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「サピエンス全史」を彷彿とさせる作品であるが、本書は宇宙の始原から書き起こされ、時間軸の視点は全史とは大きく異なる。「サピエンス全史」は人類のオリジンを説くが、本書は万物のオリジンを説く。人類の歴史はオリジンストーリーのほんの一部でしかない。
本書で臨界と称される、次のステップへ進む特異点(オリジナルではthresholdか)も、8ステップあるうちの5までは人類誕生以前の話であり、臨界6に至って人類が誕生する。7は農耕。これにより、人類は爆発的に人口を増大させる。8が人新世、工業化・メガイノベーションを描く。これにより、人類は地球の環境をも左右できる存在となったのである。本書では、以後地球の終焉、太陽系の最後、宇宙の終末までを描く。
余りに取り扱うテーマが広大であるため、目新しい知見が綴られている訳ではないが、この世の始まりから終わりまでを描いた本は、他に類を見ないので、一読の価値ありである。
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歴史というものを、宇宙誕生から始まって今に至るビックヒストリーとしてとらえることで、私たち共通のオリジン・ストーリーに目を向けることを目的に書かれています。宇宙がどのようにして始まったかは分かっていないのですが、誕生直後からのことは大分解明されていることは素直に驚きでした。物質がどのように出来上がったのか、そこから生命がどのように誕生したのか、そして人間は・・・。私たちについて、その起源からのつながりの糸を感じることができます。
個々のオリジン・ストーリー(ナショナリズムなど)ではなく、宇宙全体の起源に目を向けることから、地球に住むもの全ての一員である意識を持つことができます。その意識のもとで、地球規模の問題について考えること。いまの臨界点を乗り越えるためのヒントが書かれています。
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宇宙の創生から、人ついのこの先の未来に至るまでを一連の流れとして捉えた意欲的な一冊。恒星や惑星の創生、生物の登場などの部分に多くを割いているので、いわゆる歴史を学びたいと思う人には向かない(実際に人類の歴史について触れているのは第三部の中の後半のみ)。宇宙の歩みをエントロピーが増大する世界と捉えて、その途中で複雑な構造物が構成され、より大きくエントロピーを増大させる転換点を臨界点と呼び、恒星の誕生から、人類の活動までを普遍的観点でまとめられているのは画期的であると感じた。
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ビックバンから宇宙の終わりまでのビックヒストリー。宇宙史、地球史、生命史、人類史を駆使した壮大なオリジンストーリー。
エネルギー、情報量、エントロピーなどがキーワード。
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宇宙の誕生から現在までの138億年の歴史を解説する本。
単なる時系列ではなく、大きな変化が起きた要因にフォーカスしながら進む。
著者のデイヴィッド・クリスチャンは米国に生まれ、オックスフォードで博士号を取得。オーストラリアのマッコーリー大学、米国のサンディエゴ州立大学を経て、現在ではまたマッコーリー大学で教鞭をとっている。
地球の誕生から現在までをたどる「ビッグヒストリー」を提唱し、ビル・ゲイツらの援助を受けて同プロジェクトを進めている。
我々ホモ・サピエンスがどこから来てどのように現在の世界を築いたかは多くの視点から語られている。
中学高校で学ぶ世界史の教科書を含めたオーソドックスな歴史があれば、より現代的に進化生物学の観点も取り入れ、通史よりも転換点にフォーカスしたユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」のうような本もある。
これらの本が、猿人の登場から始まるのに対し、本書では人類史について書かれているのは全体の1/3程度だ。
それ以前の、宇宙の誕生、地球の誕生、地球における生命の発生について全体の2/3を割いている。
地球における生命の登場と発展については、細胞生物学・進化生物学のテキストともオーバーラップするような内容だった。
自分は、宇宙物の起源に関する知識に乏しかったため、宇宙の誕生と地球の誕生については初見の情報が多く有用だったが、本書の記述だけだと、ビッグバン宇宙論や恒星と惑星が生まれる流れはあまりよく分からなかった。
生物と人類史のところも、多少の前提知識がないと理解しにくい記述は多いと思う。
各分野の知識が十分にある人には発見があまり無く、断片的な知識しかない人には理解が追いつかないところがあるという難しい立ち位置にある本だと感じる。
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ビルゲイツ推薦だって。読んでみたけどなかなか中に入ってこず、唯一最後の未来の章についてだけはパラパラと見られた。おそらくこの本のどこか一行にキラキラ輝く金言が入ってるんだろうけど、いまは別に良いや、という気持ち。必要ならまた手に取るだろう。
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ビッグバンにより宇宙ができてから、現在の人新世そしてその先に至る道程。ゴルディロックス(ちょうどよい)条件ができることで次のステージに進む、8つの臨界。恒星と銀河ができ、惑星と様々な元素ができ、原核生命が生まれ多細胞生物へと進化し、集団的学習ができる人類が地質年代を変えた。
生物は片隅でひっそり、というより地球の状態を形作る上での重要なプレイヤーであったこと。エントロピーに複雑税を払っていること。最初が最新、普段の生活の常識的な軽重が、オリジンストーリーでは逆転していること。
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宇宙誕生からの宇宙論的歴史がほとんど。
そしてその部分は科学雑誌のNewtonの方がわかりやすくて面白いと思う。
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1この本がテーマとしている問題提起は何か? どんな問題を提示し、 どんな解決方法を提案しているのか?
.専門分化された専門知識をまとめること、それを一つの学問として設立した
2この本はどのように始まり、どのように終わったか?
.作者がおりじんすとーりあ(万物の起源の物語)二以下に興味を持ったのかから始まりとより良い世界を築こうとする世界中学生、生徒にこの本を捧げるところで終わる
3 あなたはこの本から何を学びたいか?
.世界の歴史について、人の歴史を中心としない部分の歴史を学ぼうと思った
4この本が同じジャンルの他の本と似ている部分、 違う部分はどこだろう?
.似たような歴史の本のサピエンス全史などと似ている部分は知的革命、農業革命に触れているところで違いは人間活動を中心とした話ではなく物理エネルギーの流れで歴史を書いているところかと思われます
5 この本はなぜ重要なのか?
.エネルギーの流れを中心に書かれた、宇宙の始まりから現在、それから物理的にあり得る未来をまとめている点
6この本のタイトルは内容と合っているだろうか? あなたが本のタイトルを付け直すとしたら?
.オリジンストーリーは合っていると思います、付け直すとしたら、起源を調べる問題は難しいかもしくはここで言うオリジン(起源)のようなものがあるかもわからないので最新138億年全史とかだと内容とは合っているかもしれません
7この本のキーポイントやコンセプトは何だろう?
.起源の歴史についてをまとめたようとしたところ
8本の書き出だしをチェックして、作者は読者を引き込むために どんなトピックを展開しているか?
.万物の歴史について興味を持った気きっかけがロシアソヴィエトの歴史を教えているときに人類の歴史根源は競合的なものではあると言うことを伝えてしまうのではないかと言う疑問から始めたこところから展開しています
9 本で扱われているビジュアル・・・チャートラベル グラフ 写真図解から何を学んだか? それらの要素からどんな種類の情報を得ることができたか?
.人類の人口が本の中で人新世と呼ばれる時代に入ってから急激に人口が増えて、使用エネルギーが増大していることなどここまでのオリジンストーリー簡単にまとめた表から現在までの流れがわかります。写真などからはここまでの歴史において発掘されている化石や道具がどのようなも形をしているがわかります
10著者は読者に対してどう考えてほしいと思っているのだろうか?
.過去の歴史を見ることで現在人類が地球に影響を及ぼす量が大きくなった世界でどういう風により良くしていくかを考えてほしいと思っているように感じます
11人に勧めるとき、どの章どんな情報を1番に取り上げるか?
.一章あたりの最初の構造に書いてあるエントロピーによって物質がどう形作られるかのあたり
12 作者はこの本をおもしろくするために どのような工夫をしているだろうか?
歴史をエネルギーの流れでまとめているところ
13作者の主張のどこにできるか?その理由は何か?
.歴史からより良い世界を作っていこうというところには賛成します、その理由はこのような壮大���歴史から伝わってくることから自分たちの立ち位置を理解することは大切なよううに感じるところが理由になります
14 テーマを説明するために作者がどのような事例を 出しているのか? 興味深かった例は?
.人口とエネルギーの増え方を調査した事例などが興味深かったです
15 この本を読んでいるときにどんな感覚になったか?
.壮大な歴史に圧倒されながらも、今の自分たちについても生活がエネルギーのどの部分に当たりそうなのかを考えるような感覚になった
16 この本で最も重要な一文はどれか?その理由は何か?
.(少なくとも一つの宇宙では。だがまだまだ仕事は残っているかもしれない。)
これは、エントロピーによって構造や秩序は破壊されていくかもしれないがそれにはまだまだ時間がかかり、その間にオリジンストーリーを更新することなどが我々にもできるというようなことが示されていて、このような歴史に圧倒されてもできることはまだまだあるとが大事だと思わせてくれるところが良かったからです。
17本の内容を振り返って、自分にとって 一番さった箇所はどこか?
.植物が光合成で酸素を増やしすぎたために地球が凍結するくだりと、複雑な構造にはそれだけ多くの複雑税がかかるという部分
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「ビッグヒストリー」という言葉は聞いたことがあり気になっていたが、初めて本を読んでみた。宇宙、地球、生命、人間と段階を踏みながら、天文学、地質学、生物学、人類学、考古学、歴史学を紡ぎ合わせてストーリーは展開する。スケールの大きさについていくのは疲れるが、読み応えはあった。
根底にあるのは、宇宙が生まれてからエントロピーが増大してきたという点。threshold をこの本では臨界と訳しているが、これらの臨界に達した時に宇宙や地球、人類らは変質をしている。人新世のよい点、悪い点にフェアに触れたのちに最終章の終わり方はまた宇宙に戻る。壮大な話しでした。
著者は集合的学習を通じて人類が進化し、社会を形成してきたという。この本を通じた知の交流が起きれば、著者のいう「よい人新世」に向かうのでは?現実はそんな楽ではないかもしれないが、著者がほとんど触れていないインターネットを介したテクノロジーの進化を活かせば、可能かも?そんな楽観的な気持ちになった。