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第1回日本おいしい小説大賞
10歳と28歳と72歳。
無駄に大人びた不登校小学生男子と眼鏡とマスクが手放せない容貌コンプレックスな人妻と気ままなシングル不良老人。
おいしいごはんがつなぐ三人のほのぼの小説…と思いながら読みだしたのに、予想よりかなりシリアスな事情を抱える三人。大丈夫か、うまくいくのか、と心配で仕方ない。
ひとりひとり、誰もがなにかに悩んでいる。ちょっと不器用で、ちょっと真面目で、ちょっと頑固な彼らが、自分の足で一歩前に歩き出そうとする姿に、全力で応援してしまう。
ごはんを作ること。ごはんを食べること。誰かのために丁寧にごはんを作ること。それを一緒に食べること。いや、あおいしいものは正義!と心から思いましたね。
それにしても72歳シングル不良老人、匙さんのかっこよさよ。
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可愛らしい表紙とタイトルと裏腹に、なかなかシビアな人間関係の悩みと、理想と現実が描かれていて辛い部分もあれば、ホッとさせる料理シーンもバランスよく描かれていて ラストまで飽きさせない。
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登場人物の設定がおもしろい。
おいしい小説大賞受賞作品だが、食べ物の話はすくなめ。しかし、料理を通じて悩み等がほぐれていく様子は、心が温まって良い。
歳を重ねた男性にとって、罪作りな本かも?
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恋と料理の話。
44歳差の恋っていうのも凄い。確かに匙田さんは粋で格好良いし、魅力的な人だとは思う。でも72歳かぁ。これから恋愛するとなると・・・となんか考えてしまう。
作中に出てくる、匙田さんの踵は「日が経ったフランスパンの表面のように乾いていて、歯が立たないほどに堅そうだった。」っていう表現が好き。さらりとした色気を感じさせて、何より歯が立たないほどに手強い匙田さん自身を表してるよう。
おどおどと一見おとなしそうな顔して、急に爆弾発言する桐子が面白い。
匙田さんの甥を前にして「内縁の妻です」と堂々と嘘ついちゃうのには、思わずニヤニヤ。
匙田さんに振り回されてるようでいて、実際振り回してるのは桐子かも。
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美しいから幸せな人生を歩めるかというと、きっと桐子のように生きづらくなる人は少なからずいるのではないかと思う。やっと結婚して幸せになれるかと思ったら、夫はSNSで多くの人に認められることだけに執着して妻の気持ちなど見つめてくれない。
幸せと不幸せの別れ道ってどこにあるんだろうな。
桐子の運命の相手は匙田さんなんだろうか。わからない。でもこういうのって年齢は関係ないような気もする。
人生のどん底にいた桐子が匙田さんや祥太郎くんや墨田くんと出会って、傷ついた心が癒されていくのを感じて嬉しかった。
話の内容的には全然違うんだけど、鈴木るりかさんの書いた話とちょっと雰囲気が似てる。人と人のかかわり(それもちょっとぶっきらぼうな)で影響される心の内面を描いているところが似てるのかな。そして完全な悪人がいないところも。
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図書館で借りたもの。
容貌に強烈なコンプレックスを抱く28歳の桐子は、職場の高齢者向けマンション「みぎわ荘」でも人間関係をうまく築けない。もう辞めよう、そう思っていた桐子の前に「みぎわ荘」最上階の住人で、72歳の匙田が現れ…。
初読みの作家さん。
食べ物が出てきそうな話だし、装画が可愛かったので借りてみた。ポップな内容かと思いきや…なかなか重かった!
でも面白かった!
美人すぎることがコンプレックスの桐子と、「映え」のため、妻をマネキンのように扱う夫。
自分の気持ちをさらけ出して、離婚出来て良かった。
桐子と匙田さんのこれからが気になる!
出てくる料理もとってもおいしそうだった!
さすが「日本おいしい小説大賞」受賞作。
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どんどん感情を表に出せるようになっていく。思ったことを口に出せるようになっていく。いい人たちと巡りあえてよかったねと思うけど、二人の恋の行方はどうなんだろう。。
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タイトルから軽い恋愛話かと思って読み始めたが、全然軽くない。
とびきりきれいな顔を持つ苦悩がこんなに重いものであるとは想像がつかなかった。
桐子の結婚生活の精算と匙田さんとの再生の話
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「日本おいしい小説大賞」の第一回受賞作品
です。
ジャンルが問わない条件らしいですが、「食」
を絡めた作品にしてはあまりおいしさが伝わ
ってこないかな、食が少し脇役すぎるかな、
と思いました。
超絶美人が背負う不幸を、料理の腕がたつ壮
年の男性が陰ながら助けるというストーリー
です。
なんとなく漫画のようなキャラやストーリー
設定と思いがちですが、読後感は悪くなかっ
たです。
食は人なり、ですね。
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タイトルで予想していた物語とは、全く違う方向のお話でしたが、いい意味で裏切られたというか。考えさせられるお話でした。舞台も まさかの地元だったもので、景色がいろいろ浮かびました。紹介してくれた方に感謝です。
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料理も美味しそうだけど、取り巻く人間関係のストーリーが思っていた以上に深くて面白かった。
でも、ラストの展開には驚き…!!!
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第1回「日本おいしい小説大賞」受賞作と言う事で、美味しそうな料理の数々が登場するが、それはどちらかと言えば補助的な役割で軸になっているのは人間関係。
容貌に強烈なコンプレックスを抱く28歳の桐子とインスタに捏造した理想の夫婦の姿をアップする夫。
72歳の不良老人・匙田譲治との関わりで桐子の心が解きほぐされて行く。
極端なエピソードもあったが、心理描写が細やかに描かれていて引き込まれた。
なんと言っても匙田がカッコ良く、年齢なんて関係ないと思える人間力に惚れてしまう。
濃い内容とミスマッチな装丁・タイトルが勿体ない。
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自分の顔で嫌な思いばかりしてきた桐子はマスクと眼鏡を欠かさない。夫とも職場でも人間関係がうまく行かない─。そんな時、職場の高齢者向けマンションの入居者 匙田譲治と出会う。
第1回「日本おいしい小説大賞」受賞。
素敵なタイトル。(鰯七度洗えば鯛の味をもじってるんですね)
おいしい小説大賞ということですが、食べ物は登場少なめで主はヒューマンドラマという感じ。
44歳差の恋!?は微笑ましい雰囲気だったけど、やっぱり年齢差を考えるとどこか切なさが残る。
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匙田さんと祥太郎君、第6話が好き。変わった設定だったけれど読みにくいところは無かった。表紙の絵も可愛い。
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類稀な美貌の桐子は夫には内緒で高齢者施設で調理補助のパートをしている。人前ではその顔をマスクと眼鏡で隠し、周りと距離をとって暮らしている。
そんなある日、施設の入居者の匙田と関わったことから生活が変化していく。
夫とも理解し合えずに苦しい気持ちを持て余していた桐子が少しずつ変わっていく様子が描かれている。あまりの美しさから起きた様々な過去の出来事が桐子を苦しめていて、また本当なら一番の拠り所となるはずの夫も「桐子」ではなく「妻」という存在を欲しているだけだと感じている。
そんな桐子が匙田の作る料理とその人柄で救われていく。
始めは内にこもっていた桐子が少しずつ周りと打ち解けていくのが良かった。