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タイトル通り、「庭」に纏わる短編を収めたアンソロジー。
梅崎春生「庭の眺め」、ジョン・スタインペッック「白いウズラ」、岡本かの子「金魚繚乱」(←繚乱のりょうは本当は違う漢字)の三編。
梅崎春生はハズレないな。本当に。庭に馬が入ってくる場面が本当に面白い、かわいらしい面白さが詰まっている短編。
岡本かの子、初めて読んだけど時間の流れの作り方が絶妙だ。
くどくどしい描写と妙にあっさりしている描写との差に惹かれた。
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110930読了
とにかく最後のやつの文章がうつくしかった、とおもったら俳句のひとで明星派なのかあ、おぼえておこう
真ん中のやつもヒヤヒヤしながらよんだ
外国の人の狂気の表現ってやっぱり感覚ちがうのかな、怖さが2割り増しなきがする
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2013.3.28
『庭の眺め』梅崎春生
あるがままの空き地のような庭を眺める。
のんびりユーモア。久々のヒット。
『白いウズラ』スタインベック
女性の神秘とそれが理解できない男性。主題は好みなんだけど、やっぱりアメリカ人が書くと劇的なかんじになっちゃっていや。
『金魚繚乱』岡本かの子
使う言葉がきれい。歌人だったためか。金魚と真佐子がゆらりと重なる。
うーんでもなんか物足りない。もう少しぐらりゆらり感がほしい。
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梅﨑春生『庭の眺め』
スタインベック『白いウズラ』
岡本かの子『金魚撩乱』
スタインベックの作品がとてもよかった。
精神の輝きを悟っている直感的な妻、その妻を愛しつつも理解できない夫。散文と言うよりは、半分詩のような短編として読んだ。
妻の美しさ、その精神的世界は理屈ではなく、それを説明する文章もまた理論的なものではない。しかし、直感的なきらめき、自分でないものを自分の分身として感じとりキャッチする彼女の力には、それだけで不思議な世界観を感じる。
それゆえに、それを理解できないと苦しむ彼女の夫の苦悩がより迫ってきて、とてもよかった。
梅﨑春生の短編は、淡々としつつどこか剣呑な感じがするのが油断できない。アンソロジーの最初の話としてふさわしい。
岡本かの子の話は、私にはあまり入り込めなかった。どうも私は、岡本かの子という作家自体があまり好きではないようだ。
彼女の作品には、独特の「絢爛さ」を感じる。華がある。しかし、どうも私は、その華に魅力を感じないらしい……。
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テーマは大人しげだが割とクセの強いのがそろった。
梅?春生『庭の眺め』
うまいんだが辛気臭い感じ。
スタインベック『白いウズラ』
名前だけは知っていたがこんな作風なのか。庭に異常な執着を持つ美人奥様の話。
岡本かの子『金魚繚乱』
岡本太郎のお母さん。この作品がもっとも良かった。少年のひねくれた性と、どこか無機質なエロティックさのある金魚と。
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「庭の眺め」
なんと達観した、というか、広い心を持った、というか。
悟っているような、こだわりをぬぐおうとしているかのような、そんな視線を感じました。
空き地化した庭に、実に様々な動物や人(の気配)が出入りして、静かなようで実ににぎやかで豊かな、そんな庭。
季節や感情がぐるぐるとせわしくめぐっていく中で、それをゆったりと受け止めて楽しんでいる。
そんな庭であり、持ち主である。
私はこうはなれないなぁ。
「白いウズラ」
ああ、メアリーのご亭主の気持ちがわかる気がする。
なんていう最後の一言!
そう、彼はメアリーに愛されていない。
本当の意味では愛されていない。
白いウズラの象徴するもの。
それを壊してしまいたくなる彼の気持ちは、悲しく切ない。
ずっとメアリーの気持ちが主体で描かれてきて、最後で綺麗に覆り、ハリーの心にクローズアップされる。
だからこそ彼の寂しさが強烈に胸に迫る。
うまい。
「金魚撩乱」
なんというか、この煮え切らない、秘めたうじうじ感が日本っぽい。
最後の展開は読めた。
多分、あの池だな、と。
バロックやロココや、生活感のないお人形さんのようなお嬢様。
マネキンのようで非現実な女。
崖の上から飛んでゆけないその姿は、受け身で生きていくことの苦しさやわびしさを背負っているように見える。
偶然にできた、この上なく美しい金魚は、真佐子にも似ておらず、もっと美しい金魚だった。というのが、ちょっと面白かった。
失望か、否、それ以上の喜びか。
真佐子の幻影というか、恋というか、執着というか、呪いというか、それが解けた。のであってほしい。
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梅崎春生は以前に読んだはずなんだけど忘れていた。岡本かの子は持って回った文体が苦手。スタインベックが良かった。