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奇人バイきんぐ西村さんの生涯最後の書籍。
ジグソーパズル・猫の死骸・タクシードライバー、人間くさい圧倒的生命力を感じる文体はなんだ!?ブレイクタイムに読むエッセイとして最適。
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30代男性
広島のテレビ番組でピンでも活動しているところを見ていたので、読んでみました。
3-4ページ量でオチがついてるコラム集で、趣味、私生活、仕事と内容はバラエティーである。
西村さんは文章を書くのが苦手ということで、あまり期待していなかったのですが、一気に読んでしまうほど、面白かった。
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「産経プラス」にて2016年12月14日~2019年4月20日まで連載された「バイキング西村瑞樹の暇とY談と私」に大幅な加筆修正を加えて書籍化したエッセイ。
「とぼけた天然キャラ」という、TVで見る西村さんのイメージそのままの本でした。
まずこの本が特徴的なのが、おそらく筆者のイメージに寄せたのか、本の中身が他のエッセイよりも親しみやすいデザインになっている所です。ページの余白が多く、使われている字体も、ほとんどのエッセイは明朝体を使っているのに対してこの本はゴシック体を使用しており、ページを開いた瞬間からかなりとっつきやすい印象になっています。その上、1つの章が3~4ページと短いので、印象通りとても楽に読み進められます。
内容としては趣味や食事などのプライベートから仕事の話まで、世間話の様な何気ない話がほとんど。ただ、お笑い芸人という特殊な職業に就いており、なおかつ年齢、芸歴、下積み共に長い年月を重ねているだけあって、中には芸人さんらしいおもしろエピソードも様々ありました。しかしながら、西村さんは構成や語り口にあまり抑揚が無く、どんな話もフラットなテンションでのほほんと語るので、珍しい出来事も不思議と大爆笑エピソードという感じにはならず、そこがまた西村さんらしいな、と思いました。
日常の何気ない話を扱うエッセイと言えばハライチ・岩井さんの「僕の人生には事件が起きない」がありますが、彼の様に文章力や物事を見る角度で面白い話をするという感じではなく、それよりももっと些細な話がたくさんと、プラス、西村さんご自身の変人さや、それに伴って巻き起こる、岩井さんが言う所の「起きた事をそのまま話すだけで面白い」エピソードを楽しむ本という感じです。
帯に「※有益な情報もありませんが、ほんの少しだけ明るくなれます!」とある通り、特に為になる事も身になる事もほぼ書いてはありませんが(ビールの美味しい飲み方とかは書いてありました 笑)肩肘張らずにゆる~く生きる西村さんを見ていると、確かになんだか少し明るくなれるしホッとします。何と言うか、心が楽になると言いますか…。
私が特にそう思ったのが、キャンプをはじめとする西村さんの趣味についての話です。
この感想文を読んでいる人の中にも、趣味をお持ちの方はいらっしゃると思います。かく言う私も、お笑い、K-POP、マンガと幾つかの趣味を持っています。
Googleで「趣味 意味」と検索すると「専門としてではなく、楽しみとして愛好する事柄」と出る通り、本来は個人で楽しみ人生を豊かにするためのものですが、その趣味に関する知識や技術、熱量の様な「通具合」を他人と比較して、優位を競ってしまった経験、また、SNSなどでそんな光景を目にしたことはありませんか?
例えば私の趣味で言えば、K-POPの様なアイドル産業は特に、現場にどれだけ足を運んだかや、CDやグッズに幾らお金をつぎ込んだか、それと合わせて、アイドルに熱心なファンとして認知されているかなど「推しへの貢献度」をファン同士が競うという話をよく耳にします。
また、マンガであればグッズや関連書籍などのコレクター要素もそ��ですが、その作品に対する知識の豊富さや作品解釈のセンスで競ってマウントを取りあうイメージがあります。
お笑いは「推し貢献」と「知識・センス」が半々といった感じでしょうか。
私自身、人と競ったりマウントをとったりという事こそありませんが、自分より知識やセンスのある人や、ライブに足繁く通っている人と自分を比べて「私は全然だなぁ…」と落ち込んだ事があります。
ところがこの本を読んでいると、西村さんは自分と他人と比較するという事がほとんどなく、ひょうひょうと、とてもマイペースに趣味を楽しんでいます。
この本のタイトルにもなった1000ピースの「ジグソーパズル」は14年経っても完成しないし、「日本100名城スタンプラリー」は6年で17個――つまり1年で2~3個しか集まりません。
それでも西村さんは、完成しないジグソーパズルについてはサグラダ・ファミリアの設計者アントニオ・ガウディの言葉を引用して「神は急いではいない」と言ってのけるし、スタンプラリーに関しては「多いと思うか少ないと思うかは人それぞれ。来年からは「道の駅スタンプラリー」も始めようと思っている」と、人がどう思うかなんか気にしない様子です。
そんな西村さんを見ていると、趣味とは本来どういう物なのかを思い出させてもらえる気がして、「この位気楽でいていいんだよな」と、何だかホッとします。
しかしその一方、西村さんは「キャンプ」という趣味が自身のキャラクターとなって仕事に繋がり、更には冠番組を持てるようになるほどの「キャンプ通」でもあります。
「他人と競わないのに、他人より秀でる事ができる」…一見逆説的なようですが、マイペースな西村さんが「通」の域に達するには、キャンプの師匠であり、キャンプという趣味を一緒に楽しめる仲間でもあるホスト風ピン芸人・ヒロシさんの存在が大きく影響していた様です。
本書の第56回にて、西村さんは師匠であるヒロシさんとキャンプを楽しむ様について、次の様に書いています。
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ある時僕が一人で沖縄の無人島でキャンプすると、ヒロシさんは弟子に先を越された悔しさから、ロサンゼルスでキャンプを敢行、またある時は僕が四駆のランドクルーザーを買うと言うと、ヒロシさんは「じゃあ俺はジムニーだ!」といって一緒に車を身に行ったりもした。
そうやってどんどんキャンプ熱を高め合うのが凄く楽しかった。僕たちはいったいどこまでエスカレートしていくんだろうと。
「ジグソーパズル」 著:西村瑞樹
P.210 7~13行目より引用
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これを読むと、お二人はお互いを意識して行動をエスカレートさせながらも、あくまで一緒に楽しむ仲間という姿勢を崩しません。そうやって楽しむ姿勢を崩さなかった結果、今やお二人ともが「キャンプ」という趣味を仕事に昇華させています。
競争する要素が多少あっても、同じ趣味を共有する仲間の存在は、かえって楽しみを増幅させてよりのめり込む良いキッカケになるのかも知れませんね。
以上の様に、私が特にいいなと思ったのは趣味に対��る姿勢なのですが、そもそも私は西村さんに対して「キャンプが好きなヤバい人」位の認識しかなかったので、好きなもの嫌いなもの、その理由なんかが分かるだけでも面白かったです。
その他にもいろんなテーマのエッセイがありましたが、最後の3つはちょっと雰囲気が違っていて、それぞれヒロシさん、ハリウッドザコシショウさん、相方の小峠さんと、絆が深い芸人さんについて綴られていました。
それぞれの人物に対する尊敬、愛、感謝が伝わってきて素敵でした。芸人さんのエッセイで最後に相方さんについて語るのはあるあるですが、特に西村さんは真面目に相方さんについて語るイメージがなかったので面白かったです。
また、あとがきに書いてあった芸人と言う仕事への見方が凄くよかったです…。多くの芸人さんが芸人をやる理由も、きっとこれなんだろうなと思いました。
と、いう訳で、芸人さんのエッセイ本としては珍しく「じゃない方」兼「ネタを書いてない方」が書いたエッセイなので、普段相方さんの陰に隠れがちな芸人さんのパーソナルな部分が分かるという意味で、芸人好きな人なら楽しく読めると思います。
また、そこまでお笑いに詳しくない方でも、こちらはエッセイの中ではかなーーーり読みやすい部類なので、読書が苦手な人の活字慣れにいいのではないでしょうか。
それと、趣味や推し事に対して一生懸命になりすぎる人は、読むと少し肩の力を抜いて楽しむことができるようになるかも知れません。
もしご興味持たれましたら、ぜひ手に取ってみて下さいね。
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タイトルのジグソーパズルには、著者の異常性を表しているものだと思う。
特に期待せず読むのがよかったのか、読後感よかった。
あと、痛風を呼び込む最高の食べ方。
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ほのぼのとしていて、気楽に読めた。
今まで思っていたより、西村さんが実はまともな人なんじゃないかって思ったし、話は小気味良くて飽きずに読めた
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奇人のモノの考え方がわかる。まあ彼個人のものなんだろうけど。
人間ドックに行くことになって検便の話から、採取した便に名前をつけ
「不思議なことにどんなものでも名前をつけると愛着が湧くんですね。提出する際は、恥ずかしさよりも寂しさが若干上回った。」
ネタも書かないし本も読まないと最初に述べているが、出来上がったコラムはいずれも上手である。話の振り、展開、オチ、ときれいに形になっている。
もちろん素材がよいのだろうけど、担当編集の腕を感じる。
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西村さんの人柄が強く出ていた
キャンプキャラを定着させる気は最初はなかったのにいつの間にか始めたキャンプが仕事に繋がっていた。というのも西村さんの人柄があってこそだと思う。
人を笑わせるのが芸人だがまず自分が1番面白がってるという考え方がスゴイ。
個人的に秋のピークゲキムズ問題が1番共感した
めちゃくちゃ面白い、ってわけではなかった(笑)