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今まで章単位でしか読んでいなかったので初めて通読してみたが、どの章もよく書けていて面白いし翻訳も良い。環境問題から自由貿易までトピックは幅広いが、バナジーとデュフロが本当に書きたかったのは終盤の2,3章(給付、スティグマと尊厳、ベーシックインカム、etc.)なのだろう。ただ、ここは心情的には「そうだよな」と思っても、データで相手を納得させるのが難しい領域のようにも感じた。
著者2人のコロナ禍を経ての更なる考えの深化があればぜひ聞いてみたいと思った。
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1ヶ月以上かかって読みました。今の日本、もう既に無茶苦茶になっているから…
日本の政治家よ、読め!自民党読め!! 希望に進んでいけます様に。
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経済学は信用されていない。
学者の中で一致した意見が、一般の人々の意見とかけ離れていることが一因。また悪い経済学者ーエコノミストーが大手をふってまかり通っている。彼らは自社の経済的利益を代表して発言している。
しじょうの楽観主義をあおろうとする傾向が強い。アカデミックな学者は身長に予想を避ける。将来予想はほとんど不可能だからだ。これらの学者は含みを残した結論を説明するのに、それを導き出した複雑な過程を長々と説明する。
事実は無力である。2つの質問をする。
1、自分の意見は?
2、事実に基づく知識は?
で、2→1で質問した場合。自分の事実誤認を再確認して、意見を求められた場合、事実誤認を認めても自分の意見を変えない。
1→2と答えた人は事実を知り、自分の意見を変える人が出てくる。
事実はなぜ無視されるのか。
メキシコは高所得国に位置付けられ、社会福祉制度は広く称賛され模範とされている。P26
大量の移民が流入しても受け入れ国側の賃金・雇用に与える-影響は極めて少ない。コンセンサスを確認したい場合は、米国科学アカデミーがまとめた移民の影響に関する報告(無料)を確認すべし。
移民も生活をする。雇用(仕事)が増える中で、移民自らが働き相殺され、受け入れ国の需給のバランスは崩れない。増えた雇用は技能がなくても就職できるものが多く(髪切り、買い物レジ打ちなど)技能を持たない移民でもこなしていける。賃金水準が上がり、労働者供給拡大の影響を打ち消す(この部分がよくわからない。なぜ賃金水準が上がるのだろうか?この箇所グラフで表示されているが、観測による数値化の結果でこのグラフができあがったのだろうか?理解力が足りない。この前の文章で見落とし・知識の抜けがあるのかもsれない)
ただし、雇用の需要が増えず、移民の賃金が他国に流れ移民先に流れた場合、労働力が過剰になり賃金水準の低下となる。
また移民の増加は機械化の進行を遅らせる。わざわざ機会に投資せずとも安い労働力で賄えるから。また雇用主が移民を効率的に働かせるために生産方式を再編成する。これにより新たな役割が出てくる。受け入れ国の雇用を脅かすことはない。移民が受け入れ国の労働者と競合せず、補完しあうようになる。移民は受入国住人がやりたがらない仕事を(母国より給料が高いため)喜んで引き受ける。
ここで注意するのは移民の性格。起業精神旺盛な移民は受入国で雇用機会を増やすだろう。技能を持たない移民は未熟労働者の大集団に加わり受入国のそれと競合することになる。
移民を雇用する企業は、働くふりをする人を取りたくない。給料が低くてもいいので採用してくださいと言う人は、働くふりをする人になる率が高いので採用されない。労働者が企業内格差を嫌う事も低賃金労働者を雇わない理由になっている。既存労働者の仕事を移民者が横取りする余地はない。
高技能労働者の場合は、仕事が面白く熱心に働くため、受け入れ国労働者の賃金水準を押し下げる可能性が高い。(効率賃金を払う必要がないため。効率賃金とは会社が労働者に逃げられないように払う追加賃金。他社の賃金と関係なく組織内で生産性を高めるために決まる賃金水準のこと。離職率の低下、従業員の質が高くなる、労働意欲が高くなる効果がある)
また技術があり、安く雇える者が入ってくると、賃金が下がり既存の高技術者が辞めていく現象も起こる。
マイナスの面ばかり挙げたが、プラスの面もある。受入国の貧しい人々に恩恵があることがある。例えば、低所得者のコミュニティに医者などのが介入するようになる(アメリカでは貧困層の地域に移民の医者が開業することが多い)
レモン市場(崩壊した市場)レモンは見た目で腐っているとはわからない。中身は腐っている。
逆選択
紹介による労働者の受け入れについて。質の悪い労働者を掴まされらることを避ける雇用主は賃金をできるだけ安くする。推薦状を持っていない人は低賃金を嫌い応募しない。市場にいるのは推薦状を持たない労働者ばかりになる。こうして最も粗悪な物しか市場に出回らない状況になる。
移民者の社会の中で就職するには、コネクションやネットワークなどのつながりが優位になることがある。このことは、労働状況を不平等にさせ市場を崩壊させる。競争条件が平等でなければ市場を機能しない。結果ほとんどの人が職にありつけない(ここがよくわからない。職をがっちりつかめる人と、つかめない人の2種類の人がいるだけでは?ほとんどの人が職なしになる理由が分からない。?)
国外へ移住するかどうかは、事前の情報の多価に左右される。ある国で移住者が死んだという情報が流れればその国への移住者は激減する。
移住者は移住先の収入を過大に想像する。悲観的な情報は暮らし向きが楽になる可能性をしぼませる。
角度を変えて見ると。
9.11のような誰も予想しえない「未知の未知」を不可実性という。多くの人は不可実性にしり込みする。楽観的な未来予測と、悲観的な情報から見えてくる、何が起こるかわからないという感覚は、しり込みを生み、移住をためらわせる要因になる。また状況を把握できないケースは決断を先送りする傾向もある。移住先は不可実性が高い。悪いことが起こる確率を高めに見積もり移住をためらわせる。
しり込みせず、挑戦したあとする。
人は自分が積極的に決めたことが、何もしなかったときより悪い状況になった時大きく落胆する。失敗を恐れる気持ちは冒険の足かせになる。
だれしも、自分は賢く、勤勉、論理的な人間だと思っている。この気持ちは気分がよく、いざというとき困難に立ち向かう勇気と自信を与えてくれる(ここよくわからい)