古池も壊れてるしなぁ。
新しい上司の乃理子が嫌なタイプだわぁと思っていたけれど
最後に古池にガツンと言われるのは気持ちよかった。
「敬意を払え!」当然よねぇ。
しんどいわぁ痛いわぁ、と思いながらも
読むのをやめられなくて一気に読んだら明け方だった。
さすがだわ、面白いわ。
それくらい、次が気になるし最後の最後まで気が抜けない。
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テロリストと公安の闘い。
ジャック・バウアーのような古池、ニーナ・マイヤーズのような黒江律子。味方なのか、裏切りなのか、最後まで分からない。辺野古問題と成田闘争という実在の事件に絡めたストーリーは迫力があった。
場面展開で分かりにくいのが残念。
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警視庁公安部の十三階シリーズ最新作。
古池は現場に復帰、沖縄の基地問題に関わっている。現場に復帰した頃、部下の黒江律子は警視庁を退職したと新しい上司・通称校長の藤本乃里子に言われる。が、実は首相マスターの案件で沖縄出身の議員・儀間の公設秘書として潜入捜査中であった。あるパーティーで再会、その後妊娠、古池の子だが儀間の子と偽り結婚。一方、古池にも婚姻届を送ってきて二人は夫婦になる…一緒には住めないけど・・・それぞれの案件に取り組みそれが同じ沖縄に絡んでいた為、結局最後は古池が作業玉を使い、自身のまたまた重傷を負いながら解決させる。古池と黒江のきずなの強さを感じさせられた先品。
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十三階シリーズ3作目。重傷を負った古池が現場復帰。辺野古基地移設に反対する過激派団体「第七セクト」を内偵。上司に頼まれて出席した政治家のパーティーで退職したという黒江に会う。黒江は名前を変えて、沖縄3区選出議員の公設第二秘書をしていた。古池は黒江を呼び出し地下駐車場で愛し合う。パーティーに戻ると、怪しい男を捉えるが、その男は陽動であった。その時、官房長官がヒ素を飲まされ倒れたのだ。一週間前に官邸にヒ素と基地辺野古移設を反対する趣旨の文章が送られていた、そのことと関連があるのか。古池は昔の作業玉を使い、事件を追う。
ますます派手な内容になってきちゃったね。黒江律子シリーズといいながらも今回は古池! 公安のエースの活躍のお話。相変わらず、エロいシーン、どぎついシーンが多いけれど、古池の十三階魂が凄まじい、特に後半。目的のためには手段を選ばない彼であるが、今回は新しいトップの乃里子や黒江に振り回されて、苦しんでと心理戦も楽しめた。内容も最後まで古池がどうなるか、律子がどう動くか誰が味方になっているか、目が離せなかった。その他、古池の家計のお話や、そこまでやるのかと衝撃あり、愛花の最後やらも読みいり…読みどころ満載。純正の血の誕生もあるが、今回の結末がどう続くのか、期待大。律子のお話ももちろんいいけれど、時々古池のどS丸出しのお話でも読んでみたいなあ。
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もちろんフィクションなのは百も承知だけれど、世界観に妙な生々しさがあって、これに近しい組織がこの国にもあるんだろうなと感じた。
『ハニートラップ』なんて言うのは我々でも知っている言葉だし…。
以前にも、人はメリーゴーランドの上で架空のデットヒートに興じているという内容の村上春樹さんの文章を引用させてもらったけれど、悪い意味でこの作品に出てくる人の殆どがそれに近い妄想に翻弄されている様に思った。
おまえが悪いおまえが悪いと国をも巻き込んであたかも大義の如く互いを罵りあって、ただ元を辿って遡っていくとそれは結局ただの私怨に過ぎなかったりする…のだ。
そういう意味でよくある表現だけど、これは悲劇のような喜劇のおはなし。
まぁ、俺は笑えないけど。
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潜入スパイの物語
シリーズだがこの作品から読むが
壮絶で読むのが嫌になるシーンが
次々とくる(吉川先生らしい)
ナルホドや意外、まさかの連続で
種明かしだと思うとひっくり返す
決着の筈が新たな展開・・・
高校事変シリーズもそうだが今の
読者は欲しがりすぎであり、その
成れの果てが子の様な作者だろう
こういう本の読書は疲れる(´・ω・`)
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6月-4。3.5点。
公安黒江律子シリーズ。恋人且つ上司である古池、辺野古反対運動に協力する組織を壊滅させるため、作戦に。
スタート時にあるパーティーに行くと、退職して実家にいるはずの黒江を見かける。
スピード感あり。ラストまで気を抜けないだまし合い。
面白かった。
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公安秘密組織「十三階」のシリーズ。
公安とテロリストの攻防戦。
今回、昭和46年の三里塚の闘争から話しが始まる。
この繋がりが女スパイ律子の上司である古池と関連して今に関わってくる。
彼らの結婚、律子の出産は計画なのか?
誰が本当のことを言っているのか…
騙し騙され…誰のことも信用できなくなってくる。
息を呑む勢いで読破したのだが。
今回は、過激過ぎる。あまりにも残酷過ぎる。
まるで自分の身体をナイフで抉られたような…
痛みが残るような…
なんとも言えない気持ちを残したまま終わった。
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十三階シリーズ。思いがけない展開から結婚することになった律子と古池。しかしそれぞれの任務においてそれぞれに立たされる苦しい立場の二人。あまりに壮絶で息苦しい愛の形は、もはや愛といっていいのかなんだかわかりません。まったくもって安心して読むことのできないシリーズです。
「この組織はおかしい」「狂っている」って……うん、ごもっとも。一般的な価値基準からしたらそうだよなあ。国家の安寧を守るという使命は立派ですが。それでもあんなものやこんなものを作戦のために利用し、なおかつ犠牲にするって。正気でできることではありません。テロリストも怖いけれど、何よりも十三階が怖い。本当に。
テロリストの攻防、律子や古池に訪れる危機、そして黒幕の正体と全貌。ぐいぐい引っ張られてノンストップで読めますが。ああ、またしてもとてつもなく凄絶で暗澹とした幕切れが……! 本当に救いがないなあ。