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左巻さんのニセ科学本、新作発見したので購入。
今回は学校に絞ったニセ科学が主体だが、水伝やEM菌は過去の著者の本を読んだことあれば、馴染みのものと思う。見所は、学校での展開例、読んでいて正直頭がクラクラしてきた。 採用してる学校の割合も出てるが、こういう話を小学校の道徳などで聞かなくて正直良かったと思うし、科学が好きなものとして、身近で遭遇したときに話ができるようにしておかないといけないと感じさせた。
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ニセ科学と呼ばれるものは数あれど、教育に持ち込んで子どもたちの科学リテラシーを歪ませるものは言語道断である。
教師の中には、悪意がなくとも無自覚にニセ科学に基づいた知識を生徒に刷り込んでしまうという可能性もある。
筆者はニセ科学を排除するための活動にも取り組んでおられ、頭が下がる。
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ニセ科学の例
水伝(自らの伝言)
EM(有用微生物群)
脳科学(脳内の代謝や血液量の変化を計っているだけ)
脳の10%しか使っていない
右脳型と左脳型
3歳までに脳は決定される。
ゲーム脳
ヘビの脳、ネコの脳、ヒトの脳
脳トレ(脳トレではなく、人と接触が増えたから)
粗食のススメ(寿命が延びたのはたんぱく質摂取が増えたから)
日本人の長は長い、は都市伝説。
白砂糖有害説
奇跡のリンゴ=むしろ耐性のため天然農薬が増えている可能性がある。腐らないのは微生物が生育できないリンゴ。
TOSSランド 放射線ホルミシス
江戸しぐさは、現代人が創作した
副教材の改ざん=女性の妊娠のしやすさの年齢による変化グラフ
狼少女アマラとカマラ=強度の自閉症であった可能性=シンク牧師の作り話
日頃から、素朴概念を使って手っ取り早く結論を出す訓練をしている。科学的な根拠やデータの分析をさぼる。
事実でないことを信じる思考傾向は、もともと人の心理にある。自分で自分を騙す、仕組み。あえて情報を歪め、誤認識する傾向がある=認知バイアス。
確証バイアス=自分の都合の良い事実だけしか見ない、集めない。
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「こんな非科学的なことを学校で教えてるよ!」という事例が紹介されている。
・・・が、なぜそういったニセ科学が教育の現場に蔓延ってしまうのか、それを防ぐにはどうしたらいいのか、親は、大人はどう動くべきなのか、そういう提言までの切込みが弱すぎる。
せっかく興味深いテーマなのに、ただのゴシップネタ本にとどまってしまった。
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学校で教えられるトンデモ科学を紹介。「水からの伝言」とEM (有用微生物群)を中心に科学的根拠のないニセ科学の事例。ちゃんとチェック機能が働かないと恐ろしい。
水に優しい言葉をかけると美しい結晶になり、汚い言葉をかけると結晶が崩れるという「水からの伝言」。科学的根拠のないことなのだが、それを授業に使う教師。他にもニセ科学を授業に持ち込む団体の存在。筆者は一つ一つ事例を挙げながら論破していく。あまりのトンデモ科学ぶりに読む方も疲れる。作者もいちいち引用するのに相当疲れたことだろう。
授業だけだなく我々科学オンチをだまそうとする手法はいくらでもあるようだ。ニセ科学で多い健康系、医学系。「波動」「共鳴」「抗酸化」「クラスター」「エネルギー」「活性」「免疫力」「即効性」「万能」「天然」、こんな言葉があると怪しい可能性が高いという。
筆者は中高の理科教師を長く勤めた方(姉もお世話になりました)。ニセ科学に騙されない為の科学リテラシーの必要性を強く説いている。
学校の授業、テレビなど騙されないためのリテラシー。今はネットで検索もしやすいので反対意見を探しやすいので、盲信しないよう注意すべきだろう。
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科学リテラシーって何、を考えさせられる本です。
ニセ科学とされるものは、以下の通り。
・水からの伝言
・EM菌関係と比嘉照夫
・TOSSという教育団体と向山洋一
特に商品で以下のキーワードは注意する。
波動、共鳴、抗酸化作用、クラスター、エネルギー、活性や活性化、免疫力、即効性、万能、天然
奇跡のリンゴ関係ネタで、無農薬で育てていると、リンゴ自体が自ら農薬を作り出して、虫食いに対抗することがある、と知れたのはよかった。木村秋則の話は、いわゆる実験室レベルの成功であって、再現性は確認されてないとのこと。これはこれで感動するお話しと思えば良い。
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●→引用
●無農薬野菜と聞くと、体によく安全・安心だというイメージが広まっている。しかし、虫の食害に対抗するために、野菜自身が多種類の防虫成分(天然農薬)を作り出すことをご存じだろうか。それが健康に悪い影響を与える可能性がある。(中略)天然農薬による害の代表的なものに、未熟なジャガイモを食べたことによる食中毒がある。未熟なジャガイモやその芽、日に当たって緑色になった部分にはソラニン類という毒性物質が多く、これが天然農薬となる。(中略)いっとき、本やテレビ、映画で大きな話題となった木村秋則氏の「奇跡のリンゴ」という話がある。(中略)リンゴが自分で作り出している農薬成分こそが天然農薬だ。リンゴが腐らないとしたら、微生物が生育できないリンゴである。そのリンゴはいったいどんな化学物質を含んでいるのか考えると、”奇跡”というより”恐怖”のリンゴだと私は思ってしまう。農薬を適度に使うことによって、リンゴが病気にかかりにくくなり、虫食いにやられなくなる。しかも農薬を使っても一部リンゴの果皮に残留農薬が検出されることがあるが、果肉からは検出されない。果皮で検出される量も基準値を下回っている。(中略)木村氏の無農薬農法がその後、全国で広がりを見せているようには思えない。
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この著者が以前に書いた本、「水はなんにも知らないよ」も読んだことがあります。当時、けっこう流行っていた「水はなんでも知っている」とかいう本に対する批判の内容で、実は勤め先で、この「なんでも知っている」の方を読んでいる人、正しいと信じている人が結構いるのに驚いて、両方を合わせ読んだのでした。
今回の本は、その内容も含めて他のニセ科学についても取り上げ、かつ、それが学校という教育現場で先生の手により正しいと、子どもたちへの教育効果があると信じられ教材に取り上げられてきたことを合わせて取り上げているところに興味を惹かれました。
取り上げられていたテーマは、「水からの伝言」「EM」「TOSS(Teachers' Organization of Skill Sharing)」「ゲーム脳を始めとしたニセ脳科学」「食育教育」「原発教育」、その他多々。一つ一つのテーマの内容、ニセ加減、などは個々に知っていることが多かったですが、それが実際に、教えるための指導要領案がTOSSによりサイト公開され、学校で先生たちに取り上げられ、正しいと信じられて教えられてきたこと、授業展開に活用されてきたことが驚きでした。
が、そういえば実際に子どもが小学生のころ、学校にPTAの用で行ったときに、職員室前の廊下に堂々と、水に、植物に良い言葉をかけようという掲示がされていたのでした。当時、見てすごくびっくりしたのでした。
大元の考えを広めた人達は、本当にそれを心から心底信じてのことなのか、それとも内心ではその怪しさを認識しつつ、隠しているのか、そこはわからないのですが。少なくとも、先生たちは子どもたちのためになる、「科学的」に正しい内容と信じて教えているところが、なかなか厳しい。一つ一つを、正しいかどうかファクトチェックするのは大変なことではあるし。正直なところ取り上げられているテーマのうち、「天然」「無農薬」あたりは、自分もこだわってきたものだし。
現状でも「コロナ」「ワクチン」「マスク」などや、「スマホ脳」「AI」など、科学的に正しいかどうか、根拠があるかどうか、きちんと調べ尽くしたりはしていないのが我ながら実情です。
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「水からの伝言」やEM(有用微生物群)が科学的な根拠が無いことやTOSS(教育技術法則化運動)が掲載している多くのニセ科学への注意喚起が込められていた。
実際に教育現場で教える教員でもニセ科学を信じ、それを子供たちへ伝えるというのは危険だと感じた。
3歳神話やゲーム脳、脳トレの効果など科学的に根拠の無いものを信じ込まないようにしたい。
「人間は、自分の信じていることと矛盾する証拠をむししたり、曲会する傾向があるだけではなく、自分の信じていることを裏付ける証拠な議論ばかりに目を向け、認知する心的傾向」
これを認知バイアスと呼び、自分に都合のよいことだけでなく、その情報に対する批判も見るようにしたい。
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「ニセ科学を学校に入り込ませてはならない」という、ある種、当たり前の主張をしているだけの本ですが、そう主張しなければならないほど、科学リテラシーの低い先生が多い、ということだと思います。
その一方で、巧妙なニセ科学もあるので、科学リテラシーが低くない先生も、ニセ科学に騙される危険性をつねに頭の片隅に置いておくことは大切かと思います。
科学リテラシーの低い先生、ということでいえば、少し前に、仕事の関係で、中学校の先生からいろいろと問い合わせを受ける機会があったのですが、数学や算数に関するリテラシーの低さを感じる問い合わせがたくさんありました。
先生の研修にはいろいろなものがあると思いますが、科学リテラシーの向上に関する研修は必須かも、と思いました。
とくにこれからは、統計に関する知見は必須だと思います。
科学に関する基本的な知識と、統計に関する基本的な知識があれば、見破れるニセ科学の種類・範囲は、ぐっと広がると思います。
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理科教育の専門家として、中学校教員を経て大学研究者としても活躍した著者が、日本の理科教育、ひいては科学教育を歪ませる”ニセ科学”の実態を明らかにする警鐘の書。
取り上げられているのは
・水に対して乱暴な言葉を浴びせれば結晶の形が乱雑になる、という「水からの伝言」
・有用微生物の働きで健康増進など様々なメリットがあるというEM菌
を始めとして、親学、ゲーム脳など広範な”ニセ科学”の数々である。
名前は聞いたことがあるものばかりであるが既にブームを過ぎたものが多いということもあり、こんなものが義務教育の中で実際に教えられた学校があった、という点に素直に驚愕する。
特にこれらのうちの一部、例えば「自らの伝言」が顕著であるが、授業で教えるのが難しい道徳的な概念を一見科学的に見えるように糊塗することで、現場の教師たちが道徳の授業などで使えるツールとして用いられた
、という点には特に留意する必要がある、と感じた。確かに他人に対して乱暴な言葉遣いをしない、というのは学校教育で教えるべき概念であることは否定しないが、その目的が正しいからといって、手法がこのように”ニセ科学”に依拠するものであるのは許されない。公教育においてはそうした現場の教師ニーズから、”ニセ科学”が忍び込んでいく、という悪しきプロセスには今後も気を付けなければならないのだと思う。
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水からの伝言などのニセ科学について、めちゃくちゃ詳しい本です。
考え方云々以前に、
「こういう危険な実践があるのだ」
ということを知るだけでも意味があると思います。
教育に関わる全ての人に読んで欲しいです。
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https://kinoden.kinokuniya.co.jp/shizuoka_university/bookdetail/p/KP00032394/