投稿元:
レビューを見る
「コッローディ『ピノッキオの冒険』」和田忠彦著、NHK出版、2020.04.01
121p ¥576 C9497 (2020.05.06読了)(2020.03.27購入)
【目次】
【はじめに】既存のイメージを覆す型破りな物語
第1回 統一国家とあやつり人形
第2回 嘘からの成長
第3回 子どもをめぐる労働と不条理
第4回 「帰郷」という冒険
☆関連図書(既読)
「クオレ」アミーチス著・矢崎源九郎訳、講談社、1988.03.21
「イタリア民族革命の使徒 マッツィーニ」森田鉄郎著、清水新書、1984.10.20
「物語 イタリアの歴史」藤沢道郎著、中公新書、1991.10.25
「ムッソリーニを逮捕せよ」木村裕主著、講談社文庫、1993.07.15
「ムッソリーニの処刑」木村裕主著、講談社文庫、1995.06.15
「白鯨(上)」メルヴィル著・阿部知二訳、岩波文庫、1956.11.26
「白鯨(中)」メルヴィル著・阿部知二訳、岩波文庫、1957.03.05
「白鯨(下)」メルヴィル著・阿部知二訳、岩波文庫、1957.03.05
「ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』」和田忠彦著、NHK出版、2018.09.01
(アマゾンより)
社会の矛盾をあぶりだす「あやつり人形」。原作に秘められた知られざる豊穣
「嘘をつく悪い子がよい子に生まれ変わる物語」というイメージがディズニー映画から定着している『ピノッキオの冒険』。ところが、ピノッキオは愛らしいどころか筋金入りの悪童だった! 単なる児童文学ではなく、大人もうならせる隠された奥深いテーマとは? 豊かなメタファーを含む原作の魅力に迫る!
児童文学の傑作『ピノッキオの冒険』にイタリア文学者、和田忠彦氏が新しい視点から光を当てる。「不条理に直面したときにどうすればよいか」「人は心の闇とどう向き合えばいいか」など、現代に通じるメッセージを読み解く。
投稿元:
レビューを見る
原作のストーリーや原作が執筆された当時の時代背景をわかりやすく知ることができて良かった。原作でのピノッキオがテキストを読む前に想像していたよりも酷い目にあうことやピノッキオがピンチの状況で仙女のことを初めて知った。番組で朗読されていたピノキオの「この国はぼくには向いていないんだ!ぼくは生まれつき、働くのには向いていないんだ!」という言葉がテキストに掲載されていないのが残念だった。
投稿元:
レビューを見る
児童文学だから読みやすい。でも解釈は一義的でない。人それぞれにいろんなテーマが連想できるのが、読み継がれている理由と感じた。
・ピノッキオの人間くささ(愚かしさと善良さを併せ持っているところ)
・過酷な児童労働の問題(労働や勤勉を拒否することは悪いこと?)
・予定調和に終わらない不条理と理不尽
投稿元:
レビューを見る
ディズニーのピノッキオは知っている。子供のころ、入院していた時に父が買ってきてくれた絵本だ。
そういう思い出はあるが、原作は知らなかった。当然、19世紀後半イタリア建国頃に書かれたものということも。
王道の名作というよりも、子供向けながらちょっとひねくれた(斜め目線の)話に思える。
投稿元:
レビューを見る
ピノキオってちゃんと読んだことなかったけど、時代背景を知らないと分からない社会風刺的なシーンが多く入っていることとか、コロッディの捻くれた人間性に共感することが多い作品だった。
投稿元:
レビューを見る
前に読んでいたが、人の読み方を読むのも面白い。人の見方はいろいろあるので、自分の見方を詰めていきたい
投稿元:
レビューを見る
解説として、すべての見方ではないと思うが、一つの意見や見解を読むのは楽しかった。イタリア国家統一を果たし、近代化に向けて走り出した時代に書かれた本。ディズニーにはない本来のストーリーを知るのも、文学としての楽しみの一つかなと思った。