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肉親が認知症になってからどんな人が認知症になってしまうのかよく考えていた。どんな人でもなり得ることと個人の尊厳を大切にするべきだということを優しく諭してくれるような本。
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認知症を発症した人が書いた原稿なの?と思うほど分かりやすい。ただ、認知症を発症してからのことに関する記載は期待してたよりも少なかった。
「認知症を発症したからといって、人が変わるわけではない。自分が住んでいる世界は昔も今も連続しているし、昨日から今日へと自分自身は続いている」
いわれてみれば当たり前のことかもしれないけど、こういう視点が自分に欠けていたことを自覚する。
もう亡くなった祖母にももう少し違う対応ができたんじゃないかと、気持ちがチクチクしてしまった。
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自分の親もそろそろ危ないかなと思いつつ参考になればと思い手に取った一冊。ご自身が認知症になったと公表された著者の長谷川先生はすでに90歳で、認知症界の長嶋茂雄のような人らしい。認知症になった認知症研究者による新たな発見が綴られていることを期待したが、とりわけそういう内容ではなく、むしろ先生が関わってきた認知症の歴史と先生自身の人生の紹介、認知症というものがどういうものかを一般の人向けに分かってもらいたい、という内容でした。
老齢に伴う認知症は基本的には治らないもののようだが、認知症と診断されたからと言って旧に別の人間になるわけではない、連続した人間なんだということを周囲の人が理解して接し支えることが必要なのかも。読んでいて、認知症の研究というのは人間の脳、記憶と人間の意識、人格の研究に繋がるのだな、と感じた。
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以前テレビのドキュメンタリで先生のことを知りあれからお元気にされているようで嬉しくなった。文体がわかりやすく、ユーモア混じりで読みやすかったし、認知症に関心のある方からない方まで、話題にあがった時におすすめしたくなる一冊となった。パーソン・センタード・ケア=その人中心のケア、という考え方は認知症に限らず発達障害や保護犬との関わり方にも通じるなと思った。"にっこりわらった女の子"の章がとてもよかった。こういう人になりたい、という象徴。認知症の診断や薬についても具体的に知れて、以前より関心があったので興味深かった。生きているうちが花っていう考えは悟っているけど、先生がいうとすごく説得力がある。具体的な夢があるのも素敵だなって思った。まだまだ浸透していない問題も山積みだけど、これから自分も年老いてどんどん接する頻度が増えてくるはず、そういうときに自分のまわりで悩んでいる人にいち早く手助けできる人間でありたいと思うし認知症とかに限らず、人ひとりひとりを尊重して、尊重されて生きたいと思う
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読み飛ばせる話が多い本だった。孫娘さん(著者のではない)がしたという対応の仕方と,認知症は死のことばかり考えなくて済むようになるために与えられたものという考え方は,参考になったかな。
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先生とお話してるように伝わってくる本。
認知症患者さんも、あらためて1人の人間だと痛感した。もっとネガティブな本だと思ったけどここまでポジティブなのは、先生が達観しておられるからか、それとも「認知症は悪い病気じゃない」というメッセージなのか…。
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認知症についての本かとか思って
読んだけれど、それよりはご自身の経歴
みたいな内容だった。
とはいえ、読んでよかったなと思えた。
何度かでてきた
「生きているうちが花」という言葉が
印象に残った。
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とてもいい本だった。親が認知症になったら…、自分が認知症になったら…介護する側、当事者の側、どちらの側からも参考になる。
P44
「最も重要なのは、周囲が、認知症の人をそのままの状態で受け入れてくれることです。「認知症です」といわれたら、「そうですか。でも、大丈夫ですよ。こちらでもちゃんと考えますから、心配ありませんよ」といって、いろいろな工夫をしてあげることです。
どういう工夫をするか。その人との接し方を、それまでと同じようにすることです。それまでと同じというのは、自分と同じ「人」であるということを、第一に考えるということです。
周囲の人がいろいろ手助けしてくれても、その人本位でなければ意味がありません。工夫している人の自分勝手な都合を押し付けるのではなくて、その人の立場に立って、さりげなく支援の手を差し伸べてあげる――。」
なるほどなあ。「OK、それでいいのよ」と受け入れることは確かに何より重要なことで、障害のある人に対して、あるいは外国人に対して対応するときも同じじゃないかなと思う。
P59
認知症を疑った場合は、かかりつけの医師にまず相談するとよい。日本老年精神医学会では、学会が認定した「こころと認知症を診断できる病院&施設」をホームページ上で掲載。日本認知症学会も、学会が認定した全国の認知症専門医リストをホームページ上で掲載している。また、日本認知症ケア学会では、学会が認定した認知症ケア専門士のいる施設・団体をホームページ上に載せている。「認知症と家族の会」では、電話相談も行っている。
P170
脳血管性認知症を除くと、アルツハイマー型認知症を代表とする認知症の大部分は、「アミロイドβ」や「タウ」などと呼ばれる特定のたんぱく質が脳内に異常に蓄積し、神経細胞が死滅することで発症すると見られている。そのため、この特定のたんぱく質が脳に蓄積しないようにする薬剤の開発が行われ、有望な薬もあったが、効果が明らかにできず、これまでのところは開発中止が相次いでいる。
アルツハイマー型認知症を発症した時点では、すでにたんぱく質の蓄積による脳のダメージは進んでおり、多くの神経細胞が死滅してから原因物質に働きかけても手遅れではないかとの見方が広がり、発症前の人への投与で効果が出るのかどうかが焦点となっている。また、根本治療薬の開発が難しい原因として、上記のような発症原因に関する仮説がほんとうに正しいのかといった疑義や、効果の評価に時間がかかること、治験には被験者がたくさん必要なことなども指摘されている。
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認知症に実際なったお医者様が実体験を描かれた本。
認知症になると生活がどう変わるかが書かれているとともに、認知症が「痴呆症」と呼ばれた時代から、著者が医師として関わっていた歴史が興味深い。
これがKindleUnlimitedで読めて幸いでした。
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自分自身も認知症になった認知症専門医の長谷川さんの本。
脳がなんらかの影響で萎縮したりダメージを負うことで認知症になる。加齢に伴う影響が大きいため、人生100年時代では多くの高齢者が認知症になる。
認知症になっても、常に症状が出ているわけではなく、はっきりと思考できることもある。認知症患者を周りの人たちが心ない言葉や態度で傷つけることがあるが、きちんと一人の人間として扱うべき
相手が認知症の人であっても、きちんと待って聞いてあげれば分かり合える。待つということは相手に時間を差し上げるということ。
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認知症の第一人者であり、専門医である著者が認知症になりました…。
認知症になったら周りも自分もわからなくなる、そう思っていたが、
「認知症の本質は、暮らしの障害なんだよ」
という著者の言葉に、認知症の方への見方が変わったように思えます。
認知症患者が社会で生きるには、勿論周りの協力が不可欠かと思います。
ただ、決して子供扱いするのではなく、又あれこれ世話を焼いたりするのは、認知症の人からすると、さぞ迷惑な話なのであろう。その方の心は生きています。
人生100年時代を生きる高齢化社会の今、みなさんに読んで欲しい一冊です。
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図書館で借りてお正月休みに一気読み。
・認知症の医学的概要
・痴呆→認知症の社会的変遷
・認知症の人との関わりかた
・長谷川先生の功績、業績
が知れる。
明日から実践できる認知症(患者)との向き合いかた。
難しくなく、解りやすい。
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仕事柄読んでみたいと思って図書館で借りたけど、時間もなかったのと、本に入り込めず、途中で返却。
また時間がある時ゆっくり読みたい。
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出来ればそうならないでほしい、でくわしたくない出来事というのはあって、老いや病気、介護というのはその最たるものだと思う。しかし全てのものは老い朽ちていき、やがてなくなる。いつかは向き合わなければならないことだけど、人間経験したことがないことを想像するのは難しい。だからこそ当事者の言葉というのは価値のあるものだと思う。医者として客観的に認知症と関わってきた著者が、実際に当事者として現在進行形で感じていることをまとめた一冊。認知症という言葉のイメージに恐れず、何がどう変化していくのかを観察し、個人に合ったケアや付き合い方を模索する大切さを感じた。今から準備できることを少しずつでも始めようと思う。
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★きっかけ
テレビで長谷川先生が認知症になり、本を書いたと見て。認知症になった人が見ている世界を知りたかったから。
★感想
印象に残ったのは、
認知症になった人もそうでない人と同じ、今まで生きてきたことの延長であるということ。
認知症と診断されたからといって、急にその人のパーソナリティーが変わるわけではない。
長谷川先生が言う通り、認知症の人を自然と「あちらの人」、自分やそうでない人を「こちらの人」と分けてしまっていたなとドキリとした。
あと、嬉しい、楽しい、悲しい、つらいといった様々な感情は感じているということ。
認知症の人に対して、どうせ分からないだろう、忘れるからいいだろう、と粗末に扱ってしまったら、私たちと同じく悲しくて悔しい思いをするんだな、と改めて思った。
認知症の人が何か間違えたり、失敗した時にキツく当たってしまってないか?
認知症ではない私だって間違えたり、失敗する時はある。
認知症全体のことも分かりやすく書かれていて、知っていることも多くあったけど、長谷川先生が生涯を通じて(まさに生涯現役!)伝えたいことなんだな、と思いが強く伝わりました。
生きているなら、自分ができることを最大限にやる…長谷川先生の生き様、かっこいいです。