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客商売は難しい。クレームの多い職種。ワガママな客と高圧的な旅行会社の板挟みの派遣添乗員のシゴトを悲喜こもごもに語る。
派遣が常態化した職種。派遣添乗員が経験したまさかの出来事、ありえない客などを切実に語る作品。
交通誘導員、メーター検針員などシリーズ化されているが、多くの妙な人が登場する人生の縮図という点で本書は良い。筆者が50歳で派遣添乗員になる前の人生経験が活かされているように思う。単にエピソードや奇人変人の紹介にとどまらないところは評価したい。
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フリーライターと派遣添乗員を兼業してるだけあって文章が上手く感性が豊か。ツアー添乗員はほとんどが旅行会社社員ではなく派遣だそうだ。筆者はサービス業は派遣添乗員が初めてで、この仕事を初めてから「穏やかになった、威張らなくなった」と妻に言われたそう。旅行会社社員に「添乗員さんのせいではないけれど」と言いつつうまくまとめられなかったことを指摘されれば反省してそれ以降は同じような状態にならないよう気をつける。50代から働き始めた職場で、著者が日々成長しており、ただただ尊敬する。若者ばかりのスキー客に「1日ありがとうございました」と言われたときは「自分はサービスを提供してくれた人に対してお礼の言葉を述べていただろうか」と振り替える。知的障害者の養護施設の旅行では朝から「名前は何て言うの?」「年はいくつなの?」「どうしてここにいるの?」「一緒に旅行に行くの?」と質問責め。参加者たちの素直に興奮する旅の様子に筆者がさらに素直に感動。最後は気づかれないように泣き出す始末(笑)
筆者の相棒の女性添乗員は、舞台俳優志望、水商売の経験豊富で、酔っぱらった客の孫に「坊や、おじいちゃんみたいになっちゃダメよ」と言って車内のみんなを笑わせた。彼女だからこそ受けた状況に「他の人が同じことをやってもダメ。万人が使えるマニュアルなどない」と言う言葉が納得。
多いときは月に20日くらいの添乗、ある年の10月はトルコツアー7泊8日のあと中5日でイタリアツアー7泊8日、中3日で東北ツアー2泊3日。冬は暇で月平均の月収は10万円くらい、奥さんは不動産屋の事務パートだそうで、貧乏な暮らしだが、休みの日はクラシック音楽を聞きながら本を読んでいられれば満足とのこと。
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シリーズ第2弾。
高齢だけど、体に鞭打って働かなくてはならない自虐を交えたお話のように思っていたけど、そうではなかった。
著者は、体力と健康な体があり、子ども2人も独立し、人付き合いは苦手でも、一緒に旅行や温泉を楽しめる妻がいて、お金は食うに困らない程度にはある。過去には塾講師もしていて、セールスも得意、ライターとして自ら売り込みをしてこの本が出せたという。
つるし上げをくったり、理不尽なクレームに平謝りしたり、仕事に呼ばれなくなったり、つらいことには、淡々と対処し、楽しんでいるというか誠実に仕事に取り組んでいるように思える。打たれ強さがあり向いているんだろう。楽しく読んだ。
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添乗員さんは旅行会社社員ではなく、派遣会社から派遣された人なんだということを知り、ツアーの準備から精算まで、板挟みになることが容易に想像でき、なんてストレスの多い仕事なんだ!と思った。
端から見てると仕事であちこち行けて楽しそう♪なのに、実際は旅行会社にもお客にも謝ることばかり...
かといって報酬が良いわけでも、お客と同じ食事や宿泊先があてがわれるわけでもない。
ツアーはリタイヤ組の参加が多いとのことなので、クレーム、ごね、怒鳴り散らす、無理難題等カスハラが本当にひどそう。
旅行や電車が好きで添乗員に憧れる若者よ、これを読んでから就職先を決めるのだ。読後もやる気が続くかな...でも知らずにキラキラした目で飛び込んでいって潰れてしまうのも...
日本はサービスの質が高くて誇らしいけど、どんどん求める質が上がっていって、カスハラにさらされ、サービス業に携わる方は気の毒。
コロナで旅行・観光業界は大打撃を受けているが、添乗員さん達は食べていけているのだろうか。
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「謝るのが仕事だよ」添乗員自身がなげく“日雇い派遣”。ほとんど憂鬱、ときどき喜び。生活と痛みのドキュメント。(e-honより)
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「あとがき」に人生の機微を感じます。
還暦を過ぎた著者がライターの経験を活かして
派遣添乗員のトホホな日々を綴りました。そ
れを出版社に持ち込んだところ、「交通誘導員
ヨレヨレ日記」のヒットもあり、第2弾として
出版することが決まったという流れです。
著者本人は「人生で一度も努力をしたことが
なかった」と己の意思の弱さを嘆いていますが、
人生は本当にどうなるか分からないです。
ただ、真面目に、真っ当に、他人を見下さず、
自分を卑下に見ず、生きよ。と教えてくれる
一冊です。
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派遣添乗員さんの悲喜こもごも。筆者はライター仕事もやっている方のようで文章も読みやすい。基本ユーモアあふれるコメディベースなので安心して読める1冊かなと。いろいろシリーズで出ているらしいので他のも読んでみたくなりました。
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添乗員の仕事って大変だとは想像したが、それ以上だった。面白おかしく書かれてはいるが、現実ではかなり辛いだろう。。。
読んでいくうちに辛くなり、あまりの辛さに最後まで読みきれなかったよ(笑)
自分自身、リタイア後はのんびりバス旅行でも、と淡い夢を抱いていたが、団体行動の難しさ(特に高齢者の)を再認識した為、夢は夢のままでそっとしておこう(苦笑)
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20)「出会う人全ては忍耐について教えてくれる先生」ゆるしのレッスン/ジェラルドGジャンポルスキー(精神医学者)
47)リーダーは学者、医者、易者、役者、芸者の心を持たなければいけない/村田兆治「哀愁のストレート」
144)人間は利のある人、立場の上の人に対しては笑顔をふりまいて近寄っていく。そして往々にして立場の弱い人や目下の人に対して本当の顔を見せるものである。
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表題とイラストに惹かれた。日記形式でエピソードが記載されていて読み進めやすい。トラブル対応の仕方によってはクレームにつながり、客と旅行会社の板挟みで働く添乗員のストレスがよく分かる。長く続く人は「打たれ強い人」「体力がある人」というのがよく分かる。
<興味深い中身抜粋>
●スクジュールをみると月の半分以上は国内外の添乗で埋められている。体力がないと務まらない。
●自然現象、渋滞など添乗員起因で無いトラブルが多いが、それでもつるし上げにあう。この場合でもクレームにならないようにするのが、添乗員の力量。
●安いツアーには、宝石やブランド服の店に連れて行く旅程が組まれており、この売り上げのバックマージンで旅行会社が儲けを得る仕組みになっている。これがトラブルの元となることも。
●宴会で苦労するのは「警察、教師、銀行マン」のツアー
●ツアー客は人生の達人たちが多いが、必ずしも成熟しているわけでは無い。だから様々なトラブルの元となる。
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旅行添乗員によるルポルタージュ。著者は66歳の派遣添乗員。さまざまな職業を経て、五十歳になってからこの仕事に就いた。添乗員の仕事内容や出来事を振り返る形で、数多くのエピソードを紹介する。
自分も若い頃に添乗員付きのツアーによく参加したが、彼らの仕事内容を知ることができて大変面白かった。この仕事はサービス業の中でもかなり過酷な仕事で、精神力、体力がなければやっていけない。旅行が好きとか色々な所へ行けるという生半可な気持ちでは、続けるのが難しいということ。基本は人の世話が好きで、問題に冷静に対処できることが必要らしい。著者も歳を取ってからこの世界に入り、色々苦労はしたもののこの世界が性に合っているそうだ。おそらく物事を第三者の立場で見られるような心のゆとりがあるからではないかと思う。この本は添乗員の世界を知る入門書みたいなものだ。一読して嫌だと思うか、面白そうと思うかで適性が判断できそうだ。
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日本の派遣労働者への酷い扱いがよく分かるが、逞しく面白い筆者の文章に、旅に出たくなりました。ツアーでねw
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表紙の絵が 交通誘導員の人のと
似てるから同じ人が書いたのかと
一瞬思ってしまいましたが
違う人ですね。
(調べたら シリーズで 他にもありました)
若い時には ツアーで
海外とか行ったりしましたが
どうして 確認が 直前なんだろうとか
色々疑問に思っていましたが
実際に働いている人の話を聞くと
納得でした。
もう ツアー旅行には行かないと思うけど
添乗員さん 大変だよね。。。
って しみじみ思ったので
もし お世話になる事があれば
良いお客様になりたいと思いました。(笑)
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どんな仕事にもクレームや理不尽なことはある。
その代表的な仕事ということか。
派遣という働き方が尚更立場を弱くしている気がする。
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流れに乗って、半分なり行きで始めたような書き方だったが、やはり心がけや特にクレーム対応・予防は業務をしていくうちに学んでいくんだなぁ。幅広い人が参加する上、旅行という非日常に関わるのは、何かと予測不能でヒヤヒヤすることが多そう。