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「アベノミクス」という経済政策がどのようなプロセスで形成されたのかを克明な取材により明らかにした『官僚たちのアベノミクス』の続編であり、2013年半ば以降の「その後のアベノミクス」の軌跡をたどっている。具体的には、政府による賃上げ介入、内閣人事局の設置、消費税増税の延期、為替市場への介入未遂などについて取り上げている。
前作に引き続き、第2次以降の安倍内閣の経済政策がどのように形成されているのか、その舞台裏を垣間見ることができる貴重な一冊である。本来、黒衣でありなかなか表に出てこない官僚(特に財務官僚)や日銀職員の動きを具体的に知ることができたのはとても興味深かった。
本書は、内容が克明であり真に迫っているとともに、読み物としても面白く、著者のジャーナリストとしての取材力、文章力に敬意を表する。
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2020年06月安倍政権アベノミクスの記録データ
分析も意見も評価も無い
直後の安倍退陣を踏まえるとポイントはずれた本
安倍政権は支持率だけの短視眼政治 関心は選挙だけ
しかし選挙には圧倒的に強い
ただそれだけ!
国政への抱負は無く、当然のことながら、レガシーも無い
残ったのは巨額の負債だけ
運が良いのは「コロナ戦争の戦費」に紛れて
歴史からも消えてしまうこと
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政府内での財務省の影響力が低下したこと、政府の賃金引き上げに関する労使関係への介入が印象的。
官邸の力が強くなっていった過程や要因をもう少し知りたくなった。やはり選挙で勝ち続けたことか。
あと、元財務次官の故・香川俊介氏が主張していた内閣と党の二重構造ではなく官邸の機能を強化するということ(官邸主導の政策決定)が現実のものとなり、それにより氏および財務省が進めたかった消費税増税が延期された皮肉も印象に残った。
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30代男性
コロナ対策において、二転三転している内閣をみて、どのようなプロセスで意志決定されるのかを知りたくて、読みました。
日銀の人事や賃上げ介入から始まって、消費税増税延期までの政府、官僚(+経団連)の動向が記載されていました。
その場にいたのかと思うほど、細かいことが記載されており、複雑な思惑を経て、政策が決定されることがわかりました。
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2012年12月に総選挙の結果、民主党から自民党に政権が移り、安倍首相がデフレ脱却を目的にインフレターゲット2%を目指そうとした。それに至るまでの財務省、経済産業省などの官僚及び政治家、日銀に関係する人々の動きが緻密に描かれている。それぞれが抱える組織のロジックがぶつかり、日本という巨船はこのようにして動いていたのかととても興味深く読んだ。
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前作『官僚たちのアベノミクス』はドラマとしてなかなか興味深く読みましたが、こちらは前作のようなドラマ性が薄く中身も薄く、ダラダラした感じしか受けないのは、アベノミクス自体がグダグダになってしまったから…ですかね…
まあ、経済・金融政策の決定における舞台裏をそれなりには興味深く垣間見させてもらいました。
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安倍政権が終わり、今まで表に出すことが出来なかった政権の内実がいろいろと表に出てきているが、それらの中でも、本書は詳細さと読みやすさともに秀逸である。
「官製春闘」についても、連合と経団連の戸惑いと動き、内閣府と官僚の思惑など、当時の新聞で知り得なかったことが息づかいまで分かるように思えた。
それにしても国家と経済の運営というものは、実に巨大システムであるがゆえに単純ではなく難しいものであると思った。
結果的に官製春闘では賃上げは微々たるものに終わったわけだが、賃上げの必要性は認識していたということなのだろう。政権後半では賃上げに言及することもなくなっていたと記憶しているが、本書の「政策が選挙戦略として使われていると考えるとわかりやすい」との証言には脱力した。
本書を読んで思ったことは安倍・黒田氏には芯となる哲学がないということだ。やはりそれなりの地位にあるエリートには自らの言葉に責任をもってもらいたいものである。
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阿部の強気の経済政策ができていく過程が描かれていて、政治の裏側がよく分かった。
社会事情や政治家、官僚、日銀の思惑が、今日までを作ったんだなぁと思った。
どんな組織でも長期の弊害が出ると思う。
また、政治家が自分で集めた情報と頭で考える政治の限界があるような気がする。感情の政治かな。
論理の政治とうまくバランスして、国民のための政治がされてくことを期待します。
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大変興味深く、一読に値する良書だ。前作ほどの明瞭さはないことについては、著者も触れているが、公的な成果検証と世論の評価いずれも曖昧なままにコロナ禍に突入してしまったことが一因かもしれない。